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みずほFGの社長交代、「大胆すぎる若返り」の波紋

2018年01月23日 06時00分更新

文● 週刊ダイヤモンド編集部(ダイヤモンド・オンライン

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4月にみずほフィナンシャルグループの社長の座が、佐藤康博氏(左)から坂井辰史氏へと継承される Photo:kyodonews/amanaimages

1月15日、みずほフィナンシャルグループは、4月1日付で佐藤康博社長が会長に退き、後任にみずほ証券の坂井辰史社長を昇格させる人事を発表した。銀行の頭取時代を含め、9年間にわたる佐藤体制に終止符が打たれ、次世代への継承が進む。だが、大胆な若返りは、後の人事の波乱要因になりそうだ。(「週刊ダイヤモンド」編集部 鈴木崇久、田上貴大)

「負のレガシー(遺産)を払拭できた今をおいて、交代の時期はない」

 1月15日、みずほフィナンシャルグループ(FG)の佐藤康博社長はトップ退任の意を示した。そのとき言及したのは、旧行意識との闘いの歴史だ。

 みずほFGは日本興業銀行、富士銀行、第一勧業銀行の有力3行が合併して誕生したが、旧行同士の勢力争いに明け暮れてきた。3トップが居並ぶいびつな経営体制がその象徴で、かつてはFG傘下に二つの銀行を持ち、1社2行のトップを旧3行で分け合った。

 こうした旧行意識の弊害が、度重なる不祥事として噴出。合併直後の2002年4月と東日本大震災直後の11年3月に、2度の大規模なシステム障害を起こし、13年には暴力団融資問題が発覚した。

 立ち直るには旧行意識と決別しなければならない。そう心に決めた佐藤社長は、ワントップ体制を構築しながら、不断の改革を敢行。傘下2行の合併や、メガバンク初の指名委員会等設置会社への移行、16年には銀行・信託銀行・証券会社などの子会社を一体運営するため、個人や法人など五つの顧客セグメントをグループ横断で管理する社内カンパニー制を導入した。

 旧行意識を払拭できたと自負し、懸念していた次期システムへの移行が一段落したと考えたこのタイミングで、執行権のない会長職に退き、みずほ証券の坂井辰史社長への禅譲を決意したというわけだ。

 だが、新社長に手渡されるバトンは重い。みずほFGは3メガバンクグループで“独り負け”に陥っているからだ。直近の17年9月期(中間)決算の当期純利益は、三菱UFJFGが6269億円(前年同期比27.8%増)、三井住友FGが4202億円(同17.0%増)となった一方で、みずほFGは3166億円と最少。前年同期比で11.6%も減益している。

 みずほFGの危機感は強く、同じ決算発表にて、今後10年で1万9000人の従業員を減らすという経費削減策を打ち出した。

 同時に、今回のトップ交代には、稼ぐ力を伸ばす上で大きな意味合いを持たせた。それが、みずほ証券の社長を務めた坂井氏を新FG社長に抜てきしたことだ。佐藤社長は「今後、証券と銀行の連携が重要になる」と断言する。

今後の人事観測に波紋を広げる
年次8年の若返り

 証券社長からFG社長という前例のないルートをたどった驚きの交代劇だったが、さらなる波乱要因が浮上。それをひもとく鍵が、下図に示した現経営陣の年次だ。

 昨年4月、みずほFGは銀行と信託のトップを1985年入行の藤原弘治頭取(56歳)と84年入行の飯盛徹夫社長(57歳)に交代、若返りを図った。その結果、80~82年入行であるカンパニー長5人の方が年次は上となり、子会社トップよりも“横串”トップに重きを置く体制へと移行していた。

 ところが、今回76年入行の佐藤社長(65歳)から、84年入行の坂井新社長(58歳)へとFG社長が大幅に若返る。すると、グループ総帥とカンパニー長の間で、年次が“再”逆転することになるのだ。

 となれば、入行年次によるピラミッド型組織運営をしてきた銀行業界において異例の経営体制となるが、佐藤社長は「坂井は証券の社長として、年上の副社長や専務をハンドリングしてきたから問題ない」と述べている。

「FGの中核子会社である商業銀行のトップを経験していない坂井新社長には、現カンパニー長のサポートが必要」(みずほFG関係者)といった見立ては多い。一方、佐藤社長と親しいある銀行関係者は、「グループをつかさどる存在のFG社長より年次が上のカンパニー長たちは、次の人事で追い出す必要が出てきた」と指摘する。

 さらに、今までFG社長の有力候補とされてきた経営陣の多くは、坂井新社長とほぼ同年代。「次期FG社長の芽があるのか怪しくなった」(同)という声も聞かれる。

 結果を出すことが待ったなしのみずほFGだが、早くもさまざまな「次の人事観測」が飛び交う。人事マネジメントは反転攻勢の成否に大きな影響を与えるだろう。


※本記事はダイヤモンド・オンラインからの転載です。転載元はこちら

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