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JAWS DAYS 2017のコミュニティフレンドシップ枠でkintone Café登場

アールスリー金春さんが語るkintoneとAWSの適材適所な使いどころ

2017年04月10日 07時00分更新

文● 大谷イビサ/TECH.ASCII.jp 写真●JAWS-UG写真班(中井勘介、金春利幸、加我 貴志、平野文雄)

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kintoneで苦手な処理はAWSにまるごと任せる

 後半はAWSとkintoneの関係について考察だ。金春さんはまずkintoneにはできることに制限があると指摘する。「たとえばkintoneには実行エンジンがないので、バッチ処理ができない。あるいは複雑な集計処理や時間のかかる処理は苦手」(金春氏)。こうした部分をREST APIを使ってAWSと連携すると、使い勝手のよいシステムが作れるというのが、金春さんの提案だ。

kintoneでできないことはAWSでカバーする

 具体的な連携例をわかりやすく説明するため、金春氏は事例から紹介する。たとえば、マーケティングオートメーションツールの「Shanon Marketing Platform」(シャノン)とkintoneの連携では、MAツールから得た顧客のリード情報や活動履歴をSFAとして使っているkintoneに渡しており、ここではAWSがフル活用されている。具体的には、MAツール側のデータをkintoneのどの項目に落とし込めばよいかの設定がDynamoDBに落とし込まれ、データ連携はすべてLambdaが連携して行なうようになっている。「主役はほとんどAWSなんです。でも、ユーザー側のインターフェイスはkintoneになっている」(金春さん)。

 続いて紹介されたのは、サテライトオフィスのシェアリングサービスである東急電鉄の「NewWork」だ。NewWorkではICカードを使うことで、無人の運営を実現しており、ICカードの入退室の記録で料金が算出されるという。とはいえ、料金の計算処理が複雑なため、kintoneだけでは難しく、入退室管理とデータ連携、請求計算などはLambdaを中心としたAWSのサービスで構成されている。

 さらにセンサー系ソリューションを手がけるオプテックスの事例では、トラックに搭載されたセーフメーターのセンサーデータをBluetooth経由でスマートフォンのアプリに集約し、AWS IoT経由でデータをDynamoDBに集めている。その後、DynamoDBのデータをLambdaで引っ張り出してkintoneに入れて、分析や活用などを行なっているという構成だ。逆にkintone側を書き換えると、センサー側の設定を書き換えることができるという。

「前門のkintone、後門のAWS」で適材適所なクラウド配置

 AWSのサービスアイコン満載の各事例の構成図を見つつ、金春さんは「AWSはサービスがいっぱいあるので、構成図を見るとkintoneは目立たない。ユーザーから見たらどう考えてもkintoneが主役なのに(笑)」と指摘する。とはいえ、ユーザー側からは使いやすそうなkintoneの画面が見え、バックエンドのディープな処理はAWSのサービスが組み合わせられていると言う点は、まさに適材適所なクラウド利用という感じがする。

確かにオプテックスのシステム構成図でもkintoneはまったく目立たない(笑)

 kintoneであればExcelベースの業務を自然な形でクラウドに移行でき、最終的には基幹システムとクラウドとの間のクッションとしても機能しうるというのが、金春さんの考え。「みなさんの会社でも基幹業務の周りでExcelの業務が飛び交っているんじゃないですか?(笑)。そういうExcelベースの業務をkintoneにどんどん載せていって、業務が動く実績ができたら、そのデータを基幹につなげばいい。実績できたら、情報システム部ももはやノーとは言えない」(金春さん)。

 最後、金春さんはJAWS-UG発で他のコミュニティで活躍している人が増えてきたと指摘。確かに、kintone Caféはもちろん、SORACOM-UGやTwilio-UGなど、JAWS-UGの経験を他のコミュニティで活用している人が数多く存在している。「ここに来たみなさんもどこかのコミュニティにコミットしてください。登壇したり、運営したり、ともかく貢献してほしい」と参加者に呼びかけ、セッションを終えた。

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