京都に馬のいななきがする自販機が
ひひ~ん! 京都にやってきました。こちら、京都伏見にある「藤森(ふじのもり)神社」です。
藤森神社の歴史は古く菖蒲の節句の発祥地と言われています。毎年5月5日に行われる駈馬(かけうま)神事が有名で、馬にちなんで競馬の祈願に訪れる人も多いとか。
そんな藤森神社にあるおしゃべり自販機はこちら。
馬! という存在感。
野を駆ける白馬の写真が大きく配されています。へぇ~、躍動感ありますね。
こちらはどういうセリフをおしゃべりするのでしょうか? 試してみました。
飲料を買うと馬のいななきに続き、にぎやかなファンファーレが。続いて「幸運にめぐまれますように」という開運祈願のセリフ。
実は開運祈願のセリフは藤森神社の神官である禰宜の肉声。
藤森神社は馬にちなんだ神社であり京都競馬場が近いため、競馬の祈願に訪れる人も多いそうです。ファンファーレはまさに競馬を連想しますね。禰宜の肉声で運気が上がって競馬でも勝てそうではないですか。
禰宜・藤森さん「一番は参拝者の方に幸運になってもらいたいので、その想いがなるべく伝わるように肉声が流れるようにしました」
設置したのは2014年で評判は上々。ユニークな自販機なのでSNSでの投稿も多く見かけられ、神社内の他の自販機と比較しても利用が伸びています。実は藤森さんとしては「お耳ぐるしい声で申し訳ない」とご自身の肉声に照れがあるそうですが、利用者には喜ばれているようです(笑)。
開運を求めてやってきた人の背中をより後押ししてくれそう。馬のいななきに、ファンファーレに、禰宜の肉声と盛りだくさんで、関西らしいサービス精神も感じました。
スゴイ! 歌う自販機も
戦国武将のセリフをしゃべる自販機、馬のいななきがする自販機をまわってきましたが、世の中には“歌う”自販機もあるそう。えーー、どんなことを歌うのだろうと気になって、こちらも行ってまいりました。
神奈川にある関東学院大学へ。関東学院大学は横浜バプテスト神学校を源流とするキリスト教と由縁がある学校です。構内にはチャペルもありますよ。
ここにもユニークなおしゃべり自販機がありました! 食堂のひとつには校歌を歌う自動販売機が設置されています。
食堂の真ん中にどどんと設置されています。「校歌が流れる」とポップで自己主張もばっちり。
校歌のワンフレーズの演奏と合唱が鳴り響きます。これもなかなか派手ですね~。愛校精神が育まれるのかもしれません。
利用している学生さんたちはどう思っているのでしょう?
校歌を歌う自販機が設置されたのは2015年のこと。設置当初は「いきなり音が鳴ったのでびっくりしました」ということ。「運動部ではないと校歌を歌う機会や聴く機会が少ないから校歌はなじみがありませんでした。誰かが自販機を利用すると食堂に全体に校歌が響くので、フレーズは耳に残りますね」と、学生さん。
確かに、せっかくの校歌なのに学生がふれる機会が少ないともったいないですよね。ただし、音声が大きく鳴るので「音が恥ずかしくて購入しても逃げるように立ち去ることもある」というエピソードも(笑)。いずれにせよ、印象に残るようです。
社長の声がする自販機まで
話が変わりますが、私が人生で印象に残った声というと上司の怒声。苦手な上司の声はできればあまり聞きたくない。そう思いませんか?
関西を拠点に展開しているMKタクシーのいくつかの営業所には、MKタクシーを運営するエムケイ株式会社の青木社長の声がする自販機が設置されています。
お、おう、社長の声か(えー)。と、思いつつ興味本位で体験させていただきましたよ。
※営業所内は通常一般のお客さんは入れません
「がんばってくれてありがとう」と社員をねぎらってくれるのですね。へえ。怒られたりするのかと思っていたので、優しい言葉でちょっと意外でした。
利用している従業員の方はどう思っているのでしょうか? きいてみました。
林さん「社長に直接会う機会は少ないので、声が聴こえるのは身近に感じられてよい取り組みだと思います。社長の声に親しみがわいてきました」
社長の声ということで設置当初は「偉い人の声をきくのは萎縮してしまう」などさまざまな声があったそうですが、なんだかんだ親しみをもって利用している人が多いとききました。実際に自販機の売り上げは伸びているそう。