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iPhoneX失速、液晶大手JDIに生き残りの道が見えた理由

文● 週刊ダイヤモンド編集部(ダイヤモンド・オンライン

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有機ELパネル搭載のiPhoneXの動きが鈍い。新機能が盛り込まれたが、10万円超の価格がネックか Photo:REUTERS/アフロ

 米アップルが初めて有機ELパネルを採用した「iPhoneX(テン)」が失速の兆しを見せている。

 一方で、液晶パネルの「iPhone8」の販売がじりじりと盛り返しており、初の有機ELモデルは曲がり角を迎えつつある。

 調査会社BCNによると、昨年11月発売のXは、発売当初は同年9月発売の8を上回っていたが、12月中旬以降の週から逆転。

 最新iPhoneの3モデル(8、8プラス、X)の販売構成を見ると、11月初めには「Xが56%、8が34%(残りは8プラス)」の比率でXが圧倒していたが、12月中旬から徐々に比率を落とし、年明け第1週は「Xが25%、8が60%」と大きな差がついた。

「X失速」の動きは世界的な傾向のようだ。iPhoneの生産動向を調査しているみずほ証券は、アップルが年明けにXの生産調整に入ると想定し、1~3月のXの生産台数見通しを、11月に予想したときより1000万台以上も引き下げた。

 Xの発売当初は、部品不足で生産が遅れたことから在庫のない状態が続いたが、昨年12月以降は品切れが徐々に解消し、すでに店頭で当日買えるまでになっている。

 この状況で売れ行きが目立つのは、価格の安い旧モデルだ。BCNによると、2016年に発売の「iPhone7」が堅調で、1月第1週の調査では、Xと7の販売台数がほぼ同数だった。

 有機ELを搭載したXは、基本価格が11万2800円。同じストレージ容量なら8シリーズは7万8800円から買えて、旧モデルならさらに割安になる。

 Xには有機ELだけでなく、顔認証など最新機能も盛り込まれたが、一般の消費者は高い価格を受け入れていないようだ。

液晶大手JDIに好機

 このままXが失速するか、それとも巻き返すかは、18年に発売する次のiPhoneにも影響する。

 複数の関係者によると、アップルは次のiPhoneで有機ELの採用を2モデルに増やし、1モデルで液晶を残す方針だ。この液晶には、ジャパンディスプレイ(JDI)の新型液晶「フルアクティブ」が採用される予定。

 フルアクティブは、ディスプレーのベゼル(縁)を極限まで狭められるため、Xで採用された有機ELとほぼ同様の「縁なし画面」を実現できる上、コスト面でも有機ELより安く済むとされる。

 18年のiPhoneも価格が焦点になれば、この新型液晶の存在感は増すことになる。

 スマートフォン用有機ELの量産設備を持たないJDIは19年の量産に向けて巨額投資を検討しているが、投資資金の確保に難航している。18年のiPhoneのフルアクティブがヒットすれば生き残る道が開けるが、今後のXの動向は、その重要な試金石となる。

(「週刊ダイヤモンド」委嘱記者 村井令二)


※本記事はダイヤモンド・オンラインからの転載です。転載元はこちら

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