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ロードマップでわかる!当世プロセッサー事情第414回

Vega 11はGDDR6を利用、出荷は来年か? AMD GPUロードマップ

2017年07月03日 12時00分更新

文● 大原雄介(http://www.yusuke-ohara.com/) 編集●北村/ASCII.jp

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2016年~2017年のAMD GPUのロードマップ

Vega世代のビデオカードが
7月末から出荷開始

 ここからはVega世代の話である。6月27日、AMDはRadeon Vegaを採用した最初の製品である、Radeon Vega Frontier Editionを北米で発表、同日よりプレオーダーを開始した。出荷そのものは7月末を予定している。

Vegaプロセッサーアーキテクチャーに基づいたビデオカード「Radeon Vega Frontier Edition」

 空冷版と水冷版があり、空冷版は999ドル、水冷版は1499ドルである。ただ水冷になったからといって特に性能が上がるわけではなく、単にピーク性能に近い動作周波数で長時間連続稼動が可能になった、というあたりと思われる。

 シェーダーの構成そのものはRadeon R9 Furyと同じく64CUの構成であり、AMDの説明によればシェーダーの内部構造そのものは異なっているという話であったが、性能/周波数比を比較してみると以下の表のとおりで、ピーク性能そのものに変化はない計算になる。

Radeon Vega Frontier Editionの性能/周波数比
Radeon Vega Frontier Edition 13.1TFlops(FP32)@1600MHz = 8.19 TFlops/GHz
Radeon R9 Fury X 8.6TFlops(FP32)@1050MHz = 8.19 TFlops/GHz

 ただRadeon R9 Furyの世代の場合、HBMを使いつつもシェーダーの内部構造がHBMの帯域を使いきれる仕組みになっておらず、無駄に帯域を余らせる形になっていたのに対し、今度はHBM2をちゃんと使える仕組みになっていると思われるので、このあたりでどれだけ実効性能が改善するかが鍵であろう。

 このRadeon Vega Frontier Editionはどちらかと言えばGeForce TITAN Xp対抗とでもいうスペックと価格で、あまりりコンシューマー向けとはいえないのだが、今年7月30日からラスベガスで開催されるSIGGRAPHにおいてRadeon RX Vegaを発表することをすでに告知している。

COMPUTEX TAIPEI 2017におけるAMDのプレスカンファレンスの中で、SIGGRAPHでRadeon RX Vegaを発表すると予告された

 スペックは現時点でもまだ判明していないのだが、どうもRadeon R9 Furyの時のように、RX 5XXという型番が付かないらしい。本当かどうかは判断できないのだが、Nova/Eclipse/Coreなる名前がそれぞれつく形になるという話もある。スペックそのものはRadeon Vega Frontier Editionに近く、以下の3製品が予定されているという話だ。

  • ほぼそのまんまのRadeon RX Vega Nova。空冷版と水冷版が用意される
  • 若干シェーダーの構成を削り、動作周波数を下げて消費電力を落としたRadeon RX Vega Eclipse
  • Radeon R9 Nanoに相当する、Radeon RX Vega Core。スペックそのものはRadeon RX Vega Eclipseに同じだが、動作プロファイルを変更して消費電力を下げる

 いずれもダイそのものはVega 10で、メモリーはオンパッケージのHBM2である。ただしスタック数は2つで変わらないが、メモリー容量は4GBないし8GBに削減されると見られている(Radeon Vega Frontier Editionは16GB)。

 価格はそれぞれ599ドル、499ドル、399ドルに設定されると言われており、絶対性能はともかくとして価格性能比ではかなり良さそうに思える。ただ現状ではHBM2の供給が足を引っ張っており、発売時にどれだけの製品を用意できるのかははっきりしていない。

 さてこれに続くのがVega 11であるが、こちらはGDDR6を利用すると言われている。GDDR6メモリーそのものはSK Hynixが今年4月にすでに出荷しており、現在メーカーの評価中である。

 Micronしか製造しなかったGDDR5Xと異なり、こちらはSamsung/SK Hynix/Micronとすべてのベンダーが量産を表明しており、2018年以降は供給に問題なく利用できるようになるだろう。ちなみにGDDR6そのものはJEDECで標準化を行なっているが、まだその標準化作業は完了していない。

 つまり現状SK Hynixが出荷しているのは、あくまでエンジニアリングサンプルであり、今すぐ量産品に使えるわけではない。

 実際SK Hynixもリリースの中で“SK Hynix has been planning to mass produce the product for a client to release high-end graphics card by early 2018 equipped with high performance GDDR6 DRAMs.”(SK Hynixは、GDDR6 DRAMを搭載したハイエンドグラフィックカードを2018年初頭にリリースする顧客向けに量産を予定している)と述べており、現状はまだ量産に入っていないことになる。

 したがって早くて2017年末、現実問題としては2018年にならないとVega 11を利用したカードは市場に出てこない。そうしたこともあってか、今のところVega 11のスペックなどは一切流れてきていない。

 AMDとしてはまずVega 10の立ち上げに専念している感じで、Vega 11に関してはその後、ということになりそうだ。というわけで、今回ロードマップにはVega 11の記載を入れていない。

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