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ロードマップでわかる!当世プロセッサー事情 第458回

Ryzen GベースのRyzen Proを発表、第2世代ThreadRipperも! AMD CPUロードマップ

2018年05月14日 22時00分更新

文● 大原雄介(http://www.yusuke-ohara.com/) 編集●北村/ASCII.jp

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デスクトップ向けRyzen Proは
インテル製品と競合しない

 新しいRyzen Proの位置付けは以下のとおり。まずモバイル向け3製品は、ほぼ同価格のインテルのモバイル向け5製品を競合としている。

インテルはvPro対応が2製品しかないのに、AMDは全製品GuardMIとDASHに対応していることをアピール

 性能としては、CPUパワーを使う作業については若干劣るものの、GPUを利用する作業では桁違いに高速、というのがAMDの主張である。

CPU性能は競合製品に若干劣る。テストはAMDのOffice 2016 Profuctivity Suite(AMDが自社で開発したもの)の結果だそうである

GPUは桁違いに高速。逆に言えばどれだけGPUを利用するアプリケーションがあるか、という話でもあるのだが

 一方デスクトップの位置付けは以下のスライドの通り。こうした低価格向けではもはやコンシューマー向けプロセッサーと変わらない(インテルはこの価格帯のvPro搭載製品を用意していない)ためだろうか、性能比較は特に示されていない。かつてのRyzen APUの発表の時に出ているため、今回は省いたのだろう。

第8世代Core iの場合、デスクトップ向けにvProをサポートしてるのは5製品(Core i5-8600K/8600/8600T/8500/8500T)だけで、今回のAPUベースRyzen Proとは価格的に競合せず、従来のRyzen Proが競合と思われる

第2世代ThreadRipperのサンプルを
OEMパートナーに出荷開始

 ちなみにRyzen Proとは無関係の話であるが、進行中のビジネスとして紹介されたのが、Ryzen ThreadRipperを利用したワークステーションである。

Ryzen ThreadRipperを利用したワークステーションの開発が進行中。昔は1Pないし2Pというのが定義だったが、昨今では1Pのままコア数を増やすほうが一般的に

 従来ならRyzen Proをベースとしたワークステーションを提供してきたわけだが、それよりもより高性能な処理能力が必要な市場向けに、Ryzen ThreadRipperが利用できるわけだ。

 競合と比較して平均的に性能が高いとされており、すでに15のシステムインテグレーターから、25以上のシステムが発表されているとのことだった。

Ryzen ThreadRipper 1950Xの競合がCore i9-7900Xというのは、プロセッサー価格が同等なもの、という選択ではないかと思われる

15のシステムインテグレーターからシステムが発表されている。日本ではなじみのあるメーカーがないのが残念。強いて言えばNEXT Computingあたりか

 ただ気になるのは、Ryzen ThreadRipper自身はコンシューマー向けということで、EPYCでサポートしているメモリーのECC対応や、さまざまなセキュリティー機能が無効化されている。ただこうした信頼性/安全性が必要な用途向けにはThreadRipperではなく1PのEPYCを提供できるという話であった。

 そのThreadRipperであるが、すでにOEMパートナーに対しては第2世代製品のサンプル出荷が開始されていることが明らかにされた。

第2世代ThreadRipperを出荷。現時点ではあくまでサンプル出荷を開始したというだけで、実際にいつ出荷されるか、動作周波数や価格などは一切未公開。このあたりはCOMPUTEXあたりに明らかにされるかと思われる

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