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サービス攻勢のLIXILと製品で勝負のTOTO、住宅設備ガチンコ対決

2018年02月28日 06時00分更新

文● 週刊ダイヤモンド編集部(ダイヤモンド・オンライン

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LIXILは、この4月上旬にTOTOが「リモデルあんしん宣言」を発表する動きに先立ち、早々“安心”を打ち出した(上)。近年のLIXILは、トイレに強いTOTOの唯一の泣きどころであるキッチンで攻勢をかける(下) 写真提供:LIXILグループ

 数年後に振り返ると、今年の4月1日は国内の住宅設備業界における“一大転換点”となるかもしれない。

 数年前までの急進的な海外M&Aを引っ込めて、国内事業の立て直しを進めるLIXILグループが、自社製品を買ってくれた消費者に対して保証期間を無料で延長する会員サービスを始める。

 同日より開設される「リクシルオーナーズクラブ」専用サイトか、製品に同梱されるはがきにロット番号(製造単位ごとに異なる追跡可能な番号)を登録するだけで、通常2年だったメーカー保証期間を3年まで無料で延長できる。

 ただし、トイレで60%のシェアを握るTOTOの牙城を切り崩すべく、LIXIL傘下のINAXのシャワートイレなど一部の製品に限っては、5年まで延長する。

 また、年会費1200円(税別)が掛かるが、365日24時間対応のメンテナンスパックは、割引価格による修理や掃除が受けられる。このパッケージサービスは、他社の製品も扱うが、自社製品の修理なら最初から20%割り引く。

 さらに、製品によって加入費は異なるが、有料で5年保証プランや10年保証プランを設けており、LIXILは「(会員なら)いつでも無料で、24時間の修理受付が可能」という点を売りにする。

 先行するTOTOは、1年間は無料で、追加料金を払えば5または10年延長できる。だが、顧客データの将来的な活用を見据えた組織化までは考えていないようだ。

 TOTOは、「製品ごとに分けて機能のトラブルを解決する」ことに主眼を置く。一方で、サービスで差別化を模索するLIXILは、「料金を明確にするなどリフォーム全般に対する消費者の心理的なハードルを下げる」ことを狙う。

LIXILの自信

 2011年の発足以来、「総合住生活企業」を標榜するLIXILは、TOTOが手掛ける水まわり4製品(衛生陶器、洗面化粧台、システムバス、システムキッチン)に加えて、窓、玄関ドア、エクステリア(外観)までを扱う。

 これまで、ショールームの統廃合を進めたり、メンテナンスを一緒にしたりする統合作業を進めてきた。その最終段階が窓口を一本化したアフターサービスなのだ。

 ようやく、住生活の総合デパートに変貌したLIXILが、水まわり専門商店のTOTOに対して、ガチンコの勝負を挑むのである。その自信は、キャンペーンの惹句(じゃっく)にも表れている(写真)。

 4月上旬、TOTOは、過去25年で3回目となる「リモデルあんしん宣言」を発表する。なかなか払拭できない、リフォームに対する不安を解消するためだ。そこに、LIXILはぶつけているのだ。

 製品主体で直球勝負のTOTOか、サービス主体で球種が多いLIXILか。インターネット世代の消費者の心をつかむのは、どちらになるか。

(「週刊ダイヤモンド」編集部 池冨 仁)


※本記事はダイヤモンド・オンラインからの転載です。転載元はこちら

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