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意表を突くCEO4人の新体制、シャープ

2017年12月25日 09時00分更新

文● 大河原克行 編集●ASCII

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社長交代したいという声に

 戴社長は、「目標の東証一部復帰という目標を達成したので辞めたいという気持ちがあり、取締役会に社長交代を諮った。だが、取締役会からは業績が成長していることや、年度途中で社長交代をすることは異例であると言われた。また、社長は株主総会で選出された取締役のなかから選ぶことが通例であると言われ、社長交代の話は保留になった」とし、その結果、次期社長育成のため、共同CEO体制へと移行することを明らかにしていた。 今後、新たなCEO選出に向けた動きが本格化することになる。

 一方、戴社長は、12月19日に、広島県東広島の広島事業所を訪れ、「徹底会」を開催している。今後、国内主要事業本部にも訪問し、「徹底会」を開催する予定だという。

 これは、12月7日に、東証一部に復帰したことにあわせて、戴正呉社長をはじめとする同社経営幹部が直接社員と話す場を設けることを狙いとしたもので、徹底会では、「これまでの社員全員の弛まぬ努力に対する感謝の意を直接伝えること」、「東証一部復帰を達成したいま、『中期経営計画の完遂』を次なる共通目標に掲げ、この達成に向け、いま一度、一致団結すること」、「東証一部上場の日本企業として、透明性、客観性、健全性を確保した迅速かつ的確な経営を行い、社会的責任をしっかりと果たしていくこと」の3点を示したという。

 具体的には、2016年8月の社長就任時に掲げた「経営幹部に期待すること」として掲げた8つの項目のひとつである「東証一部への早期復帰を共通目標として、業務を遂行すること」を、「中期経営計画の完遂を共通目標として、業務を遂行すること」に置きかえた。

 中期経営計画では、2019年度には、売上高で3兆2,500億円、営業利益で1,500億円を目指しており、戴社長は、売上高では2016年度比1.58倍に、営業利益では2.4倍になることに言及。さらに、2019年度には、当期純利益での大幅成長、設備投資では2019年度までの3年間で約4000億円を投資すること、新卒採用や1人あたりの年間平均給与もさらに上昇させることなどを示した。

 また、事業ビジョンである「8KとAIoTで世界を変える」という姿勢を改めて強調し、「人に寄り添うIoT」と「8Kエコシステム」の実現に向けたトランスフォーメーションを加速すること、One SHARPによって、飛躍的成長を目指すとともに、コンプライアンス遵守の強化を図ることを社員に徹底。「東証一部上場企業としての社会的責任を果たし、日本の社会、さらには国際社会の発展に貢献していく」と語った。

 「シャープは、新たなステージに突入した。今後も、輝けるグローバルブランドの実現に向け、全社一丸となって取り組んでいこう」と戴社長は呼びかけ、「2018年を、『シャープ飛躍の年』にしたいと考えている」という言葉を、「有言実現」とする姿勢を強調した。新たな体制でのシャープの成長戦略が推進されることになる。

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