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エロいイメージはもう古い!女子にポールダンスが流行する理由

文● 末吉陽子(ダイヤモンド・オンライン

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「ポールダンス」といえばかつて、ストリップクラブで女性が踊る官能的なダンスというイメージが強かった。しかし、近年はアクロバティックな技を競うスポーツとしても認知度が高まっており、世界大会も開催されているほど。将来的には五輪正式種目入りを目指す動きもあるそうだ。日本における人気も上昇中で、レッスンに足しげく通う女性も増えているという。そこで、あらためてポールダンスの魅力を探るべく、国際ビューティ―ポールダンス&フィットネス協会の高倉温味代表理事に話を聞いた。(フリーライター 末吉陽子)

ブームの火付け役は
あの世界的歌姫

ストリップクラブで好まれた踊り、という印象も今は昔。近年は技を競うスポーツとしての認知が高まっており、五輪種目入りを目指す動きもあるという

 ポールダンスとは、その名の通り垂直の棒(ポール)を使い、音楽に合わせながら身体の柔軟性と筋力でアクロバティックな技を披露する踊りのこと。

「ストリップクラブで好まれた踊りという意味では、アメリカのラスベガスが本場ということになりますが、どこで誕生したかは定かではありません。ロシアのサーカスや、中国雑技団のチャイニーズポールというパフォーマンスから派生した説、さらにはフランスの王族や貴族たちの社交会で披露されたダンスだったという説までさまざまです」(高倉温味氏、以下同)

 “官能的な夜の踊り”というイメージに変化の兆しが見られたのは、2005年頃のこと。世界的歌姫・マドンナがエクササイズにポールダンスを取り入れていることが話題になったことが大きかったという。

「05年以前からアンジェリーナ・ジョリーやケイト・モスなどのハリウッドセレブもポールダンスを愛好していたようですが、やはりマドンナの影響力は強くて、一大ムーブメントになりました。私はもともとジャズダンスを専門にしていたのですが、同じ頃にプラスアルファの踊りを身につけたいと、ちょうどポールダンスをはじめたところ、このブームに乗って、ポールダンスの仕事が急増しました」

 ポールダンスは天井と床にポールを取り付けるため、05年時点では練習できる場所が少なかったという。高倉さんも自主練用の場所の確保には苦労したそうだが、ビルの一室を借りられることになったところ、ポールダンスを学びたいと希望する人が高倉さんの元を訪れるようになり、レッスンスタジオを開設。今年で11年目を迎えるそうだが、この間、日本のポールダンス人口はおよそ1万人にまで膨れ上がっている。

女性の本能が目覚めるダンスで
筋力とともにとセクシーさもアップ

「私のスタジオは女性専用ですが、ビジターの生徒は『セクシーになりたい』『女子力を上げたい』という人が多いですね。ネットで“女性 習いごと”や“女性 ダンス”で検索して、ポールダンスを知る人もいるようです。あとは友達が習っていて興味を持ったということで来る人も。レッスンを見学して、『眠っていた女性の本能が目覚めました!私がやりたかったのはこれです!』とハマる人もいます」

眠っていた女性の本能が目覚める!?ポールダンスに魅せられてレッスンを始める女性が増えており、今ではポールダンス人口はおよそ1万人となった

 そもそも、“ポールダンス=セクシー”たる所以はどのような要素にあるのだろうか。高倉さんは次のように分析する。

「まず、ポールダンスは肌の摩擦で身体を止めながらパフォーマンスするので、露出が多いこと。そして、ポールを使うことで女性らしいラインが強調されますので、色気を醸し出すことになること、この2つが大きいと思います」

「たとえば、ポールに掴まって回転する技がありますが、首の向きを後方に反らすことで、酔わないし、遠心力の抵抗をそらしてスピードが出ます。これを猫背でやろうとすると、回転が掛からず技としての見栄えが悪くなります。ポールダンスの姿勢は基本的に身体を“S字”にするのですが、これが女性っぽい印象を与えるため、見ている側はセクシーに感じるのだろうと考えています」

 ポールダンスを続けていると、日常生活でも“艶っぽいオーラ”を醸し出せるようになるようで、高倉さんもレッスンに通う生徒などから、「食べるときの所作が美しい」「座っている姿勢が綺麗」と言われることが多いという。ポールダンスを通して、ファッションやメイクだけでは変えられない雰囲気が手に入るのも、女性たちを魅了しているポイントなのかもしれない。

 さらに、クラシックバレエなどの要素も含まれることから、フィットネス面から見ても、身体鍛錬の効果は絶大だという。

「『腹筋』『腕筋』『背筋』『体幹』がしっかり鍛えられていないと、体勢をキープできません。ポールダンスは全身運動なので、練習を続けていると自然と身体が引き締まります。以前、大手フィットネスジムのトレーナーが、セクシーになりたいとかではなく、筋トレ目的で習いに来ていました。『ジムには機械がたくさんありますが、ポール1本で全身をバランスよく鍛えられるので嬉しい』とのことでした。また、15cmから20cmほどのヒールを履いて踊るため、ほぼつま先立ち状態になるのですが、これによって体幹もしっかり鍛えられます」

競技化とフィットネスの双方向で
ダンス人口も増加中

 セクシーオーラを手に入れたい人から、トレーニングを求める人まで、さまざまなニーズを満たすポールダンスだが、演技や競技という面においての発展はこれからのようだ。

「いまポールダンスの技が加速度的に進化しているところです。大会を目指している人は常に新しい技に挑戦していて、その姿はアスリートさながら。大会数も徐々に増えていますし、いわゆる『スポーツポール』として技を極めるという側面では、これからの発展に期待しています」

お色気ばかりがポールダンスではない。いかようにも見せ方を変えることができるのだという

「また、魅せるダンスとしての需要も増えていて、そのために演技の技術を上げたいという人もいます」

「最近は高級ホテルで舞台を用意していただくなど、踊るチャンスも増えていて、企業のパーティーに呼ばれて演技を披露することもありますからね。『下品なのは絶対なし、露出も少なめ、セクシーな要素は欲しいけどお色気は抑えてほしい』というオーダーもありますが、いかようにも見せ方を変えることができるのもポールダンスならではかもしれません」

 高倉さんは、今後のポールダンスのポジションについて、新しい“花嫁修業”のひとつにしたいと語る。

「セクシーな妻に進化して嬉しくない夫はいませんよね。あと、私は39歳で出産したのですが、出産って相当な体力を使うんだと、身をもって知りました。ずっとダンスをしてきたので体力には自信がありましたが、それでもキツかった。世の中のお母さんたちってすごいなって思ったんです。ただ、出産後に骨盤がずれて長期間整体に通われる方も多いと聞きますが、私の場合は骨盤がすぐ戻りました。『ポールダンスで全身に筋肉がついていたから自力整体できたのだろう』と、整体の専門家にも言われました」

「ポールダンスをしていれば、出産後の体型維持もさることながら、家事育児をこなす体力もつくはず。そのために、ポールダンスを花嫁修業として取り入れてもらえるように広めていきたいと思います」

 男性を官能の世界に誘うダンスから、技を競い合うスポーツ、そしてオンナに磨きをかけるための手段として広がりを見せるポールダンス。しなやかで重力を感じさせないパフォーマンスには、全身の柔軟性や筋力が不可欠。トレーニングによってボディが引き締まるだけでなく、その過程で“妖艶なオーラ”も手に入るとなれば、この先、女性たちの人気はますます盛り上がることになりそうだ。


※本記事はダイヤモンド・オンラインからの転載です。転載元はこちら

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