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みずほが保有する千葉興業銀行株が金融関係者の注目を集める理由

2017年12月20日 06時00分更新

文● 週刊ダイヤモンド編集部(ダイヤモンド・オンライン

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3メガバンクグループの中で唯一、保有する地方銀行の株式売却に関して表立った動きがないみずほフィナンシャルグループ Photo by Takahisa Suzuki

 リーマンショックに端を発する世界的な金融危機が起きてから10年弱。その反省に基づいた再発防止策である国際的な金融規制の枠組みが、ようやく完成した。

 12月7日、世界各国の銀行監督当局で構成されるバーゼル銀行監督委員会は、国際金融規制「バーゼル3」の最終合意に至った。

 前回の金融危機で批判の対象となった「大き過ぎてつぶせない」問題を繰り返さないために、次の危機が起きても耐えられるだけの自己資本比率を国際的な金融機関に確保させることが新規制の主眼。

 過激だった当初の検討案から「全体としてバランスが取れた内容」(金融庁)に落ち着き、規制対象となる3メガバンクグループは胸をなで下ろした。

 ところが、規制対象外であるはずの一部地方銀行の株価が一時下落するなど、遠回しな思惑が市場を駆け巡った。その理由は、規制強化が決まった項目の中に、銀行の政策保有株、いわゆる持ち合い株があったからだ。

 銀行の自己資本比率の算出には、分子に質の高い自己資本、分母に貸し倒れなど銀行ビジネスのさまざまなリスクを考慮して見積もる資産、リスクアセットを用いる。分母には持ち合い株も含まれ、これまで時価で扱ってきたが、今後はリスク算定比率を段階的に高め、2027年までに時価の2.5倍で算出することが決まった。

 すると、分母が膨らんで銀行の自己資本比率は下がってしまう。となれば、新規制の対象である3メガは保有する地銀株を売りに出すのではないかという思惑が働き、株価が下がったのだ。

ガバナンス面でも包囲網

 中でも金融関係者の注目を集める銘柄が、みずほフィナンシャルグループ(FG)傘下のみずほ銀行が15%の株を保有する(9月末時点)、千葉興業銀行だ。

 他の2メガは規制強化を見据えて、保有する地銀株の売却を着々と実行。三井住友FGは、みなと銀行(兵庫県)と関西アーバン銀行(大阪府)をセットでりそなホールディングスに売却することを決定。12月1日には、三菱UFJFG傘下の三菱東京UFJ銀行も、保有するほぼ全ての愛知銀行の株を売却すると発表した。

 そのため、残るみずほFGの出方に注目が集まっている。特に、千葉県という多くの地銀がうらやむ地盤を持つ千葉興業銀行は、かねて地銀再編で名前が挙がる人気銘柄だったからなおさらだ。

 また、コーポレートガバナンス(企業統治)の面からも、株を持つ側と持たれる側がなれ合いの関係になりかねない持ち合い株に対しては包囲網が狭まりつつある。

 こうした状況が醸成される中、「地銀株に売りを浴びせようと待ち構えている市場参加者は多い」(市場関係者)。ここ数年で再編が相次ぐ地銀への注目は、今後も続きそうだ。

(「週刊ダイヤモンド」編集部 鈴木崇久)


※本記事はダイヤモンド・オンラインからの転載です。転載元はこちら

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