このページの本文へ

ダメな部下は叱らず「ほめて」やる気にさせるが勝ち

2017年08月27日 06時00分更新

文● 松枝美樹(ダイヤモンド・オンライン

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

やる気の感じられない部下、仕事がイマイチぱっとしない部下の存在は、上司にとってはイライラのタネ。まわりの士気も下げるし本当に困りものです。でも、叱ったり説教したりするだけでは、部下のやる気はますます下がっていくだけ。むしろ、なんとかほめてやる気にさせたほうが得策の場合も多いのです。コミュニケーション上手な人はほめ上手な人が多いものです。仕事上のちょっとした気配りや気の利いた段取り、服装や清潔感に至るまで、小さなことでもほめられた人は照れくさかったり半信半疑であったりしても、必ず嬉しいと感じるものです。そこで少しでもやる気にさせられれば、エネルギーを使って叱責を重ねるよりもいい結果になります。そしてさらに、ほめた自分自身も明るい気分になるのです。

「ほめ」で引き出す「好意の返報性」

 口に出してほめたりしないのは日本人の繊細で奥ゆかしい美徳かもしれませんが、多様な人間が働く職場では、シンプルで誤解の少ない欧米式のコミュニケーションをお手本に、はっきり口に出して相手をほめてみましょう。

 人は好意を示された相手に好感を持つようにできています。この心理を「好意の返報性」と言います。ほめられた方はたとえその根拠が論理的であったとしても、好意の現れとして受け止めます。

 恋愛ではなかなかままならない「好意の返報性」ですが、通常の人間関係では自然なこと。上司にほめられなんとなく好かれていると感じれば、お返ししたい気持ちになります。それを仕事の頑張りや、上司への誠実さで返してもらえればこっちのものというわけです。

ほめるのが苦手な日本人
ではどうする?

 たとえば、一見働きぶりがぱっとしない中堅社員のA君をほめたいと思ったら、まずは興味を持って観察するところからはじめましょう。

 すると、会議や外出帰りに待っていましたとばかり話しかけてくる部下が多い中、A君は上司への報告や質問のタイミングが絶妙であることに気づきました。上司が席に戻りメールや伝言のチェックを終えてひといきついたタイミングで、必ず声をかけてくるのです。

 これは一見消極的に見える原因にはなっていましたが、実は観察力と思いやりに優れているからだとわかりました。このようにほめたいターゲットを絞って観察すると見えない長所に気づくことがあるのです。そして、こうした目立たないけれど得難い特質を上手にほめることができれば、自信をつけたA君は今まで足りなかった積極性を発揮してくれるかもしれません。

シャイな社員は間接的にほめてみる

 細やかな長所を持つA君は、繊細なだけにほめられても素直に受け取ってくれるかどうかわかりません。そんな場合はわざと間接的にほめことばが耳に入るようにします。A君といい関係にあるB君にそれとなく話すのです。

「自分本位でないA君の気配りにはいつも感心しているんだよ。彼はなかなかフトコロの広い男だね」。雑談の中にそんなほめことばを入れれば、B君から本人に伝わりじんわりと嬉しい気持ちになるでしょう。

 ほめるほうは本人に直接伝える照れくささから解放され、ほめられる方は第三者が間にはいることで、ほめことばが口先だけではないと感じることができます。このように間接的にほめことばを伝えるのは、本人が素直に受け取りやすくなかなか効果がありますが、聞いたままをちゃんと伝えてくれる相手を選ぶ必要はあります。

ほめことばを口にすることで
自分自身も快感を得る

 仕事もろくにできない部下を叱責する代わりにいいところを探してほめるなんてストレスだと思うかもしれませんが、実は反対です。人間はだれかをほめることで自分自身も嬉しくなるという考察があります。

 実感がわかない人は、相手にちょっとした不満があるときにそれを口に出すと、怒りが増幅されて次から次へと不満が噴出するといった経験を思い出してみてください。相手をほめるのはその反対の行動というわけです。

 むりやりひねり出したと思えるほめことばであっても、自分自身の耳は心地よく受け止め、自らの精神をいい状態にする効果があります。ほめことばを聞いたときの相手の照れくさそうで嬉しそうな表情を目で感じることも同様です。

 ほめたA君の働きぶりがそう変わらないとしても、叱責してイライラを増幅させるよりは精神衛生上いいというわけです。職場でもいいことづくしの「ほめ」を活用してほしいと思います。


※本記事はダイヤモンド・オンラインからの転載です。転載元はこちら

カテゴリートップへ

最新記事
最新記事

ASCII.jp ビジネスヘッドライン

アスキー・ビジネスセレクション

QDレーザー販促企画バナー

ピックアップ