面白いワイドアパチャーだが
抜けの認識が甘いという欠点も……
筆者はHUAWEI P10 Plusと同時に、iPhone 7 Plusも使用している。両者のカメラ機能で実際にできることを見てみると、P10 Plusのワイドアパチャーモードの方が、iPhone 7 Plusのポートレートモードよりも機能的にもエンターテイメント的にも一歩も二歩も先を行っていることが分かる。
しかし、ワイドアパチャーモードも今の時点で、完璧で何も問題ない……と言えば明らかに嘘になる。さまざまなシーンで沢山のワイドアパチャーモードの写真を撮影すれば、結構な確率で不都合な事も起こってしまう。
たとえば大きな枠組の鉄格子を通して遠方を撮影する時など、遠方の景色にフォーカスを合わせて、手前の鉄格子をボケさせるのはよくある手段だが、遠方の景色にフォーカスした場合にも、鉄格子と接した遠方の景色が変にボケたり、逆にフォーカスを合わせたい鉄格子が均等にフォーカスしないなどの問題が発生する。
この現象は基本的に、近接するフォーカスエリアにある物の中の一部が抜けていたり、極めて細いスリットがあり、遠景がその隙間から見える場合には100%発生する。
近所のバス停の標識をワイドアパチャーモードで撮影すると、フォーカスポイントである標識のそばにある大きな抜けは、システムが明快に判断して遠景だとしてボケの処理をぬかることはないが、細い隙間はフォーカスエリアの一部だと思ってピントをしっかりと合わせてしまう。
これらとよく似た不都合は、たとえば近接する金網越しに遠景をワイドアパチャーモードで撮影する場合にも当然のように起こってしまう。
これらは将来的にワイドアパチャーモードの撮影・再生システムの改善で補正できるものなのか、ここらあたりがソフトウェアの限界なのか、筆者にはよく分からない。
もちろん、この手の現象は撮影者側が少し注意することで全面的に回避できる可能性も高い。こういう現象を踏まえても、現在のHUAWEI P10 Plusの撮影機能は、多くのスマホカメラの中でも群を抜いて素晴らしいことは間違いないだろう。
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