音楽を楽しむための機能をチェック
ハードウェアとソフトウェアから、GRANBEATはサウンドを突き詰めている。ハードを見ると、独立したオーディオ専用基板を採用しており、電源回路出力ゾーン、デジタル変換ゾーン、ヘッドフォン出力ゾーンの3ゾーンからなる。DACはESS ES9018K2M×2、ヘッドフォンアンプにSABRE 9601K×2という構成だ。
再生フォーマットはDSD(DSF/DSDIFF)/FLAC/ALAC/WAV/AIFF/MQA/OggVorbis/MP3/AACに対応し、DSDは最大11.2MHzまで対応するが192kHz/24bitに変換、FLAC/ALAC/WAV/AIFF/MQAは、スタンドアロンで最大192kHz/24bitにまで対応。外部DACを接続した場合、DSDは最大11.2MHz、そのほかは最大384kHz/24bitとなる。
ノイズ対策としてシールドも用意されており、狭くノイズ源だらけのスマホ筐体内部に対応している。この点については、バックグランドでファイルをダウンロードしつつ、「アイドルマスターシンデレラガールズ スターライトステージ」のMVを3D標準で再生してみたが、ノイズらしいノイズを聴くことはなかった。そのため、データ通信をしながら音楽を聴くといった場合に発生するノイズについては心配しなくていいだろう。ジッターノイズを低減するロックレンジアジャスト機能も用意されているなど余念がない。
ホーム画面を見てみると、独自機能がいくつか用意されている。固定ラインアウトモードにするLineOut、機内モード的にノイズ発生限を極力オフにするStand-aloneモード、バランス駆動用の設定としてONKYO独自のACG駆動とBT駆動のふたつも選択可能だ。純正のオーディオプレイヤーには、DSP機能やアップサンプリング機能もあり、ハイレゾ音源が少ない環境でも、すでに手元にあるMP3音源をよりよい音で楽しめる配慮もある。そのため、先に結論を書いておくと、SIMフリースマホ+オーディオプレイヤーとして見ると、荷物が減るばかりか、お手頃価格ともいえるだろう。
リスニングチェックについては、ONKYOが意欲的に実店舗での試聴イベントを開催しており、また量販店店頭でも試聴可能となっているため、愛用のヘッドフォンを片手にチェックを推奨する。今回は、筆者所有のSONY MDR-1000X(電源オフ、ワイヤード)、AKG Q701で、e-ONKYOで購入した「Tulip (M@STER VERSION)」(FLAC 96kHz/24bit)、「Weight of the World/English Version/NieR:Automata Original Soundtrack』(FLAC 48kHz/24bit)を聴いてみた。本体側はStand-aloneモードだ。
あまり、音源レビューについての表記は得意ではないのだが、奏さんの声が大変艶っぽいなと思っている間に、シンデレラガールズ関連の音源を購入していた次第だ。「Weight of the World/English Version」はゲームプレー中に聴いたものよりも、拡がりがあり、もの悲しい感じがより加速していた。また、PS4経由で聴いたときよりもバックグラウンドが力強く、ちょっと曲へのイメージが変わってしまったので、プレーし直そうと思う。
動画やゲームの場合、上記のDACとヘッドフォンアンプの構成が効いており、ちょっと持ち続けるには重いが、スタンドなどがあればBGVとして再生しつつ作業をするときに重宝する。ゲームに関しては、店頭でハンズオンできる端末には、「アイドルマスター シンデレラガールズ スターライトステージ」がインストールされていることが多いので、チェックしてみてほしい。いい音でゲームを楽しめるだろう。
【まとめ】音楽プレイヤーとしてもスマホとしても大活躍
スマホとしての機能はメールチェックやメッセンジャーによるやり取りやウェブブラウズ程度であれば、ストレスなく使える。音楽プレイヤー+スマホとして見ると本製品の狙いの良さが見えてくるだろう。たとえば、荷物を減らしたいが、良い音は譲れないなどの選択肢としては、現時点ではGRANBEATが最有力になってくる。本体価格はAmazon.co.jpで約9万円と結構な値段なのだが、高性能スマホと高性能音楽プレイヤーが1セットだと考えると、まずまずお買い得であるとも判断できる。ともあれ、まずは店頭で試聴してほしい。
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