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メンタルトレーニングの第一人者に聞いてみた ビジネスで使えるスポーツ心理学のテクニック

2014年09月04日 06時00分更新

文● 加藤 力(ダイヤモンド・オンライン

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 先のサッカーW杯など、スポーツの国際大会があると必ず取り沙汰されるのが「メンタル」。昨今では、ビジネスフィールドでも応用されるなど、その重要性が広く認識されている。日々モチベーションを高め、プレゼンなどで最高のパフォーマンスを発揮するための誰でも簡単にできるテクニックを、東海大学体育学部・高妻容一教授に伺った。

高妻容一・東海大学体育学部教授。1994年より「メンタルトレーニング・応用スポーツ心理学研究会」をスタート。日本における普及に貢献し続けている

 メンタルトレーニングは、1984年のロサンゼルスオリンピック前にアメリカとカナダが本格的に導入し、両国がオリンピックで大きな成果を上げたことで世界的に知られるようになった。高妻教授は、80年代のアメリカ留学中にこのメンタルトレーニングと出会い、いち早く日本に紹介した第一人者だ。

「集中力と高いモチベーションがもたらす『ゾーン』という精神の領域があり、このゾーンに入るとき、最も高いパフォーマンスを発揮できると言われています。メンタルトレーニングは、このゾーンに意図的に入れるようにするためのトレーニング」と高妻教授は言う。

 基本的な考え方はビジネスでも同じで応用することは可能。では、プレゼンなど緊張する場面でも、高いパフォーマンスを発揮する大切なポイントは何だろう。

「普段から物事をプラスに考える思考を身につけることが大切ですね」と高妻教授。過去の実験データで、サッカーの練習中、コーチがポジティブな声掛けをした場合と何も言わなかった場合を比較したデータがあるそうだ。

「“いいぞ!”“OK!”“ナイス!”など、コーチがポジティブな声かけをすると、選手の体力があまり落ちないんです」(高妻教授)。会社でも不平不満ばかり言っている人と、ポジティブな発言の人とでは、周囲に与える影響は大きく違う。

「コーヒーうまい! 資料ありがとう! など、相手に対して感謝の言葉を素直に言うこと。相手もうれしいし、自分もポジティブになれます」(高妻教授)。いつも、ポジティブな心の状態にしておくことがパフォーマンスを発揮する上で大事なのだと言う。

自信のあるふりをしてみるだけで効果が

 さらに、自信のあるポーズをとっているだけで、本当に自信がみなぎってくるのだとか。「上を向いて、胸を張る。肩も足も大きく開いて立つ。自信のあるポーズを2分間した後、唾液を採取したところ、支配性ホルモンのテストステロンが増加したという実験データもあるのです」(高妻教授)

 試しにやってみたところ、確かにしばらく自信のあるポーズを続けると、自信がみなぎってくるような気がした。逆にうなだれて、縮こまったポーズをとっていると何だか元気がなくなることも確かだ。

「このポーズのまま、自信のある大きな声を出してみてください」と教授に言われ、やってみたのだが、うなだれた状態では自信のある大きな声は出せなかった。この自信のあるポーズをつくることで自信を引き出す方法は、誰でもすぐにできるコツとして有効なのではないだろうか。

 さらに、すぐに実践できるコツとして、フォーカルポイントというものを教えていただいた。これは、スポーツの試合などで会場のある部分を見ると集中できると、自分であらかじめ決めておくというもの。実際の試合中、緊張したり不安になったりしたときは、その場所を見て気持ちを落ち着かせるというテクニックだ。

 これをビジネスに応用して、例えばプレゼン会場の「時計」を見ると「落ち着いて集中できる」と決めておく。本番で緊張しても、時計を見るだけで不思議と気持ちが落ち着いてくるということだ。

 プレゼンや上司との面談など、緊張しがちな場面で一度試してみてはいかがだろう。

(加藤 力/5時から作家塾(R)


※本記事はダイヤモンド・オンラインからの転載です。転載元はこちら

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