このページの本文へ

日経平均「2万円の上」を阻むのは海外発の不安要素

2017年06月13日 06時00分更新

文● 週刊ダイヤモンド編集部(ダイヤモンド・オンライン

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷
2日終値で1年半ぶりに2万円の水準を回復した日経平均株価だが、投資家は強気になり切れていない Photo:JIJI

「海外の“霧”が晴れる必要がある」──。マネックス証券の広木隆チーフ・ストラテジストは、「2万円」前後の攻防を繰り広げる日経平均株価が今後、さらなる上昇に向かうための条件について、こう話す。

 高値圏で足踏みしていた日経平均がようやく2万円の節目を超えたのは、今月2日。1年半ぶりの大台突破に関係者は色めき立った。カブドットコム証券ではこの日、齋藤正勝社長が前回の2万円到達以来の「くす玉割り」で、株高を盛大に祝ったほどだ。

 実際、日本企業の業績は過去最高の利益水準にまで回復。株価指標は、最近の予想PER(株価収益率)が14倍台で、「割安」と捉える向きも少なくない。

 適正水準を15倍とすれば、決算発表が一巡した後の予想EPS(1株利益)が1400円超まで上がった結果、「PER×EPS」で求める理論上の株価は2万1000円程度となる。となれば、一段高を目指す動きが強まっても不思議ではない。

 だが、そんな“お祝いムード”もつかの間。週明け5日以降は取引時間中に一時2万円を超えても、終値で見れば結局は押し戻されるもどかしい展開をたどり、上値を買い進む雰囲気は広がらない。

米国発のリスクを注視

 視界不良の背景には、冒頭で広木氏が“霧”に例えた、海外発の不安要素を拭えないことがある。

 中東主要国が突然、カタールと断交し、今後の行方次第では原油価格急騰の火種を抱えるほか、北朝鮮のミサイル発射を含む地政学リスク、欧州政治への根強い不安など投資家心理を急に冷やしかねない要因は、枚挙にいとまがない。

 いずれも情勢が緊迫すれば投資家はリスク回避の姿勢を強め、為替相場が円高方向に振れるなど株価の下落要因となりやすい。

 とりわけ市場関係者が注目するのが、米国発のリスクだ。米国は、政治と経済の両面で不安を抱えているからだ。

 政治面では、トランプ大統領のロシア関連疑惑「ロシアゲート」をめぐるコミー前連邦捜査局(FBI)長官への圧力問題。政権基盤も依然として不安定なままで、大型減税などの公約をめぐる政権の実行力には疑問符が付きまとう。

 頼みの経済面でも、6月の追加利上げが市場にほぼ織り込まれる一方、米長期金利やインフレ率は上昇しておらず、来月以降の利上げについては後ずれ観測が強まりつつある。これは円高・ドル安圧力を強め日本株に重荷となる。最高値圏にある米国株の過熱感への懸念もくすぶる。

 市場では目先、日経平均が2万円を挟む上下1000円程度の値幅で攻防を続けるとの見立てが大勢だ。日本企業の業績は「買い」なのに、海外リスクへの警戒から強気になり切れない投資家の“心の中の霧”は、容易に晴れそうにない。

(「週刊ダイヤモンド」編集部 竹田幸平)


※本記事はダイヤモンド・オンラインからの転載です。転載元はこちら

カテゴリートップへ

最新記事
最新記事

アスキー・ビジネスセレクション

ASCII.jp ビジネスヘッドライン

ピックアップ