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サイオスの本気を見たAWSで作ったAWSの監視サービス

1時間3円でEC2を監視!「SIOS Coati」の魅力をあのエバに聞いた

2017年06月27日 07時00分更新

文● 大谷イビサ/TECH.ASCII.jp 写真●曽根田元

提供: サイオステクノロジー

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Python 3採用やスクラムなど開発も初めてづくし

オオタニ:サイオスさんがAWS上でサービスを作るのは初めてですか?

コーティー:いえ、すでに複数のサービスを提供しています。SIOS Coatiの開発メンバーの中には初めての開発メンバーもいましたが、もともとAWSのコンサルティングパートナー(2016年にテクノロジーパートナーに変更)として2012年から取り組んでいます。機能に関しては、AWSが提供しているサービスを利用できる場合は利用し、難しかったら自前で実装するという方法で開発しました。とはいえ、自前で実装後、AWSで実装された部分もけっこう多かったです。

SIOS Coatiの開発体制について語るコーティー君。表情からも一途な性格が受け取れる

たとえば、WebブラウザからバックエンドのEC2サービスをいろいろ操作しようと思って、当初はCloudFrontを組み合わせて実装しましたが、あとからAPI Getewayでサポートされてしまいました(笑)。

オオタニ:AWSは進化が速いので、そういうこともありますよね。開発環境はどんな感じだったのでしょうか?

コーティー:開発⾔語でPython使うのも初めてです。しかもPython3。最初からスクラム開発も初めてだし、Gitやdjango、Ansibleなど、OSSをここまで使ったのも初めてだと思います。

オオタニ:Pythonも新しいものを使ったんですね。

コーティー:どの言語を使うかは、2015年の開発当初はいろいろ議論がありました。みんなが詳しいもの、安定性を考えたら、たとえばPerl、Python2という選択肢もありましたが、3年後、5年後を見据えて、Python3にしました。実際にバージョン依存などPython3で、はまったこともありましたが、数年後を考えたら、すごい古い言語でメンテナンスすることになりますので。

オオタニ:開発体制はどんな感じだったんでしょうか?

コーティー:今までもアジャイルっぽい開発はやってきたのですが、今回は7人でスクラムを組んで、バックログ単位でローテーションしてやっています。1週間単位でスプリントサイクル回しながら、毎週反省を重ねながら開発を進められたと思います。

われわれも20年くらい仕様書のしっかりしたウォーターフォール型でやってきましたが、スクラムで進めているSIOS Coatiは品質の作り込みがよくなると思います。ただ、イメージに合った機能を作り込んでいくのがなかなか大変でした。どれくらいのスプリントで作り込めるのかの勘がつかめず、1週間かかると思ったのが、延びてしまい、バックログが芋づる式に膨らんでしまいました。ここは反省ですね。

オオタニ:なるほど。クラウドサービスは日々更新という世界ですからね。

コーティー:はい。テストの自動化も徹底的に進めました。オンプレミス型のプロダクトの場合、次のバージョンアップまでということで、テストの準備もできます。しかし、Coatiのようなクラウドサービスで、しかもお客様のサービスを監視するという役割を持っていると、品質の悪いバージョンアップは許されません。

今回はチーム内でコードをテストする体制を導入しました。他のエンジニアのコードをチェックするとともに、テストコードを必ず書くようにしました。そして、そのテストコードを別のエンジニアがまだレビューします。あと、コードを先行するのではなく、テストケースを必ず作るというルールをやりきっています。この仕組みを導入したことで、同じ箇所でも必ず3人がコードをチェックすることになるので、後々メンテナンスするのに役立つと思います。

監視に加え、EC2を立ち上げ直してくれるサービスはない

オオタニ:SIOS CoatiのようにAWSのシステムを監視するようなツールで競合はありますか?

コーティー:監視という意味では、それこそ純正のCloudWatchのほか、Zabbix、DataDog、Mackarelなどさまざまなサービスがあります。ただ、監視サービスはどこまで行っても監視なので、通知はくれますが、復旧まではしてくれません。その意味では、SIOS Coatiに完全に競合するサービスはないんですよね。

オオタニ:強いて言えば、MSP事業者ですかね。

コーティー:そう思われかもしれませんが、MSP事業者の方々も競合ではありませんね。MSPの方々は人手をかける分、月々でそれなりの料金がかかりますが、きめ細かく障害やトラブルに対応してくれます。一方、SIOS Coatiは監視と復旧までできて月額3万円なので、市場ニーズもそれなりにあると思っています。有人監視の精度までは必要ない、コストはかけられない、監視だけでは物足りないといった方々に選択肢を与えられるシンプルなサービスです。なのでむしろMSP事業者の方々は協業できるのではと思っています。

オオタニ:どんなユーザーをターゲットにしていますか?

コーティー:特定の重要なシステムに対して使ってきたLifeKeeperと異なり、SIOS CoatiはありとあらゆるAWSユーザーに使ってもらいたいです。クラウドは落ちると知って使っても、いざ落ちたらたぶんIT部門の人は怒られるんですよ(笑)。そんなIT部門のために「安心」を売るというサービスかもしれません。極論、障害ではなく、誤操作でEC2が落ちても、きちんと立ち上げ直してくれます。だから、復旧したあとにメールだけ確認すればOKです。ちなみにわれわれのCoati Manager自体もCoatiで監視しているので、サービス自身も安定的に運用しています。

AWS上でアプリケーション開発やWebサイト運営しているところは、インフラにあまり興味がないし、エンジニアもいません。こうした方々は、SIOS Coatiを使って運用を省力化していただけると思います。

オオタニ:今後のSIOS Coatiの進化の方向性について教えてもらえますか?

コーティー:機能的にはシンプルさを保ったまま、自動化やレポートの充実を進めていきます。今まではパートナー経由で、エンドユーザーさんの顔が見えなかった。でも、SIOS Coatiはお客様の声を直接吸い上げられるので、いろいろなフィードバックを活かしていきたいです。もう1つはグローバルを見据えています。日本市場専門のサービスではなく、世界中で受け入れられるサービスを目指しています。

オオタニ:ありがとうございました。そろそろ脱いでOKですよ。

コーティー:いや、だから。かぶり物じゃないですって。

取材の方、ありがとうござました!

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(提供:サイオステクノロジー)

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