CESレポートはAMDが入っていないのだが、実はAMD自身がCESでは発表を行っておらず、その代わりにCESの直前にCES Tech Day 2018を開催している。そこでこちらでの情報を解説しながら、AMDのロードマップの説明をしていこう。
CES Tech Day 2018で発表された主な内容は以下の4つとなる。
- Vega Mobile
- Ryzen mobile
- Ryzen APU
- 今後のロードマップ
今回はCPU編ということでRyzen mobileとRyzen APU、それと今後のロードマップのうち、CPUに関係する部分をお届けしたい。なおVEGA Mobileに関しては、これを実装したKaby Lake-Gのレポートを参照してもらいたい。
Ryzen mobile搭載PCは
2018年第1四半期に出荷
さて、まずはRyzen mobileについて。連載431回で解説した、モバイル向けのRyzen APUである。今回改めて発表されたのだが、実はRyzen 7とRyzen 5相当のRyzen Mobileは2017年10月に発売済みであり、今回さまざまなメーカーがこれを搭載したノートを展示していた。
これに加えて今回、「Ryzen 3 2300U」と「Ryzen 3 2200U」が追加された形になる。いずれもTDPは15Wのパッケージである。スペックをまとめると下表のようになる。
Ryzen mobileのラインナップ | ||||
---|---|---|---|---|
Ryzen 7 2700U | Ryzen 5 2500U | Ryzen 3 2300U | Ryzen 3 2200U | |
CPU/Thread | 4/8 | 4/4 | 2/4 | |
ベースクロック | 2.2GHz | 2.0GHz | 2.5GHz | |
最大ターボクロック | 3.8GHz | 3.6GHz | 3.4GHz | |
3次キャッシュ | 4MB | |||
GPU | 10CU | 8CU | 6CU | 3CU |
GPUクロック | 1.3GHz | 1.1GHz | ||
TDP | 15W | |||
cTDP | 12~25W |
パフォーマンスに関しては連載431回で紹介したグラフが今回も示されたが、重複するので割愛する。
このRyzen 3 2200U/2300U、OEMメーカーへの出荷開始は1月9日で、これを搭載したシステムは今年第1四半期中に出荷されるであろう、というのがAMDによる説明である。これは妥当なところだろう。
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