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最新パーツ性能チェック ― 第219回

AMD派待望の「RX Vega」はハイエンドGPUにおける周回後れを取り戻せるか?

2017年08月21日 11時00分更新

文● 加藤勝明 編集●北村/ASCII編集部

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検証環境は?

 今回性能検証に使用したシステムは以下の通りだ。比較対象はVega 64にはGTX 1080のFounders Edition、Vega 56にはGTX 1070のFounders Editionをぶつけてみる。良い感じに実売価格が下がってきたPolaris世代のハイエンドGPU(だったもの)にどの程度差を付けるかが見どころとなるだろう。

 なお、Vega 56/64のパワーモードは特別な表記なき限り、すべてデフォルト設定(プライマリー&バランス)に固定している。

テスト環境
CPU Intel Core i7-7700K(4GHz、最大4.5GHz)
マザーボード ASRock Z270 GAMING K6(Intel Z270)
メモリー Corsair CMU16GX4M2A2666C16R(DDR4-2666 8GB×2)
ビデオカード Radeon RX Vega 64リファレンスカード
Radeon RX Vega 56リファレンスカード
GeForce GTX 1070 Founders Edition
GeForce GTX 1070 Founders Edition
SSD Intel SSDPEKKW512G7X1(NVMe M.2 SSD、512GB)
Crucial「CT1050MX300SSD4/JP」(M.2 SATA SSD、1.05GB、データ用)
電源ユニット Silverstone SF850F-PT(850W、80PLUS Platinum)
OS Windows 10 Pro 64bit版(Creators Uptade)
ラトックシステム ラトックシステム「REX-BTWATTCH1」

GTX 1070/1080と互角の戦いをみせる

 最初のベンチはいつもの「3DMark」のスコアー比べだ。“Fire Strike”“Fire Strike Ultra”“Time Spy”の3種類のテストを実施した。

「3DMark」のスコアー

 Vega 64はGTX 1080 FE、Vega 56はGTX 1070 FEに近いが、やや上回る程度。比較対象のGeForceがOC版であれば、さらに差は縮まるだろう。

 2年待ったハイエンドが1年前のハイエンドと同格というのはなんとも物足らない気持ちにはなる。だがここしばらくPascalにやりたい放題やられていたハイエンドGPUゾーンにRadeonが戻ってきたという点は歓迎すべきだろう。

 ここで消費電力やワットパフォーマンスもチェックしておこう。システム起動10分後の安定値を“アイドル時”、3DMarkのTime Spyデモ実施中のピーク値を“高負荷時”とした。さらに前掲のTime Spyのスコアーを高負荷時の消費電力で割ったものを、ざっくりとではあるが“ワットパフォーマンス”として比較するとしよう。

システム全体の消費電力

 HBM1メモリーを搭載したFury Xは当時のハイエンドRadeon(R9 300シリーズ)に対して消費電力が抑えられたことで話題を呼んだが、今回のVega 64の消費電力は驚くほど大きい。

 リファレンスですら8ピン×2の外部電源を必要としている段階でなんとなくは察していたが、Pascal世代のGeForceのワットパフォーマンスをかえって強調する結果となってしまった。

 Vega 56もGTX 1070 FEに比べ60W近く消費電力が増えてしまっているが、64に比べれば相当大人しい印象だ。比較に使うGeForce系カードがOCモデルだと、Vega 56は結構良い勝負になるかもしれない。

1WあたりのTime Spyのスコアー

 ワットパフォーマンス、ここでは1WあたりのTime Spyのスコアーも仮想敵であるGeForce系に惨敗している。このワットパフォーマンス悪化がHBM2+HBCCにあるのか、NCUの設計そのものにあるのか、はてはInfinity Fablicにあるのか、原因を特定することはできないが、今後登場すると思われるVegaベースのミドルクラスが出ればわかってくるだろう。

 ついでに「VRMark」のスコアーも計測してみた。Vega 56がGTX 1070相当であればVegaはVRに好適なGPUであることはむしろ当然といえるが、果たしてどうだろうか。

「VRMark」のスコアー

 GeForce系が良いスコアーを挙げているが、現行VRシステムを想定したOrange Roomにおける平均fpsはどのカードも200fpsを超えており、どのGPUを使っても快適にVRを楽しめることを示唆している。

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