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松村太郎の「西海岸から見る"it"トレンド」 第194回

2018年も引き続き、スマートフォンの時代を過ごす

2018年01月11日 10時00分更新

文● 松村太郎(@taromatsumura) 編集● ASCII編集部

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じゃあ、次はなんだ? を考える指標にも

 2017年1月のCESでは、Amazon Echoを皮切りに、音声アシスタントが注目されました。そして2017年の後半には、Google、LINE、Amazonなどが相次いで日本でもスマートスピーカーを投入し、音声アシスタントが日本でも利用できるようになりました。

 確かにテクノロジー業界ではスマートスピーカーが「新たなトレンド」として注目されましたが、これがはたして、重要なデバイスとしてポジションを築くことができるか考える必要があります。つまり、問いかけはこうです。「まずスマホで音声アシスタントを使っているかどうか?」。そして「スマホで利用する音声アシスタントは、不便だったか?」

 筆者はiPhoneを使っているので、音声アシスタントはSiriとなります。個人的にはなるべくSiriに話しかけるよう心がけていますが、音声入力も含めて、指での操作と声での操作の割合はせいぜい8:2です。確かに音声入力は便利なのですが、交通機関やシェアオフィスなど、利用できない空間も多くて……。

 スマートスピーカーが利用できるのは、筆者のスマホに触れている時間のうち「2」の部分で、さらに自宅にいるシチュエーションに限定されます。

 平日、自宅にいる時間は、18時に家に帰ってきてから8時に家を出るまでの14時間。7時間は睡眠時間を取るようにしているので、起きている時間は7時間。そのうちのスマホに触れている時間の20%が、スマートスピーカーに置き換え可能な時間となります。

 この限られた時間で、現在のスマートスピーカーがポジションを確立するまで活躍するとは、やはり考えにくいわけです。一方、音楽を再生する道具としてのほうが、ポジションが作りやすそう。そこでAppleは「スマートスピーカー」ではなく、「ホームスピーカー」としてHomePodを提案しようとしています。

 Appleからすれば、HomePodよりもApple Watchを装着してもらった方が、Siriへのアクセスが身近になるわけで……。

 このように、スマホを中心としてさまざまなテクノロジーを考えると、新たに登場した製品が自分にとって必要かどうか、世の中でどれだけ大きな流れを作ってくれそうかを、見分けることができるようになります。

 その上で、スマホの枠組みを超えて普及する、新しいものとの出会いにも期待しているのです。


筆者紹介――松村太郎

 1980年生まれ。ジャーナリスト・著者。慶應義塾大学SFC研究所上席所員(訪問)。またビジネス・ブレークスルー大学で教鞭を執る。米国カリフォルニア州バークレーに拠点を移し、モバイル・ソーシャルのテクノロジーとライフスタイルについて取材活動をする傍ら、キャスタリア株式会社で、「ソーシャルラーニング」のプラットフォーム開発を行なっている。

公式ブログ TAROSITE.NET
Twitterアカウント @taromatsumura

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