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麻倉怜士のハイレゾ真剣勝負 第25回

ゴジラとドヴォルザークの異色のコラボ、渡辺美里ほか

麻倉推薦:史上最高のピアノ録音に触れた!! 5月の必聴ハイレゾ新譜

2018年06月10日 11時30分更新

文● 麻倉怜士 編集●HK(ASCII)

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『Laidback2018』
井筒香奈枝

 これまで寺院やカフェで出張録音してきた井筒だが、今回は、贅沢にも乃木坂のソニー・スタジオで録音。かなり高級な音だ。ひじょうにクリヤーで、透明度が高い。響きがヴォーカルだけでなく、バックのピアノにもたっぷりつけられている。音楽性からするともう少し響きは減らすべきだとは思うが、しかし、32ビット録音の威力で分厚い中でも透明度は相当高い。まったりとした睡眠薬系のヴォーカルが基本なのだが、9曲目のLight My Fire(あのドアーズの有名ナンバーのカヴァー)一転して、激しいロックなのである。驚き。192kHz/32bitで録音。

FLAC:192kHz/24bit、96kHz/24bit
WAV:192kHz/32bit、192kHz/24bit、96kHz/24bit
JellyFishLB、e-onkyo music

『グリーグ:ピアノ協奏曲 イ短調
/ ラフマニノフ:パガニーニの主題による狂詩曲』

辻井伸行

 辻井伸行の協奏曲アルバムの第4作。ヴァシリー・ペトレンコ指揮ロイヤル・リヴァプール・フィルハーモニー管弦楽団とのライブ録音。ライブなのに、この明瞭さはどうよ、の高解像度だ。ピアノもオーケストラもたいへん明確で、明晰なのである。オケが左右のスピーカーいっぱいに広がり、ピアノは比較的大きな音像で、バックとのバランス感も良い。辻井のピアノは北欧的な憂色感を表現し、馴染みのある曲が、新鮮な気持ちで聴ける。2018年1月31日~2月4日、リヴァプールのフィルハーモニックホールで録音。

FLAC:96kHz/24bit、WAV:96kHz/24bit
avex-CLASSICS、e-onkyo music

『Louis Armstrong & His All Stars』
Louis Armstrong

 1954年にサンフランシスコの複数の会場で開催されたライブ。カナダの2xHDレーベルでDXD(352.8KHz/24bit)でリマスターされた。大きな会場らしく響きの量が多い。バックのビックバンド、バックコーラスなどは解像感的にいまひとつだが、ヴォーカルがフューチャーされると、音像が立ち始める。音質的には、あまりハイレゾ的ではなく、この時代のアナログの香りが聴ける。11曲目の「ハイソサエティ」のトランペットの弾けが楽しい。

FLAC:192kHz/24bit、96kHz/24bit
WAV:192kHz/24bit、96kHz/24bit
DSF:11.2MHz/1bit、5.6MHz/1bit、2.8MHz/1bit
2xHD - Storyville Records、e-onkyo music

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