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サイコムが得意とするデュアル水冷ゲーミングPCに進展

X370&第2世代Ryzenの挙動に迫る!「G-Master Hydro X470A」で検証

2018年05月01日 11時00分更新

文● 宮里圭介

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第2世代となる「Ryzen 7 2700X」の実力はどのくらい?
X370マザーボードでの性能低下はあるのか基本性能をベンチマークソフトでチェック

 では、気になるRyzen 7 2700Xの性能をベンチマークソフトを中心に見ていこう。とくに気になるのが、チップセットにX470ではなくX370を使った影響だ。いくら安定性重視とはいえ、せっかくの最新CPUの性能が大きく低下してしまうのであれば意味がない。

 そこで、まずはCPUの最大性能を知るのにちょうどいい「CINEBENCH R15」を試してみた。別記事となるが、「Ryzen 7 2700Xを速攻OCレビュー! 競合比較で見えてくる新Ryzenのポテンシャル」(清水貴裕 氏)でちょうど「ASRock Fatal1ty X370 Gaming K4」の後継となる「ASRock Fatal1ty X470 Gaming K4」が使われていたので、こちらの結果と比べてみよう。

「CINEBENCH R15」のスコアは低下するも、その差はわずか約2%

 X470での「CINEBENCH R15」の結果は、先ほどの記事によるとCPUで1776cb、CPU(Single Core)で175となっている。これに対し、X370機ではどのくらいだろうか。

X370マザーでの結果はCPUで1738cb、CPU(Single Core)で172cbと、若干低くなっていた。

 結果は見ての通りで、X470機と比べてわずかとはいえスコアが低下していた。しかし、その差はCPUのスコアでたったの38cb。計算してみると約2%の差しかなく、ほとんど変わらないといってもいいレベルだ。

 X470機ではメモリーがDDR4-2933であるのに対し、X370機ではDDR4-2666となっていること、CPUの冷却にX470機では280mmラジエーターの簡易水冷クーラーが使われているのに対し、X370機では120mmラジエーターということなどを考えれば、ここまで装備に差がありながらも2%しか差がないということの方が驚きだ。

 もちろん、最高性能を引き出したいというのであればチップセットにX470を採用したマザーボードを使うというのは必須条件となるだろうが、コストパフォーマンスを重視するという点では、チップセットにX370を採用したマザーボードでも十分な性能が出せているといえるだろう。

 ちなみに、ライバルとなるCore i7-8700KのスコアはCPUで1426cb。Ryzen 7 2700Xの方が圧倒的に性能が高いというのがわかる結果だ。

ゲーミング性能を3つのベンチマークソフトでチェック

 ここからは、単純に使用した第2世代Ryzen機の性能を見ていこう。ゲーミングPCであるだけに、グラフィック性能がどのくらいなのかは気になるところ。とくにRyzenはコア数で性能が高められているため、Intel Coreと比べクロック当たりの性能が低い。このため、ゲーミング性能では一歩遅れを取っていた。比較用のデータとして、同じGeForce GTX 1080 Tiを搭載したCore i7-8700K搭載機の値を用意した。ただし、こちらの比較データは以前測ったもので、OSやドライバー、ソフトのバージョンが異なる。正確な比較ではないため、あくまで参考程度の値と考えて欲しい。

 では、グラフィックを中心としたゲーミング性能をチェックしてみよう。まずは「3DMark」の「Fire Strike」の結果だ。

GeForce GTX 1080 Ti搭載ということもあって、スコアは堂々の2万越え。とくにCPU性能がモノをいう物理スコアが高めだ。

 Core i7-8700Kのスコアは22814となっているため、やはりグラフィック性能を引き出すにはRyzenはIntel Coreに一歩及ばない結果となっていた。ただし、細かい数値を見ていくと、CPU性能が大きく反映される物理スコアにおいて、Ryzen 7 2700Xが20393なのに対し、Core i7-8700Kでは19437と、一部Ryzen 7 2700Xが上回っている部分もあった。

 続いて、ゲーミングベンチとして定番の「ファイナルファンタジーXIV: 紅蓮のリベレーター ベンチマーク」を見てみよう。比較的軽量なベンチマークとなるため、大抵のゲーミングPCではスコアが7000を超え、評価が「非常に快適」となる。ゲームプレイには十分な性能があるというのはわかった上で、どこまでスコアに違いがあるのかを見ていこう。

 なお設定は、「1920×1080、最高品質、フルスクリーンモード」としている。

比較的軽めなベンチマークとなるため、スコアは15262。非常に快適となる基準スコア7000の2倍以上という結果になった。

 スコアは15262と高いものになっているが、対するCore i7-8700Kでは20061とさらに大幅に上をいくスコアとなっている。第1世代Ryzenでも大きく差をつけられていたが、その差こそ少しは埋めたものの、まだまだ届かない状況だ。コア数よりもクロックあたりの性能が大きく影響してきていると考えられる。

 もうひとつ、重めのベンチとして「FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION ベンチマーク」も試してみた。こちらは比較機でのデータがないため単体での検証となるが、スコア12000以上で「非常に快適」、9000以上で「とても快適」といった評価になる。重めのベンチということもあり、設定は「標準品質、1920×1080、フルスクリーン」としている。

FF15で使用しているデータを使ったベンチマークソフト。マルチコアCPUの性能が比較的でやすいのも特徴。

 結果は見ての通りでスコアが12620、評価は「非常に快適」となった。比較的マルチコアCPUの性能が反映されやすいベンチマークということもあってか、高めのスコアとなった。さらに画質を上げ「高品質」設定で試してみたところ、スコアは9321で評価は「とても快適」となっていた。しっかりとマルチコアCPUに対応しているゲームであれば、Core i7-8700Kと比べても遜色ない性能でゲームが楽しめるようになりそうだ。

 単純なゲーミング性能を見てみた場合、クロック当たりの性能が高いCore i7-8700Kの方が有利なことが多いが、最近ではゲームのマルチコアCPUへの対応も増えてきているようで、Ryzenとの差は少しずつだが埋まりつつあるようだ。また、実況用の配信ソフトなどCPUに高い負荷のかかるソフトをゲームと一緒に使う機会が増えてきているだけに、CPU性能の高いマルチコアCPUはそれだけでアドバンテージがある。こういったシーンでは、Core i7-8700KよりもRyzen 7 2700Xの方が優れた性能を示すことも多そうだ。

気になるNVMe対応SSDの性能はどこまで出るのか?

 Ryzenを使う上で気になるのはゲーミング性能だけでなく、ストレージの性能もそのひとつ。SATA接続のSSDであれば最高でも600MB/sと遅いので問題ないのだが、PCIe接続となるNVMe対応SSDの場合、CPUやチップセットと直につながるだけに本来の性能が引き出せるのかが気にかかる。

 今回試用したモデルには、コスパの高さから人気となっている「Intel SSD 760p」の512GBモデルが搭載されていたので、「CrystalDiskMark」を使ってその性能をチェックしてみた。ちなみにこのSSDの公称値は、シーケンシャル性能でリード3230MB/s、ライト1625MB/sというものだ。

PCIe接続となるIntel SSD 760pを搭載。性能は見ての通りで、概ね公称値通りの性能だ。

 結果は見てもらえればわかる通り、リード約3089MB/s、ライト約1527MB/sとなっていた。この値は公称値よりも若干低くはなっているものの、ほぼ最大性能が出ており、怪しい性能低下などは見られなかった。これだけの性能が出るのであれば、安心してNVMe対応のM.2 SSDを選択できる。

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