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ファミマ子会社化で伊藤忠とドンキとの関係はどうなるか

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ファミマを子会社化する伊藤忠
伊藤忠商事の鈴木社長(左)と岡藤正広会長(右) Photo by Hiroki Matsumoto

 イオンの筆頭株主でローソンを子会社化した三菱商事、三井物産が出資するセブン&アイ・ホールディングスと並んで、伊藤忠商事は小売りの第三極を形成することができるのだろうか──。

 4月19日に伊藤忠が発表した、ユニー・ファミリーマートホールディングス(UFHD)の子会社化。伊藤忠は現在、発行済み株式の41.45%を保有しているが、8月ごろに公開買い付けを行い、50.1%と過半数に高める。投資額は約1200億円になる見通し。

 もっともUFHDには、伊藤忠元副社長の髙柳浩二社長を筆頭に、経営層から一般社員まで伊藤忠出身者や出向者がおり、すでに実質的には伊藤忠の影響下にあるといってよい。一方で取締役の構成は、伊藤忠出身者だけではなく、ファミマとの経営統合前からユニーを率いる佐古則男社長に加え、ファミリーマート、サークルKサンクス出身者まで居並ぶ混成部隊だ。2017年に三菱商事の子会社となったローソンの常勤取締役が全員、三菱商事出身者または同社所属の人物であるのとは好対照だ。

 伊藤忠の鈴木善久社長は、幹部人事については維持する考えを表明し、小売りの事業そのものについては「プロの手に任せることは(従来と)変わらない」と述べた。

 子会社化を決めた狙いについては、デジタル技術やビッグデータを活用した次世代型店舗の開発の加速や、金融など新規事業の強化、伊藤忠の小売り以外の部門や外部企業との連携を進めていくためと説明。「親子か、そうでないかで外部からの見え方が違う」と語った。

共通の利害を持つ両社

ドンキホーテホールディングスの大原孝治社長
ドンキホーテホールディングスの大原孝治社長(右)は、どのような今後の戦略を描いているのか Photo by Satoru Okada

 だが、小売業界でどうしても注目されるのは、UFHD傘下のユニーに40%出資しているドンキホーテホールディングスと伊藤忠との関係の行方である。

 ユニーは不採算店舗の閉店を進めているが、「MEGAMドン・キホーテUNY」としてリニューアルした中部地方の6店舗は、18年3月期の速報ベースで、売上高、1日当たり客数、粗利が前年の2倍かそれ以上に増加した。

「そもそもユニーの提携先にドンキを引っ張ってきたのは伊藤忠」(小売り大手幹部)といわれるが、ドンキには40%の出資にとどまらず、ユニーの店舗をより自由に開発したいという考えがあるはずだ。

 一方の伊藤忠は、小売業界で異例の成長を見せるドンキの営業や店舗開発のノウハウを手放すわけにはいかない。直接の資本関係こそないものの、ユニーを介して両社は共通の利害を持っているのだ。

 今後のドンキとの関係について問われた伊藤忠の鈴木社長は、「UFJDさんに聞いてもらった方がいい」と言葉を濁したが、低収益とはいえ、駅前など好立地に店舗を持つユニーの身の振り方をめぐって、ドンキと伊藤忠との駆け引きはまだまだ続くとみるべきであろう。

(「週刊ダイヤモンド」編集部 岡田 悟)


※本記事はダイヤモンド・オンラインからの転載です。転載元はこちら

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