Ryzen 7&B350のコスパPCが脱“Sandyおじさん”に最適なワケ

文●加藤勝明(KTU) 編集●ジサトラ ハッチ

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

 ではNEXTGEAR-MICRO am540PA2のパフォーマンスを検証しよう。今回は筆者の元でほそぼそと生き残っているSandy Bridge世代のCore i7-2600KをベースにしたPCと対決させてみた。“Sandy Bridgeで十分おじさん”は、この結果を見て最新Ryzen搭載PCの凄さを感じて欲しい。なお、グラボはGTX 970のOC版、ストレージはNEXTGEAR-MICRO am540PA2に合わせHDDとした。

【比較機スペック】
CPUIntel「Core i7-2600K」(4コア/8スレッド、3.4~3.8GHz)
マザーボードASUS「P8Z68-M PRO」(Intel Z68)
メモリーCorsair「CMY16GX3M2A2133C11」(DDR3-2133、8GB×2)
グラフィックスASUS「STRIX-GTX970-DC2OC-4GD5」(GeForce GTX 970)
ストレージ1TB HDD(7200rpm)
OSWindows 10 Pro(64ビット April 2018 Update)

 まずはCPUの馬力をみるのに最適な「CINEBENCH R15」だ。今回の対決ではNEXTGEAR-MICRO am540PA2があらゆる面で勝つのはわかりきったことだが、今回は勝ち負けではなく、8年落ちのPCと最新PCの歴然たる差をご覧いただきたい。

「CINEBENCH R15」のスコアー

 マルチスレッド性能も高いがシングルもかなり高い、というのが第2世代Ryzenの特徴。このテストでもそれが良く出ている。特にSandy Bridge世代のCore i7のシングルスレッド性能をかなり上回っているので、何気ない操作もキビキビするはずだ。

 このマルチスレッド性能は、クリエイティブ系アプリで最大限に発揮される。そこでAdobeのCreative Cloud系のアプリをいくつか使用し、ベンチマークしてみた。

 ひとつめは動画エンコーダーである「Media Encoder CC」を使用。再生時間約5分の4K動画(ゲームプレイをShadowPlayで録画したもの)を、フルHDにスケールダウンしつつMP4形式に書き出す処理時間を比較した。

「Media Encoder CC」による動画変換時間

 CINEBENCHのマルチスレッドテストでも示された通り、NEXTGEAR-MICRO am540PA2に搭載されたRyzen 7 2700Xのマルチスレッド性能はCore i7-2600Kの2倍以上。このテストでも2700Kの半分以下の時間で処理を終えている。旧世代PCでは20分かかる処理が9分というのは極めて大きい。

 続いては「Lightroom Classic CC」だ。ここでは200枚のRAW画像(解像度は6000×4000ドット)を最高画質のJPEG形式で書き出す時間を比較する。書き出す際にはスクリーン用のシャープネスを付与している。

「Lightroom Classic CC」によるRAW画像書き出し時間

 シャープネス処理は各コアに高い負荷がかかるため、第2世代Ryzenのような多コアCPUが有利となる。このテストでも旧世代PCのほぼ半分の時間で処理を終えている。

 次に「After Effects CC」を利用する。ここではネットで手に入るフリーのテンプレートの中から「Heatwave」と「Lightning」の2つを選び、それぞれレンダリングする時間を比較した。

「After Effects CC」のレンダリング時間

 このアプリではLightroomやMeida Encoder以上にNEXTGEAR-MICRO am540PA2が速い。CPUのパワー差に加え、GPUのパワー差がこれを支援しているのだ。