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春のヘッドフォン祭 2018 第14回

ヘッドフォン祭から探る、2018年のヘッドフォントレンド

2018年05月09日 17時00分更新

文● ゴン川野 編集●ASCII

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密閉型の逆襲、ゼンハイザー「HD820」とデノン「AH-D5200」

 整理券をもらって試聴するほど人気があったのが、「HD820」だ。イヤーカップにガラスカバーを採用したインパクトの強いデザインで密閉型である。私は開放型が好きなのであえて密閉型にする意義を感じないが、密閉型でなければ使えないシチュエーションもあるだろう。聴いてみると音像定位が良く、左右の広がり感もある。解像度が高く、音色はややクールで、低域の解像度が高い。確かに従来の密閉型のイメージをくつがえすほどの音場感だ。HD800Sと比較してみないとハッキリしたことは言えないが、「HD820」が狙うのは最低域の量感とドライブ感だろうか。いずれにしろハイエンドは開放型という常識を変えるモデルが登場したことは確かだ。

 DENONのハイエンドモデルと言えば「AH-D7200」である。同社のハイエンドはウッドハウジングを使う伝統があり、前作までのマホガニーから7200はアメリカンウォールナットに変更されている。振動板は直径50mmのナノファイバーに数パーセントのパルプをブレンドして、動きやすいフリーエッジに取り付け5Hz~55kHzのワイドレンジを確保している。「AH-D5200」にも同じコンセプトの直径50mmフリーエッジ・ドライバーを採用。高域の再生限界は40kHz。ハウジングはナチュラル・ゼブラウッドになった。発売は4月上旬で実勢価格約6万円とハイコスパ。

 その音は非常にスクエア、生真面目だ。そう感じるのはゼブラウッドが硬い木でそれほど響かないからだと思われる。ボーカルは鮮明で解像度が高く音の粒立ちがいい、どちらかと言えばモニター系の再生音だ。ハイスピードで低域も膨らまずもたつかない。NOBUNAGA Labsとコラボした直径2.5mm4pinバランスケーブル「竜頭」に交換、バランス接続でA&ultima「SP1000」に接続する。全体的にソリッドな音で、ボーカルのフォーカスがさらにピシッと決まり心地よい。もともと新製品の「AH-D1200」と比較するために聴いたのだが「AH-D5200」の実力に圧倒された。

 NOBUNAGA Labsとコラボしたバランス接続用リケーブル。直径2.5mmと直径4.4mmの2種類がある。価格は写真の「竜頭」が1万3800円、「華厳」が1万4800円。

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