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今後「最も稼げる職業」に!?注目のデータサイエンティストとは

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アメリカでは「最も稼げる職業に」
データサイエンティストとは?

圧倒的に不足しているデータサイエンティスト。経済産業省では2020年には4万8000人が不足すると試算を発表し、育成を急いでいる

 データサイエンティストという職業をご存じだろうか。

 高度なデータ分析技術を駆使して、ビジネスの課題を解決していく仕事である。例えば、企業がマーケティングキャンペーンを行う場合、どんなユーザーがどんな広告に反応しているかを、膨大なデータから分析をしたり、Eラーニングの学習データを集めて業務改善につなげていく。また、最近ネットでよく見かける、レコメンデーションの仕組みを構築していくなど、その業務は多岐にわたっている。

 データサイエンティストは、これからの社会になくてはならない職業であり、IT先進国のアメリカでは、著名な研究者が高額の報酬で企業に引き抜かれる例も少なくない。いま「最も稼げる職業」と言われている。

 なぜ、そこまで必要とされているのか。

 それは、データ分析やデータそのものが企業の競争力の源泉になりうるからである。まずは仕事の「自動化」が加速する点だ。今まで社員が手動でデータを収集し、分析していたものを、自動で計算することにより大幅な省力化が図れる。その結果、コスト削減が可能になり、売上の増加にもつながる。

 例えば、ある企業では、膨大な商品群から最近の売れ筋を探し出し、自社サイトに掲載していた。人力では週に2、3点が限界だったが、自動化したことで10点を掲載でき、売上も伸びたという。

「PDCAサイクル」をきちんと回せるようになる利点もある。分析データがない場合は、会議の場でどうしても社歴の長い上層部の意見が通ってしまう。しかし、データがあれば、現状を正確に把握することができ、改善につなげていけるのである。

経産省も育成を急いでいるが
日本では教育機関も不足している

 企業にとって非常に有益な職業だが、いま、この担い手が圧倒的に不足しているのが現状だ。経済産業省では、2020年までに4万8000人のデータサイエンティストが必要だと発表し、育成を急いでいる。

データミックス社の育成講座では、実践的なケーススタディによって、統計学や機械学習、プログラミングなどを身につけ、即戦力として働けるように指導している

 そこで、データサイエンティストの育成事業を行っているデータミックス代表取締役社長・堅田洋資さんに話を聞いた。堅田さんは、一橋大学で統計学を専攻し、大手監査法人や外資系メーカーで分析コンサルタントとして活動。その後、アメリカの大学へ留学し、日本では数少ないアメリカのデータサイエンティスト修士号を取得している。

「アメリカではデータサイエンスを教える専門機関が増えていますが、それでもIT企業の集まるサンフランシスコでは人材が不足しています。日本では、教育機関自体も、まだ少ないのが現状です。昨年の春に滋賀大学がデータサイエンス学部を開設し、横浜市立大学もこの春から専門学部を立ち上げるなど、日本でも少しずつデータサイエンスを教える教育機関が増えているようです」(堅田さん、以下同)

 こういった現状を受けて、民間でもデータサイエンスを教える学校や講座が増えつつある。堅田さんが運営するスクールでは、6ヵ月かけてデータサイエンスを基礎から学んでいく。主な対象は社会人。統計学や機械学習、プログラミングなどを実践的なケーススタディによって身につけていく。

 例えば、ある企業がキャンペーンで年間500万円の広告を出稿したいと考えているが、これまでのデータから、どういう方法が最も効果があるかを解析して導き出す、といった課題に取り組んでいる。受講生は企業のマーケティング担当者や経営企画に携わる人など様々だが、専門技術を身につけて、キャリアチェンジしたいと考えている人が多い。

プログラミングなどの技術だけでは
ビジネスの現場では通用しない

「データサイエンティストに必要なのは、まず統計学や機械学習、プログラミングの知識です。これらは勉強すれば習得できますが、それだけではビジネスの成果へつなげるのは難しい。なんといってもビジネスへの理解が必要です。データをどう解析して、何を導き出したいのかを、技術ではなくビジネス側の目線で認識できないと、この仕事では通用しません。ですから弊社では社会人を対象にしていますし、実践的な課題を解決するカリキュラムを用いて、現場で通用する専門家を育成しています」

 ハードルは高いものの、未経験者でもがんばり次第では、スキルを身につけることができるという。実際、プログラミングの経験がなかった旅行代理店勤務の男性が、スクールに通い、データサイエンティストの技能を活かして希望の部署へ異動できた事例もある。

「今後は、日本にもデータサイエンティストが増えていくでしょうから、単に分析のテクニックを持っているというだけでキャリアを築いていくのは難しいかもしれません。そういった作業はいずれ人工知能やソフトウェアに取って替わられる可能性があります。ですので、ビジネスの現場を俯瞰できる能力や経営知識も大いに必要です。そういう意味で、弊社のスクールでは、実践的な課題に取り組んでいます」

 同社では昨年11月に、データサイエンティストに特化した人材紹介サービスも開始した。育成にとどまらず、就職を紹介することで即戦力としてビジネス現場で活躍してほしいと願っている。

 転職やキャリアアップを考えている方にとっては絶好のチャンス。この機会にスキルを身につけ、新しい分野に挑戦してみてはいかがだろうか。

(吉田由紀子/5時から作家塾(R))


※本記事はダイヤモンド・オンラインからの転載です。転載元はこちら

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