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現場の社員にも「会計スキル」が必須になった理由

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大増刷した人気シリーズ、今回は即戦力スキル!『週刊ダイヤモンド』3月3日号の第一特集は「会社の数字 超理解! 現場で役立つ 会計力」です。今回も簿記の知識や数式の暗記が不要!立ち食いフレンチ、百貨店、ソニー、花王、オリエンタルランド、アップルなど100社以上が登場。あなたの仕事が強くなり、会社が成長できる会計スキルをわかりやすく易しく伝えています!

会計で仕事を強くし
現場を変えよう!

 おカネの流れを細かく把握するフレンチシェフ、はたまた、資産の生かし方に長けた百貨店店長、あるいは、哺乳瓶メーカーが最先端の会計指標を巧みに活用する……。

 今、企業の現場では会計のスキルが急激に必要となってきている。

 かつて日本企業では、おカネの管理は経理や財務の部門が一手に担っていた。そして、現場はただただ売り上げ拡大にまい進すればよかった。

 ところが時代は大きく変わった。今や現場の一人一人の社員も会計からは逃げられない。絶対必須のスキルとなったのだ。

 背景にはさまざまな要因がある。長い苦境を経て、日本企業は売り上げだけでなく、筋肉質に稼ぐ効率性を重視するようになった。

 加えて、投資家の目が厳しくなったこともある。具体的な数値目標すら要求され、例えば後に詳しく説明するROE(自己資本利益率)という指標なら、日本企業は8%以上を達成することが投資家から望まれている。

 何より重要なのは、そのような企業の意思や投資家の要求と、現場の社員が無縁でいられなくなったことだ。

 ある製薬会社では明確に利益重視を打ち出した。ところがその会社の中間管理職は「量じゃなくて利益が大事だと何度説明しても、安売りしてくる部下がいる」と嘆く。そういう変われない部下の行動の総体が企業の業績になるため、見過ごせないのである。

 もしかしたら、あなたも「会計の知識がないために変われない人」になっているかもしれない。

 最低限の知識がなければ会社が自分に何を求めているのかが分からず、評価もされず、出世もできない。それは数字が証明している。

 今回、本誌では企業にアンケートを行った。その結果は驚くべきものだった。社員にどれくらいの会計のスキルを求めるかという質問に対し、最も多かった回答が「ファイナンスの知識」で、次が「ROEやROAなど」だったのだ(詳しくは特集参照)。ちなみに、この二つの回答を選ぶ場合は「財務3表を理解していることが前提」と設定している。

現場が動くための会計
それが「管理会計」だ

 しかし、焦らないでほしい。実は、会計の知識は勘所を押さえてしまえば、非常に簡単だからだ。経理や財務部門にいないかぎり、必要なのは「ざっくり読む」「相手が何を言っているのか理解できる」能力でいい。

 実は会計には幾つかの分野がある。企業の1年間の成績表ともいえる決算書を作成して外部に公表するための会計を「財務会計」と呼ぶ。

 ただし、財務会計だけでは会社の経営はうまくいかない。想像してほしい。トヨタ自動車が外部に公表している決算書を現場の一人一人に見せて、「来年も利益1兆円以上を目指そう」と言ったらどうだろうか。あまりに大き過ぎて雲をつかむような話で、実感が湧かないはずだ。大きさもさることながら、それぞれの現場によって目指すべき指標も異なるだろう。

 つまり、財務会計ではない、現場が動くための会計が必要で、それを「管理会計」と呼ぶのだ。

 さらには、数字さえ設定すれば自動的に現場が改善されるということはあり得ない。管理会計は“どのように導入するか”も大事になる。企業再建を手掛ける財務戦略コンサルタントの田中慎一・インテグリティ代表は「売り上げや利益を1人当たりで示したり、どうしたら利益が出るのかを図で易しく示したりすると、現場の理解度、雰囲気ががらりと変わる」と明かす。器を作るだけでなく、魂を注入する必要があるのだ。

 ただし、財務会計も管理会計も根っこでは共通するものが多い。また、管理会計を理解するにはまずは財務会計の基本である「財務3表」の読み方をざっくり覚えておかなければならない。


※本記事はダイヤモンド・オンラインからの転載です。転載元はこちら

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