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ソニーは新ワイヤレスヘッドフォンにエンジニアリングの良さを詰め込んでいた

2017年09月17日 12時00分更新

文● 四本淑三

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新たにスマホアプリに対応

 新登場したスマートフォンアプリ「Headphones Connect」への対応がもっとも大きなアップデートだろう(Android/iOS対応)。1000Xシリーズは3機種ともこのアプリに対応し、それぞれの機種に応じたパラメーター設定ができる。

 WH-1000XM2の場合は「パーソナルNCオプティマイザー」がアプリから起動できるようになった。これは先の気圧計の計測値や装着状態の違いをヘッドフォン側が吸収して、ノイズキャンセリング効果を最適化する仕組み。

 ユーザーはキャリブレーションのためのテストトーンを聞くことになるが、これが無味乾燥な正弦波やノイズではなく、耳なじみのある楽音でできたキーの異なる和音なのがおもしろかった。聴かされて嫌な感じはしないし、最適化は数秒で完了する。

新登場のスマートフォンアプリ「Headphones Connect」からパーソナルNCオプティマイザーを起動

オプティマイズ完了画面。WH-1000XM2は、この最適化のプロセスに新搭載された気圧センサーの値も使う

動きを検知するアダプティブサウンドコントロール

 このアプリによって、スマートフォン側の加速度センサーを使い、ユーザーの動きも検知するようになった。検知するのは、止まっているとき、歩いているとき、走っているとき、乗り物に乗っているときの4パターン。対応してノイズキャンセリング効果や、外音のミックス量、周波数特性を自動で切り替える。それが「アダプティブサウンドコントロール」と呼ばれる新機能だ。

私の行動が検出されつつある様子

 再生音に外音をミックスする「アンビエントサウンドモード」はMDR-1000Xにもあった機能だが、このアプリの登場により、外来音のミックスレベルもマニュアルで細かく調整できるようになった。人の声を聞きやすくするよう低域を中心にカットする「ボイスフォーカス」モードも、マニュアルでのON/OFFができる。

 実際に椅子から立って歩きはじめると、素早く検知して歩行モードに切り替わり、周囲の騒音レベルが上がってくると乗り物モードに切り替わるのがおもしろい。人が少なく比較的静かな状態の車内では、切り替えに時間がかかることもあり、早く変わってくれないかなと思う場面もあるが、おおむね期待通りに動作してくれる。

アダプティブサウンドコントロールの画面。オフィスなど室内で座っている場合は外音取り込みMAX。空調などの室内騒音をカットしつつ、不意に話しかけられても対応できるようボイスフォーカスONの状態に

歩き始めるとボイスフォーカスはOFFになり、外音の取り込みレベルも下がる

走り始めると自動車の音など周囲の音への注意を促すためか、外音の取り込みレベルはMAXに

電車に乗った状態。外音の取り込み量はゼロになり、ノイズキャンセリングがフルに効く。こうして検知されたユーザーの行動状態や、外音のミックス量やボイスフォーカスのON/OFFは、手動でも調整切り替えができる

iOSの場合は接続するコーデックにACCとSBCが選択可能。MDR-1000Xでは常時ONだったDSEE HXも、アプリからOFFにできるようになった。アプリのオマケとして、サラウンドエフェクトや定位位置の選択、イコライザーといった機能もある

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