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kintoneな人 ― 第4回

新しい形のSIを模索する2人にとってのkintoneとは?

定額制SIにチャレンジするジョイゾー四宮夫婦のkintone夫婦善哉

2017年06月01日 07時00分更新

文● 大谷イビサ/TECH.ASCII.jp 写真●曽根田元

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対面開発で、お客とけんかになったこともある

大谷:実際、システム39はどういった案件が多いのですか?

靖隆:営業支援や顧客管理、売り上げ管理が多いですね。やっぱり基幹システムの周りでExcel使っているところを可視化したいとか、データとして体系化させたいとかですね。システム39の面白いのは、話しているうちに、もともとのシステムや業務の矛盾や、kintoneの可能性にお客様自身が気づくところです。

取材は普段対面開発で利用しているサイボウズのオフィスで行なわれた

大谷:逆にシステム39では難しいということもあるんですよね。

靖隆:打ち合わせの最初から「なにか提案ある?」みたいな方もいますね(笑)。kintoneの場合、システム作るのも、運用するのもお客様なので、お客様は自分事として頭を働かせてもらえないと厳しいです。

琴絵:後出しされるのもつらいですね。最初のヒアリングで確認しても、自分事になってないと、あまり考えずに「いいよ」になってしまう。結局、あとから「これも」「あれも」になっていって、作り切れないこともあります。コミュニケーションがうまくできないと、やっぱり難しいです。

大谷:お互いが腹割って話して、共有するって重要ですよね。

靖隆:はい。だから、以前はお客様とけんかしたこともありますよ。「kintoneではこういう機能がありません」と説明したら、「そんな機能は業務システムなら普通付いているだろう」とか相手が言うので、こっちもカチンときて「普通ってなんですか」みたいな言い合いになり(笑)。

琴絵:相手も「なんだ、kintoneで実現できること全然ないじゃないか。まあ、お金は払いますけどね」みたいになって(笑)。

靖隆:でも、そのお客様も自分でkintoneをいじってくれて、結局は「うちはこれでいいんだよ」というレベルまで持っていけたので、かえって信頼関係が生まれたりしてます。

琴絵:いまだにいいお客様で、個人的に呑みに誘ってもらったりしています。

大谷:雨降って地固まるですね。めちゃ、いい話じゃないですか。

靖隆:ほかのお客様からも、「あのシステムなかったら、どうなっていたかわかりません」といった声をいただいたこともありますし、サイボウズさんの広告じゃないですけど、業務時間が大きく減りましたという話も聞きます。やっぱりうれしいですね。

こういうこともあるので、エンジニアに対しては、「お客様を怖がらないで」と思います。こんなこと言ったら怒るかなとか、なんだか無駄な機能作らされているなとか、きちんとお客様に伝えるべきだと思います。場合によっては、それによって案件落とすこともあるかもしれないけど、それはそれでしようがない。この場所で、「それだったらSalesforceでいいんじゃないですか?」と言うこともありますよ(笑)。

大谷:私もクライアントさんに、「それやるんだったら日経BPとか、ITmediaのほうがいいっすよ」とか言いますからね(笑)。目的にあってないこと、お互いに話し合っても時間の無駄ですから。

琴絵:システム開発の現場って、お互いに幸せにならないことが目に見えていることってあるじゃないですか。私たちも無駄だなあと思いながら作って、お客様にとっても業務の価値につながらないみたいなこと。それをやめたいです。システム39でやるときも、本当にkintoneでやるべきなのか、全部kintoneでできるのか、考えながらやっています。

大谷:それはシステム39じゃなくても同じですよね。その点で、初回の無料打ち合わせはやっぱり重要なんですね。

靖隆:そうです。そこで相性を見るというか、お互いを見極める時間ですね。業界に対して、つねに言っていきたいのは、やっぱり「開発するのが目的ではない」ということ。ただ、作らないのがいいわけではない。お客様の業務が改善するのであれば、必要なカスタマイズや開発はするべきだとは思います。

ジョイゾーが地域クラウド交流会にコミットする背景

大谷:みなさんどうやってジョイゾーさんに行き着くんですか?

靖隆:やっぱりサイボウズの導入相談とかから紹介されることは多いですね。あとはSEO意識しながらブログ作ってたので、検索もそれなりにありますね。いずせにせよ人数も少ないので、インバウンドでの問い合わせがほとんどです。場所も、ほぼほぼサイボウズさんのオフィス使わせてもらっています。

大谷:お二人ともkintoneのイベントは常連ですし、サイボウズとはかなり濃密に仕事をいっしょにやっていますね。

琴絵:そうですね。最近ではサイボウズの地域クラウド交流会(ちいクラ)にもジョイゾーとして主催しています。ちいクラは地方創生と起業家支援を地元といっしょにやっていくみたいなイベントなんですけど、システム39のチラシを置きに行くつもりで、最初に開催した千葉の市川に行ったら、すごく面白かった。会社じゃなくて、個人がやっている3分間のプレゼンがめちゃくちゃ入ってくるし、地元の人も楽しんでる。サイボウズがこれを地方に拡げたいという意向だったので、ジョイゾーがコーディネート、私がオーガナイザーになって地元である北海道の釧路でやることにしたんです。

大谷:釧路でどれくらい集まったんですか?正直、そんなに集まるイメージがないんですが。

琴絵:フタを開けてみたら、170人以上集まったんです。全部で4回定期的にやったので、地元の新聞でも取り上げられて、ジョイゾーとkintone、あと私の顔と名前がすごい出ました。以降はkintoneやジョイゾーについての登壇機会もすごく増えたし、ほかの地域でもやりたいというお誘いもいただきました。

あとは起業家への投票システム自体でkintoneを使っているので、kintoneを使いたいという相談も少しずつ入ってきています。kintoneはパートナー同士が仲いいし、それぞれの強みを活かしてビジネスを拡げているので、すごく面白いです。そこらへんはサイボウズのチームワークを作るという思想だし、地方創生でもそういうチームワークが必要なんです。

先日行なわれた札幌のちいクラでも司会進行を担当した琴絵氏

大谷:少子高齢化や人口減少、地元産業の荒廃など、地方はどこも苦しんでいますからね。

琴絵:いろんな地方に行くと似たような課題があるし、がんばっている人もいるんですが、がんばっている人ってそれぞれ動いていて、横で手を結べていない。若い人が面白いことやっても、年配がそれを面白くないと言うし、あいつはあそこに所属しているという話になります。

でも、私はもはや東京が基盤の人なので、地元愛は持っているけど、しがらみがないんです。釧路に帰りたいけど、帰れない立場を活かして、東京から最新のモノを釧路に持って行くし、釧路のいいところは首都圏でどんどん発信したい。ちいクラはいろんな団体や人たちが入れるフラットな組織なので、地元の人たちのプラットフォームになれるんです。嫌いな人がいてもいいけど、同じ目的のためにやらなければいけないこと、人を応援するという思想は共有できます。

kintoneには次のユーザー層が入ってきている

大谷:ジョイゾーの最新動向としては、先日発表されたばかりのシステム39の兄弟プランがありますね。システム59、109、190、390と料金はそれぞれ異なりますが、どれも「明朗会計」というコンセプトはそのままですからね。

靖隆:反応はいいですね。ああいった金額の出し方をしても、お客様の納得感は得られていますね。お客様の方から、このプランで行きたいんだけどと言われるので、「予算いくらくらいですか?」と腹の探り合いをするより、話が全然早いです。

大谷:さんざん盛り上がった段階で、値段の話で一気にしょっぱくなるというのは、ありがちですからね。

靖隆:最初の2時間でこのプランだったらここまでという話ができるので、お客様も判断しやすいようです。

琴絵:カスタマイズの範囲が明確なので、自分たちもどこまでやればいいのか、わかりやすくなりましたね。

大谷:最後kintoneに期待するところを教えてください。

靖隆:シンプルさを失わないでほしいというのは以前から言ってますね。ただ、当初はファストシステム、今は開発プラットフォームという位置づけなので、そろそろ基本機能は充実させてくれてもいいかなと。

大谷:なんかんだ、kintoneももう6年目ですからね。

靖隆:先日のクラウドEXPOでもそうだったんですけど、以前はある程度理解している人がブースに来てたんですけど、最近はkintoneってなに?という人がまた増えてきたんですよ。kintoneの基礎みたいなセミナーの方が、僕たちがやっている活用セミナーよりも3倍くらい集まりがいいんです。

大谷:確実に次の層が入ってきているんですね。

靖隆:キャズムは越えないまでも、一巡して新しい人が増えている感じがしますので、そういった人たちをフォローするような施策が重要だと思いますね。

大谷:ありがとうございました!

■関連サイト

(提供:サイボウズ)

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