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T教授の「戦略的衝動買い」 第440回

もうデジカメはいらない!? ライカの高級レンズを採用した「HUAWEI P10 Plus」を衝動買い!

2017年07月26日 12時00分更新

文● T教授、撮影● T教授

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面白いワイドアパチャーだが
抜けの認識が甘いという欠点も……

 筆者はHUAWEI P10 Plusと同時に、iPhone 7 Plusも使用している。両者のカメラ機能で実際にできることを見てみると、P10 Plusのワイドアパチャーモードの方が、iPhone 7 Plusのポートレートモードよりも機能的にもエンターテイメント的にも一歩も二歩も先を行っていることが分かる。

 しかし、ワイドアパチャーモードも今の時点で、完璧で何も問題ない……と言えば明らかに嘘になる。さまざまなシーンで沢山のワイドアパチャーモードの写真を撮影すれば、結構な確率で不都合な事も起こってしまう。

背景の建物にフォーカスしたが、一番左の鉄格子の周囲の背景建物のフォーカスが甘くなっている。左端の鉄格子の下半分になぜかピントが……

背景の建物にフォーカスしたが、一番左の鉄格子の周囲の背景建物のフォーカスが甘くなっている。左端の鉄格子の下半分になぜかピントが……

今度は逆に、手前の鉄格子にフォーカスしてみたが、先ほどとは逆に左端の鉄格子のフォーカスが甘い(当然の成り行きだが)

今度は逆に、手前の鉄格子にフォーカスしてみたが、先ほどとは逆に左端の鉄格子のフォーカスが甘い(当然の成り行きだが)

 たとえば大きな枠組の鉄格子を通して遠方を撮影する時など、遠方の景色にフォーカスを合わせて、手前の鉄格子をボケさせるのはよくある手段だが、遠方の景色にフォーカスした場合にも、鉄格子と接した遠方の景色が変にボケたり、逆にフォーカスを合わせたい鉄格子が均等にフォーカスしないなどの問題が発生する。

バスの標識が人だと思えば、基本的にはポートレートモードで撮影したのと類似した処理を行なう。人の体や顔に背景が透けて見える隙間などはある訳がないので、このように「22」の数字の左上の細い隙間は背景だと認識しておらず、ピントがバッチリ。ある程度の面積のある下の凹型の空間は遠景だと理解し処理したようだ

バスの標識が人だと思えば、基本的にはポートレートモードで撮影したのと類似した処理を行なう。人の体や顔に背景が透けて見える隙間などはある訳がないので、このように「22」の数字の左上の細い隙間は背景だと認識しておらず、ピントがバッチリ。ある程度の面積のある下の凹型の空間は遠景だと理解し処理したようだ

 この現象は基本的に、近接するフォーカスエリアにある物の中の一部が抜けていたり、極めて細いスリットがあり、遠景がその隙間から見える場合には100%発生する。

 近所のバス停の標識をワイドアパチャーモードで撮影すると、フォーカスポイントである標識のそばにある大きな抜けは、システムが明快に判断して遠景だとしてボケの処理をぬかることはないが、細い隙間はフォーカスエリアの一部だと思ってピントをしっかりと合わせてしまう。

こういう被写体は支柱にフォーカスして撮影しても、当然のようにシステムは混乱する

こういう被写体は支柱にフォーカスして撮影しても、当然のようにシステムは混乱する

はじめから撮影が完璧にできていないのだから、フォーカスポイントを背景に移動しても逆の不具合が発生するだけとなる

はじめから撮影が完璧にできていないのだから、フォーカスポイントを背景に移動しても逆の不具合が発生するだけとなる

 これらとよく似た不都合は、たとえば近接する金網越しに遠景をワイドアパチャーモードで撮影する場合にも当然のように起こってしまう。

 これらは将来的にワイドアパチャーモードの撮影・再生システムの改善で補正できるものなのか、ここらあたりがソフトウェアの限界なのか、筆者にはよく分からない。

 もちろん、この手の現象は撮影者側が少し注意することで全面的に回避できる可能性も高い。こういう現象を踏まえても、現在のHUAWEI P10 Plusの撮影機能は、多くのスマホカメラの中でも群を抜いて素晴らしいことは間違いないだろう。

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