フルサイズ一眼とAPS-C一眼はそんなに違うのか!? 第1回
フルサイズ一眼「EOS 6D MarkII」とAPS-C一眼「EOS 80D」、差額10万円の違いはどんなもの!?
2017年08月08日 12時00分更新
プロでも使えるアマチュア向けのフルサイズ機
「キヤノン EOS 6D MarkII」
8月4日に発売された「EOS 6D MarkII」は名称からわかるように2代目のモデルだ。先代の「6D」は2012年12月に発売されたので、実に約5年ぶりのモデルチェンジになる。
初代モデルはフルサイズ機とは思えないほどの小型軽量なうえ、発売当初からボディーのみで20万を切る低価格で大人気のモデルだった。
2代目になるEOS 6D MarkIIは小型軽量という初代のコンセプトを継承しつつ、5年分のデジカメ技術の進歩を反映したモデルになっている。
コンセプト的にもアマチュア向けの感じがあるが、実際にはプロでも使っている人は多いだろう。プロカメラマンと一口にいっても被写体は多彩なので小型軽量というだけで需要はあるだろうし、また安価に購入できるため予備機を含め多く用意できる点も大きい。
画素数は有効約2620万画素、画像処理エンジンには「DIGIC 7」が組み合わされている。連写速度は秒間約6.5コマ。感度設定は標準設定ではISO 100~40000。拡張機能を利用することでISO 50相当、ISO 51200相当、ISO 102400相当の設定が可能になる。
AFセンサーはオールクロス45点。バルブ撮影での露光時間の設定やインターバルタイマー撮影、新EOSシーン解析システムなど、多くの新機能が追加されている。
ライブビュー時には独自の位相差AFである「デュアルピクセルCMOS AF」が利用可能。画面内の縦横それぞれ約80%をカバーし、タッチパネル式の背面モニターを利用してタッチ操作でピント位置の指定も行なえる。HDR撮影や多重露出も可能だ。
動画記録はフルHDまでだが、タイムラプス動画では4Kでの記録が可能になっている。動画撮影時にはボディー内の電子式手ブレ補正の利用が可能なほか、HDR動画の記録も可能になっている。
目立った新機能はタイムラプスの4K動画あたりだが、基本的にはEOSシリーズで採用されてきたさまざまな機能を「6D」に追加したようになっている。
撮影モードにはシーン自動認識が可能な「シーンインテリジェントオート」や雰囲気で仕上がり具合を選べる「クリエイティブオート」が搭載されている。
露出や設定に不安を感じる人向けにシーンモードも用意されているので特別な知識は必要なく、日常的な利用にも問題はない。
ただし、手軽に面白い写真を撮れるフィルター系の機能が備わっていないのは残念に感じる。
通信関係は充実し、Wi-FiにBluetooth、NFCにGPSと一通り揃っている。BluetoothはBLE(Bluetooth Low Energy technology)に対応しているので、スマホとペアリングさえ済ませておけば後は簡単に接続でき、データの転送やリモート撮影が簡単にできる。GPSでは自動時刻設定が可能になっている点はうれしい。
安価に購入しやすいフルサイズ機としてはかなり魅力的な機種になっている。基本的な機能はほぼ搭載されており、現状で足りないと思えるのは4K動画とエフェクト系くらい。それらを求めないなら十分にお買い得であるといえる。
また好みの問題ではあるが、マルチアングルのモニターを搭載している点も評価できる。
ただし、最大の問題点はAF部分にある。中央部に集中して配置されたAF測距点はかなり使いにくかった。
せっかく45点もポイントがあるのに中央部分に固まっているのであまり意味をなしていない。
先代の「6D」や、初期の「5D」もそうだったが、安価にフルサイズ機を作るためにAPS-C機用のAFユニットを使っているのではなかろうか、と思える分布になっている。
これなら測距ポイント数を減らしてでももっと広い範囲での測距ができるほうが好ましい。
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