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ファミレス好調を支えるメニュー値上げの舞台裏

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 ファミリーレストランが好調だ。すかいらーくは2014年度決算で当期利益が95億円と33%増。ロイヤルホールディングスは同12%増の19億円で、18年ぶりに3期連続の増収増益を果たした。

すかいらーく傘下のガストでは、鉄則を破って1000円を超えるメニューを投入したところ、「ステーキお好み和膳」(税込み1078円)などが好調だった

 背景にあるのは値上げだ。例えば、すかいらーく傘下で全国に1347店あるガストでは、「価格は1000円を超えないのが鉄則だった。過去に何度もトライしたが、いずれも失敗に終わったからだ」(谷真・すかいらーく社長)。

 それが昨年、1000円を超える季節限定メニューを投入したところ予想外の売り上げに。中でも、ステーキにサラダや総菜を組み合わせた「和膳」は大ヒットした。

 こうした状況を受けガストでは、1000円超のメニューを季節限定ではなく、定番メニューに変更。また、小皿メニューも増やし、さらなる客単価上昇を狙っている。

 消費増税や円安による食材費の高騰などで、値上げせざるを得ない状況に追い込まれたのも確かなこと。しかし、単純に値上げするのではなく、材料や調理法を見直すなど付加価値を付けながら実施したことが消費者に支持され、客単価も3.3%上昇したという。

 ロイヤルホールディングス傘下のロイヤルホストも傾向は同じ。高級食材を積極的に採用して価格を上げており、客側も「880円のドリアより1280円のシーフードドリアの方が売れる」(矢崎精二・ロイヤルホスト社長)というように、その姿勢を評価している。

 さらに「接客スタッフを増やしたり、全面禁煙にして店内環境を良くしたりしたところ、滞在時間が長くなり、デザートなどの追加オーダーが増えた」(矢崎社長)といい、14年は客単価が4.1%上昇した。

 通常、単価を引き上げると客数は落ちるが、両社共に既存店売上高は100%をキープしており、健闘しているといえる。

学生やファミリーは減

 さらに大胆な策を打ち出したのがデニーズだ。3月からのメニュー改定で、朝食は700円、ランチは900円と1割、ディナーは1300~1400円と3~4割程度価格を上げる。

 実はこうした値上げの裏で、客層のパラダイムシフトが起きている。かつてファミレスがターゲットとしていた若者から、退職して懐に余裕のあるシニア層へと顧客層が移っているというのだ。

 ビッグデータ分析をしているすかいらーくによると、「1000円以上注文するシニア層が増えている一方で、学生やファミリー、世帯年収400万円以下の来店客は減った」(谷社長)。そのためすかいらーくでは、深夜営業をやめて朝の開業時間を早めるなど店舗運営でもシニアシフトを進める。

 値上げしても来店してくれるシニア層をうまく取り込みながら、ファミレスはしばらく好業績をキープしそうだ。

(「週刊ダイヤモンド」編集部 須賀彩子)


※本記事はダイヤモンド・オンラインからの転載です。転載元はこちら

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