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リクルートが貸金業参入、まずは「じゃらん」関連の宿泊施設に

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中小企業への貸金業に乗り出すリクルート。フィンテックの活用で新たな金融サービスの提供を目指す Photo:アフロ

 リクルートグループは8月末、フィンテックを活用した中小企業向け融資を開始する。貸金業への本格参入の検討に向け動きだしたのだ。

 貸金業を行うのは昨夏に設立した子会社のリクルートファイナンスパートナーズ。まずはリクルートが運営する旅行予約サービス「じゃらんnet」に参画している宿泊施設運営企業の一部が貸し出し対象となる。

 最大の特徴は融資申し込みから審査、入金までがオンラインで完結することだ。リクルートでは、じゃらんを通じて各宿泊施設の予約状況などを把握している。こうした商取引データを持つ強みとフィンテックなどを活用することで、迅速な融資実行を目指す。

 従来、中小企業は金融機関からの融資を受けにくく、融資実行までに時間がかかるケースが少なくない。宿泊施設のように繁忙期と閑散期の需要に波がある業界の場合、特に閑散期の資金繰りに問題を抱えやすい。

 それ故、リクルートでは「銀行のような長期融資ではなく、少額で日々の資金ニーズを解決する融資を想定している」(リクルートホールディングス)という。

 2015年10月には中小企業と個人向けにオンライン融資サービスを行う米カベージに出資。同社はオンラインのさまざまな顧客情報を収集・分析する独自の与信審査システムを持っており、サイトから申し込むと数分程度で融資の可否を判断し、審査に通れば翌日には入金されるという。こうした企業のノウハウを活用することも考えられそうだ。

 また、融資以外の資金調達手段としてクラウドファンディングのサービスも検討中で、6月から国内最大手のクラウドファンディングサービスを運営するレディーフォーと協業に向けて動き始めた。

約30万社が顧客予備軍

 これらの金融事業は、中小企業の経営支援サービスとして6月に立ち上げた新ブランド「Partners」の事業の一つ。

 中小企業経営に関わるカネのみならず、ヒト、モノ、情報の強化や調達に資するさまざまなサービスを検討していく予定で、8月末からは「じゃらんnet」に参画している宿泊施設運営企業に対し、経営資源の強化や調達に関する情報提供サービスも開始する。

 リクルートでは今後2年間で貸金業の本格稼働に向けたデータ収集や市場調査などの検証を行う。同社の取引企業数は約30万社に上る。今後の展開は現時点では未定だが、「順次拡大していきたいと考えている」(同社)と検証結果次第で対象はさらに拡大しそうだ。

 個々の社員が起業家精神を持つことをカルチャーとし、社内の新規事業プランは年間1000件に上る。そんな同社が行う貸金業は、既存の金融機関によるサービスとは異なる市場を創出する可能性を秘める。

(「週刊ダイヤモンド」編集部 松本裕樹)


※本記事はダイヤモンド・オンラインからの転載です。転載元はこちら

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