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1年で三菱UFJ銀1行分の店舗が消失、米銀リストラの大胆

文● 週刊ダイヤモンド編集部(ダイヤモンド・オンライン

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米大手銀行のシティグループ
米大手銀行のシティグループは、3年半で約3000あった店舗の2割を削減してしまった Photo by Takahisa Suzuki

 米国の大手銀行4行がそろって、急ピッチで店舗大リストラを進めている。

 4月中旬、JPモルガン・チェース、ウェルズ・ファーゴ、シティグループ、バンク・オブ・アメリカの2018年1~3月期(第1四半期)の決算が出そろった。

 その多くは、法人減税や市場取引の活発化などの恩恵を受けて、当期純利益が前年同期比で大幅増益を記録。一方、その陰で経営効率アップのために大幅な店舗削減を続ける姿も浮き彫りになった。17年12月からの3カ月だけでも4行合計で133の店舗が消失。この1年では655にも上る。

 国内3メガバンクの店舗数(本支店)は、最大手である三菱UFJ銀行が685(17年9月末時点、以下同)、三井住友銀行が440、みずほ銀行が419。つまり、三菱UFJ銀行約1行分、みずほ銀行に至っては約1.5行分の店舗が消えた計算になる。

10年で来店客数4割減

 一方、最近は邦銀でもコスト削減策が相次いでいる。背景には、稼げなくなったので出費を切り詰めるしかないという事情がある。超低金利時代の今、安い金利で資金を調達して、それよりも高い金利で融資や有価証券の運用をして利ざやでもうける、という収益モデルが崩壊しているからだ。

 そんな中、人員削減やIT活用による従業員の業務量削減と並んで、店舗改革は重要視されている。

「銀行の店舗といえば、駅前の一等地に構えているもの」(地方銀行幹部)で、しかも、従来型の店舗ではその半分は事務作業を行う行員のためのスペースが占めるコストの塊だ。

 それにもかかわらず、来店客が激減している。三菱UFJ銀行では「この10年ほどで来店客数が4割も減少した」(三菱UFJ銀行首脳)という。「私も久しく銀行の店舗に出向いていない」と銀行の幹部が話す時代であり、事情はどこも同じだ。

 そのため、不採算店を畳むか、収益性アップのための店舗改革が、邦銀では喫緊の課題だ。実際に三菱UFJ銀行と三井住友銀行は、IT活用による業務効率化の方針を表明。一方、みずほ銀行を傘下に持つみずほフィナンシャルグループはもう一歩踏み込む。25年3月末までに、銀行・信託銀行・証券会社の合計で約500ある拠点を2割削減すると、昨年11月に打ち出したのだ。

 それでも米銀には及ばない。シティは3年半で、3060(14年9月)あった店舗を2433(18年3月)まで2割削減。7年以上の長期プランを掲げたみずほに対して、シティはその倍以上のスピードで実行済みだ。

 邦銀と米銀ではカバーする国土の広さや店舗数、金融市場の環境など多くの違いがあって単純比較は難しいが、米銀のスピード感と実行力は今の邦銀に足りないものといえる。

(「週刊ダイヤモンド」編集部 鈴木崇久)


※本記事はダイヤモンド・オンラインからの転載です。転載元はこちら

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