Ryzen Mobileは設計目標を
大幅に超えた性能を発揮
Ryzen Mobileでは、新たにCC6とCPU OFF/GPU OFFの際のPower Gatingの動作が拡張されている。省電力状態では、休んでいるCPU/GPUコアはまずCC6ないしPower Gating状態に入り、これが長期間続くとCPU OFF/GPU OFFになる。そして全コア/GPUがOFFになったら、外部のレギュレータを止める、という仕組みだ。
ただしノートPCの場合、画面は保持しておきたいという状況がしばしばある。このため、Power GatingはRegion A(CPU/GPU/IO Hub)とRegion B(Display/Memory/Multimedia)の2つに分離されている。
たとえば動画の再生中の場合、Region Bのみが生きており、ここがメモリーからデータを読み込み、Multimedia Hubの先のアクセラレーターを使って動画のデコードを行ない、その結果を画面(とMultimedia Hubの先の音声コーデック)経由で出力することでバッテリーの寿命を延ばせるとしている。
待機状態からの復帰が遅いと操作性を損なうので、これに関しても高速化されている。
こうしたメカニズムの結果、Raven Ridgeの性能は非常に改善したという。設計目標を大幅に超えた結果が達成されており、競争力のある製品になったとする。
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