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麻倉怜士のハイレゾ真剣勝負 第22回

絢香のサクラやドビュッシー没後100年などにも注目

麻倉推薦:角田健一ビッグバンド、ハナスプリングなど定番Hi-Fi録音を聴け!

2018年03月06日 17時00分更新

文● 麻倉怜士 編集●HK(ASCII)

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『For 2 Akis』
Shinya Fukumori Trio

 ミュンヘンを拠点に、ヨーロッパ各地で活動する日本人ドラマー、福盛進也のデビュー・アルバム。それも天下のECMからの発進だ。世界最高の透明度を誇るシベリアのバイカル湖のように、世界最高に透明なサウンドと称されるECM。

 本作も、圧倒的な透明度と細部までの磨き込みの鋭さは、やはり現代屈指だ。ピアノ、サックス、ドラムス(フューチャーアーチストの福森)のトリオだが、各楽器の音像的、音質的な立ち方のシャープなことには刮目だ。3曲目「Ai San San=愛燦燦」の音が透明に重なる部分は、まさにECMの有り難み。ECMはハイレゾで、よりECM的(?)になる。

FLAC:88.2kHz/24bit
ECM、e-onkyo music

『Dreamin'』
Hanah Spring

 和製SOUL歌手、Hanah Spring(ハナスプリング)の最新ハイレゾ。1曲目、Dreamin'(living in a dream)は、ボーカル、ギター、ベース、キーボード、ドラムスというコンパクトな編成だが、各要素の音像が大きく、明瞭に輪郭を確保している。音の進行力が強く、音が手前に向かってどび出してくる飛翔力もリッチだ。

 2曲目、Diana(I don't wanna stop)はベースとドラムスのひきずるような重量感も上手く表現されている。11曲目「君の居る場所」のボーカルは、フレージングが明確で、感情が豊か。音の粒子が大きく、その重量感が本アルバムの音調的な特徴だ。

FLAC:48kHz/24bit
WAV:48kHz/24bit
TOKYO RECORDS、e-onkyo music

『サクラ』
絢香

 絢香がライブのみで歌っていた卒業ソング「サクラ」が、ファンの声に応えてシングル化された。そのハイレゾバージョンで、しっとりと濃密な音だ。いわゆるJ-POP的な中域強調型ではなく、ハイファイ用途にも十分使える、音調的なバランスの佳さだ。音的なボーカルの表情がとてもいい。過度な輪郭強調や、テンション過多ではないが、でもサビの盛り上がりでは、音数の増加と共に感情もストレートに増える。曲の良さと録音の良さが高い次元でバランスしている。

FLAC:96kHz/24bit
WAV:96kHz/24bit
A stAtion、e-onkyo music

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