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職場の「スメハラ」に関心高まる、男の臭い対策で企業セミナーも

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今年に入り相次いで新発売された、大手各社のじか塗りデオドラント Photo by Masataka Tsuchimoto

 8月に入って関東、東北を中心に冷夏になったとはいえ、汗ばむ季節となった春以降、臭い対策を兼ねたボディーケアの男性化粧品が活況だ。

 男性化粧品大手のマンダムによると、市場規模は4~7月で、前年比8.2%増の110億円。梅雨が明けた7月に限れば、前年比16.1%増の42億円と激増した。

 中でも売れ筋は、脇に直接塗る「じか塗りデオドラント」で4~7月に前年比なんと52.7%増(7月は56.1%増)。他には、ボディーシャンプー7.6%増(同10.7%増)、ボディーペーパー5.1%増(同19.9%増)、デオドラントスプレー3.7%減(同6.5%増)などとなった。

激戦の男性デオドラント

 男性化粧品の市場規模は近年、1150億円前後(マンダム算出)で横ばいが続く。その中にあって、ボディーケアは、スタイリング剤、スカルプケア、フェースケアが一進一退を続けるのを横目に、年数パーセントずつ市場拡大している“優等生”だ。今春も資生堂、花王、ロート製薬、マンダムが新商品のじか塗りデオドラントを相次いで販売開始するなど、手に汗握る激戦となっている。

 売り上げ増の背景には体臭などで不快な思いをさせる行為「スメルハラスメント(スメハラ)」に対する関心の高まりがある。

 マンダムによると、スメハラの世間認知度は今年5月の調査で45.8%。3年前の2倍以上だ。東日本大震災以降の節電浸透で冷房の設定温度が高くなり、汗をかく機会が増えたことなどが、問題意識向上の後押しをしているようだ。

 同じ調査で「自分や他人の体臭が気になって仕事に集中できないことがある」は56.2%にも上った。中高年以降の男性にはミドル脂臭や加齢臭があり、多くの悩みは男性にまつわるとみられる。一方で「職場として臭い対策を実施」は、わずか10.4%だった。

 ソフトバンク、グンゼ、京セラ労組など50以上の会社・団体はマンダム研究員らを招き、「においケアセミナー」を実施している。招く側には男性の体臭発生メカニズムや体臭対策方法を伝授してもらうことで、「当該者に直接注意はしづらいが、自発的に気付いてもらえるのでは」という思いがあるようだ。

 なぜなら同じ「ハラスメント」系で有名なセクシュアルハラスメントは男女雇用機会均等法などで守られているが、スメハラはモラル的要素が強い。企業関係者からは、「臭いもハラスメントになるというのは社会常識なのか」「注意すること自体がハラスメントだと受け取られかねない」と及び腰の声が聞こえる。

 女性にも加齢臭、汗臭、香水臭などあるが、男女では女性の方が臭いに敏感とされる。未対策のスメハラ男性は、周りに誰も寄り付かなくなってから気付くのでは、それこそ“汗顔の至り”となろう。

(「週刊ダイヤモンド」編集部 土本匡孝)


※本記事はダイヤモンド・オンラインからの転載です。転載元はこちら

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