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「VIVE Pro」は画素数1.5倍以上!気になるPCスペックへの影響を最速検証

2018年04月02日 11時00分更新

文● 加藤勝明(KTU) 編集●ジサトラ ハッチ

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 それではVIVE Proアップグレードキットの肝といえるヘッドセット部分をチェックしよう。基調色がブラックからネイビーブルーに変更されたほか、頭部を締め付けるゴムベルトが廃止され、機械的な装着機構に変更されたことで装着感が格段に向上した。HTCによれば重量バランスも見直されたということだが、VIVEに比べて劇的に軽くなったというほどの違いは感じられなかった。

 しかしながら、装着自体はヘッドセットに顔を入れて後頭部部分のパーツを下ろせばピタッとはまるため、着脱が格段にラクに行なえた。プレイヤーのハチ周りに合わせるのもダイヤル一発で可能になるなど、格段の進歩が見られる。

 新機能としてはヘッドセット側にカメラとマイクを倍増、ストラップ部にはヘッドホンが追加された。VIVEはオプションの「Vive デラックス オーディオ ストラップ」など、別途ヘッドホンを追加しないとVRゲームの音が聞こえなかったが、今回の仕様変更でセットアップが非常に簡略化されたことになる。ヘッドホンの音はいわゆる“ドンシャリ”系なので好みがわかれるところだが、耳を押さえつけないので装着感自体は非常に良好だ。

 また、デュアルカメラは従来のシングルカメラに比べ視野の拡大効果を狙ったものだが、残念ながら筆者の環境では正しいステレオ映像が得られなかった。

VIVE Proのヘッドセット部分。VIVEの刻印があるアームの根本が可動式になっており、ヘッドセット本体をバイクヘルメットのバイザーのように上に跳ね上げることができる

ヘッドセット中央下部のマイクはデュアルマイク化され、ノイズキャンセリング機能が搭載された。小さい2つの穴にそれぞれマイクが格納されている

ヘッドホンのハウジングにはボリューム調整(左耳)とマイクミュート(右耳)のボタンがある。ヘッドセットは耳にやんわりと押し当てるタイプなので、若干の音漏れは覚悟しなければならない。ハイレゾ対応だが、音質はかなりのドンシャリ系だ

VIVE Proで最も良いと感じたのは頭を固定する機構の改良。後頭部を押さえるユニットとヘッドセットが頭をしっかりホールドしてくれる。激しい動きに対する耐性は不明だが、締めつけ感がかなり解消されている印象

アスキーのVR担当ハッチが装着したところ。眼鏡使用者はヘッドセットの箱部分を伸ばす必要があるが、VIVE Proでは伸長用ボタンを押すことですばやく調整できるようになっていた

 現行ヘッドセットの物理的な難点は、ケーブルに縛られてしまうことだ。このVIVE Proでもケーブルは必須だが、VIVEが極太ケーブル3本を束ねているため取り回しにくいのに対し、VIVE Proでは細いケーブル1本に集約され、取り回しや片付けが格段にやりやすくなった点も見逃せない。

 唯一注意したいのはPC本体のビデオカードからリンクボックスへの接続仕様が変化したことだ。従来はHDMIかミニDisplayPortのどちらかが利用できたが、VIVE ProではミニDisplayPortのみとなった。

 最近はDisplayPort出力が多いビデオカードの方が多いのであまり問題は起きないが、PCケースのフロントにHDMI出力を引き出している場合は、セットアップから見直す必要があるだろう。

 またHTCはVIVE Proをワイヤレス化するための「VIVE ワイヤレスアダプター」の投入も予告している。だが価格等についての情報はまだ明らかにされていない。

VIVEではUSB/HDMI/電源の3系統に分かれていたケーブルがVIVE Proでは一本化。コネクタも統合されるなど、取り回しが劇的に改善した

接続ケーブルの仕様が変わったため、リンクボックスも専用のものが付属する。PC本体のビデオカードからリンクボックスに供給するケーブルはMini DisplayPortオンリーとなる。水色の丸いものは電源を投入するためのボタンだ

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