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医療系9職種の「なりやすさと報酬=コスパ」ランキング、医師は2位

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『週刊ダイヤモンド』5月19日号の第1特集は、「20年後も医学部・医者で食えるのか? 医歯薬看の新序列」です。総じて社会的ステータスの高い医師・医療職ですが、本当に「食える職種」はどれなのか。職種の中でも格差がないのか。今は食えても将来はどうなのか。現在の序列マップ、職種別コストパフォーマンスランキング、将来需要予想などで迫ります。医歯薬看(医師、歯科医、薬剤師、看護師)になるための大学最新情報や、国公立大学医学部・医学科に強い高校ランキングと併せて、情報満載でお届けします。

医療系の職種で、なりやすくて報酬もいいのは何か
写真はイメージです

 医学部に入っておけば、将来は安泰だし、高収入間違いなし――。

 司法制度改革によって法曹人口が増加した結果、食えない弁護士が登場して「法学部→法曹界」ルートが絶望視される昨今。高偏差値の高校生が大学の学部を選ぶ際に、高い確率で人生の勝ち組になり得る唯一の選択肢が医学部とも言われる。

「偏差値が高い=医学部に入ろう」という図式でゲーム感覚の受験生も存在する。若い才能を医学部ばかりに集めてよいのか。どこまで本気の発言かはさておき、そんな声が医療関係者から聞こえてくる。それほど医学部人気はすごいのだ。

 私立医学部の学費引き下げや、少子化で親や祖父母から教育資金を得やすくなったことが、一般家庭の子女が医学部を狙える環境を醸成した。これによって医学部の入試倍率をさらに押し上げた。

 押し上げ切ったのかこの数年の志願者数は横ばいだが、偏差値は崩れない。

 医学部の偏差値は今、「早稲田、慶應の理工学部以上」といわれる。かつては教育資金が豊富な医師の子女なら、成績が良くなくても何とか入れる医学部はあったが、医学部全体の偏差値が上昇し、今はどこも超難関だ。

 医師になるまでの過程は、さながら下克上である。戦いに敗れた者は、多浪は当たり前。他学部に取りあえず入って卒業してから学士編入するつわものや、海外の医学部に向かう者もいる。

 夢を諦めて薬学部や歯学部に流れる者はいるが、福祉、看護、その他の医療職種に流れる者は少ない。そこには「厳然たる格差がある」と、特に医師家庭の子女たちは知っているからだ。

 医学部に入れば、外部からはうかがい知れない大学間の「格」が存在する。国立大学では運営交付金も人も格に準じて配置され、そのことが更に格を確固たるものにする。「格を越えた下克上はない」と、ある地方大学の学長は諦め顔で言う。

 今春始まった新専門医制度でも、大学の格の違いがあらためて表面化した。

 医師になったとしても今度は報酬の格差社会が広がっている。

 勤務地は地方か都市か、病院の勤務医か市井の開業医か、診療科は何にするか。

 全国約30万人の医師による、壮大な椅子取りゲームが待っている。

コスパトップのMR
将来需要で減少1位

 資格取得までのコストと、取得後の収入(パフォーマンス)は見合ったものか――。

 シビアに物事を見る今どきの若者が気にするのは、仕事のやりがいだけではないだろう。

 医師はもちろん、ほとんどの医療職には資格試験がある。受験資格が、特定の教育機関を卒業することになっているものも大半だ。故に負のスパイラルにはまれば、塾・予備校代などのコストは青天井。晴れて職に就けば社会的ステータスは総じて高いが、職種によって収入格差は大きい。

 9医療系職種のコストパフォーマンスを塾・予備校代、学費、試験合格率、平均年収などから総合的に比較し、ランキングにしたのが次のページの表だ(特集内で詳報)。風評とは異なる結果もあり、意外性があろう。なぜならこのランキングでは将来リスクは勘案していないからだ。

医療系9職種のなりやすさ&リターンランキング表
©ダイヤモンド社 2018 禁無断転載 拡大画像表示

 ある医療系学部の学生は卒業が迫り、「仕事としての手堅さ」を気にして、卒業生に話を聞いて情報収集をしていると明かす。学生にすれば直近はもちろん、長い人生を費やす価値があるのかと、冷静に将来性を値踏みしている。

 そんな学生に参考になるのが、医療の改革を担う53人へのアンケート調査に基づく「2040年の需要増減予想トップ10」(特集内で詳報)だ。現時点でのコストパフォーマンスランキングと比べると、示唆に富む内容となっている。

19医療職種の2040年需要予想表
©ダイヤモンド社 2018 禁無断転載 拡大画像表示

 例えば製薬会社のMR(医薬情報担当者)は営業職の花形とされ、現時点ではコストパフォーマンスが良いが、需要の没落度が激しそうだ。理学療法士などリハビリ系の医療職は、現時点では決してコストパフォーマンスの良い職種ではないが、将来性はあるといえる。看護師は一貫して安定した職種といえそうだ。

 特集内では医師についてさらに詳細に見ており、今は「高収入・安定ルート」として選ばれるこの職で格差が生じてくるという予想が出ている。

 未来に起こり得る医師・医療職の需要変化はこれからの医療を担う学生たちはもちろん、目下の医療を担う現役世代にとっても、非常に気になるところだ。需要変化は医療システムに直結することなので、医療を頼りにする全ての国民にも影響してくる。


※本記事はダイヤモンド・オンラインからの転載です。転載元はこちら

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