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超聴診器からVR広告ネットワークまで注目ベンチャー多数登場の∞Labo11期

KDDI ∞Labo 第11期 DemoDay

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水田の水管理をスマホで行なう「paditch」

 後半は、第10期から継続してプログラムに参加している4チームのプレゼンが行なわれた。株式会社笑農和CEOの下村豪徳氏は麦わら帽子をかぶって登場した。現在、農業従事者が高年齢化してどんどん辞めており、今後は、類を見ない大規模経営が始まるそう。そこで下村氏が手がけるのが、スマート水田サービス「paditch」だ。

 米の品質の取り組みはたくさんあるが、下村氏は水管理に目を付けた。水田の水管理は、用水路の板を抜いたり戻したりして調整するのだが、100箇所あれば人の手で100回繰り返す必要がある。これを「paditch」ではIoT化し、スマホから操作できるようにしたのだ。第10期の時はβ版だったが、現在は量産化まで辿り付いた。

 IoTデバイスの「paditch Gate 01」とそれを制御する「paditch cockpit」、データの蓄積と分析を行う「paditch Cloud」の3つの製品をリリース。アドバイザーとしてプログラムに参加している全農の支援により、販売支援のサポートが得られたという。

株式会社笑農和CEOの下村豪徳氏

用水路の板を抜いて水位と水温をコントロールするのは手間がかかる

多数の農家に導入が始まっている

衛星から撮影した画像から意味のあるデータを抽出するアクセルスペース

 続いて、アクセルスペースの山谷修平氏が登壇。アクセルスペースは、超小型衛星の設計や製造、開発を行なっている宇宙ベンチャー企業だ。これまでに2基の衛星を打ち上げており、間もなく3基目の衛星も打ちげる予定とのこと。

 アクセルスペースは今後、衛星画像や画像から抽出されるデータの販売を行なうのだが、そのためにアクセルグローブという計画が進んでいるという。これは50基の超小型衛星を使用して、世界中を毎日観察する新しい地球観測インフラだ。リアルタイムで撮影を続けることで、パラパラ漫画のように連続した意味を持ってくるという。

 たとえば、石油タンクを見て石油の貯蓄量や貿易の状況を知ったり、農地であれば収穫時期を把握したりできる。

 実証実験としては、詳細は出せないとのことだが、発電所と話が進んでいるという。三井不動産とは駐車場の候補地を選択したり、柏の葉の町づくりにも利用されている。電通とは、北海道十勝を舞台に宇宙ビックデータ村という構想も進められているそう。

アクセルスペースの山谷修平氏

超小型衛星を作っている宇宙ベンチャー企業

アクセルスペースの衛星から撮影されたドバイの写真

効果で手間のかかるIoTソフトウェアの開発をパッケージで提供するXSHELL

 株式会社XSHELLのCEO瀬戸山七海氏は「isaax」というサービスをプレゼンした。「isaax」はたった3ステップで、IoT開発を行なえるソフトウェア開発プラットフォームだ。

 IoTと一言で言っても、多数の技術がからんでくる。実際、IoT開発コストの内訳としては60%以上がソフトウェアの開発に割かれており、この割合は今後さらに拡大すると言われている。高く付く理由は、ソフトウェアの中に通信やセキュリティーなど、基本的なものだけで約19種類もの必須技術があるため。そこで「isaax」は、そのほとんどをカバーするサービスを用意したのだ。

 「isaax」は、簡単なステップで無数のIoTデバイスをセットアップし、コントロールできるのが特徴。開発だけでなく、ローンチ後の無数のプロダクトに対しても1ステップでプログラムを反映できるという。たとえば、ロボットアームをドイツの展示会に出したときにバグが見つかったが、リモートで対処することにより1万9430キロ分の出張費を削減できたそう。ほかには、第11期に登場した「TeNKYU」にも採用されている。

株式会社XSHELLのCEO瀬戸山七海氏

「TenKYU」にも「isaax」が採用されている

さまざまなフォーラムに出展して、賞も獲得している

なくし物をなくすIoTデバイス「MAMORIO」

 最後を務めるのは、株式会社MAMORIOのCEO、増木大己氏。幅19ミリ、重さ3gの世界最小となるIoTデバイス「MAMORIO」を開発・販売している。このデバイスを鍵に付けたりサイフやカバンに入れておけば、なくさずに済むのだ。

 機能は2つある。「紛失防止アラーム機能」はMAMORIOと連携させたスマホの距離が離れたら通知してくれる。つまり、サイフやカバンを忘れて移動すると、教えてくれるのだ。なくした場所が記録されているので、通知を見過ごしても後ですぐに戻ることができる。もうひとつが「クラウドトラッキング機能」。忘れ物が移動している場合、所有者のスマホだけでは位置が特定できない。しかし、ほかのMAMORIOユーザーがなくし物の近くを通ると、そのユーザーのスマホ経由で場所が所有者に通知されるのだ。

 新たに4色が追加され5色のラインアップになり、Amazonやヨドバシカメラなど取り扱いが増えたそうだ。そしてパルコとは、世界初のなくさない機能が付いたIoT手袋も開発した。さらに、MAMORIOの機能を簡単にアプリに組み込める「MAMORIO SDK」を開発。今あるさまざまなアプリに、MAMORIOの機能を簡単に付け加えられるようになった。そのおかげで、たとえばテレビ朝日ではMAMORIOを撮影機材の管理に使ったり、JALはMAMORIOを整備の業務に使っているという。

株式会社MAMORIOのCEO、増木大己氏

忘れ物を検知するIoTデバイス「MAMORIO」

ユーザーネットワークも広がっており、なくし物を見つけやすくなっている

オーディエンス賞は「Warrantee」、最優秀賞は「超聴診器」が獲得

 以上で、全員のプレゼンテーションが終了。続いて、KDDI株式会社代表取締役執行役員副社長の髙橋誠氏が、第11期の振り返りと12期の方針を語ってくれた。

 第11期の活動の結果として、実証実験が11件と事業連携が11件実現したという。「KDDI ∞ Labo」は3ヵ月のタームで行なうが、事業連携や実証実験も行なうなら時間が足りないということで一部の第10期メンバーにも残ってもらったそう。そのおかげで、たくさんの既存企業と事業を興すことに成功したという。

KDDI株式会社代表取締役執行役員副社長の髙橋誠氏

第11期は実証実験が11件、事業連携が11件実現した

KDDIオープンイノベーションファンドから株式会社XSHELLへの出資が決定した

 最後に、第11期プログラムの表彰式が行なわれた。オーディエンス賞を獲得したのは、株式会社Warranteeだった。そして、第11期プログラムの中で、最も評価されたチームに贈られる「KDDI ∞ Labo賞」は、AMI株式会社「超聴診器」が獲得した。

オーディエンス賞は株式会社Warranteeが獲得

「KDDI ∞ Labo賞」はAMI株式会社「超聴診器」に贈られた

今回プレゼンに登壇した面々

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