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柳谷智宣の「真似したくなるPC活用術」 第246回

約8倍にスピードアップ! 最新の11acルーター・子機・中継器の使いこなしワザ

2017年03月23日 12時00分更新

文● 柳谷智宣

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iPhone 7の接続速度は下り約400Mbps、上り約230Mbpsに向上!

 早速スマホで接続速度をチェックしてみよう。インターネット接続速度計測アプリ「RBB SPEED TEST」でiPhone 7の通信速度を計測したところ、下り約400Mbps、上り約230Mbpsという結果になった。スマホではあまり見ないスピードにびっくり。これなら、大きなファイルのやりとりをしても、高画質の映像コンテンツをストリーミング再生しても問題なし。快適そのものだ。

 ちなみに、インターネット回線はNUROで、有線LAN接続であれば、上り下りともに900~950Mbpsと超高速なので、ボトルネックにはならない。

iPhone 7を「WSR-2533DHP-CG」に接続する

「RBB SPEED TEST」で計測した結果。下り約400Mbps、上り約230Mbpsと超快適

インターネット回線は900~950Mbpsと超高速なNUROを利用

 PCでの接続速度もチェックしてみよう。まずは、2.4GHz帯のIEEE802.11nまでしか対応していないノートPC(ASUS X202E)で「WSR-2533DHP-CG」に接続して計測。下りが50Mbps強、上りが50Mbps弱という結果だった。ウェブ閲覧やYouTubeの再生などは問題ないが、大容量ファイルのやりとりにはちょっと物足りない。

 続いて、IEEE802.11ac対応の無線LAN子機「WI-U3-866D」(バッファロー)をセットアップする。付属のディスクからドライバーやユーティリティーをインストールし、画面の指示に従って子機を接続すればいい。「接続成功です」と表示されれば完了だ。早速同じように速度計測してみると、結果は下りが約440Mbps、上りが約430Mbpsと8倍にスピードアップ。これなら、大容量ファイルのやりとりも快適だ。

 ちなみに、USB 3.0端子ではなく、USB 2.0端子に接続した時には、下りが約250Mbps、上りが約190Mbpsにダウンした。必ず、USB 3.0端子に接続するようにしたい。

2.4GHz帯のIEEE802.11nまでしか対応していないノートPCでの計測結果。上り下りともに50Mbps前後という結果になった

USB端子に直差しできるが、付属の延長ケーブルを使うことも可能

付属のディスクからドライバーとツールをインストールする

途中でファイアウォールをオフにするように求められる。手動で設定するならそのまま進めてもいい

すべてのツールをインストールする

インストール後、ネットに繋がれば完了

通信中は青いLEDが光る

IEEE802.11ac&USB 3.0接続だと、約8倍にスピードアップ!

USB 2.0接続だと、USB 3.0接続の半分の速度になるが、それでも元の速度よりは高速だ

電波の届きにくい場所があるなら中継器を利用する

 「WSR-2533DHP-CG」は4本のアンテナを内蔵し、ビームフォーミング機能も搭載するなど、Wi-Fiを遠くまで飛ばせるようになっている。それでも家の構造や広さによっては、電波が弱くなる場所があるかもしれない。すぐ移動できる場所であればいいのだが、レコーダーやゲーム機などの設置場所だったり、トイレや風呂場だったりすると不便だ。そんな時は、中継器を利用し、電波を届かせよう。

 「WEX-1166DHP」は5GHz帯と2.4GHz帯の同時利用ができるデュアルバンド同時接続方式を採用し、無線LANルーターとスマホやレコーダーなどのデバイスを橋渡ししてくれる。無線LANルーターから受信する側を2.4GHz帯でつなぎ、ユーザーのデバイス側は5GHz帯でつなぐというわけだ。もちろん、IEEE802.11acに対応しており、通信速度は最大限に活かしている。

 まずは、中継器と親機を接続する。中継器のスイッチを2.4GHzにセットし、WPSボタンを押す。続いて、「WSR-2533DHP-CG」のAOSS/WPSボタンを押せば完了。後は電源を抜いて、好きな場所に設置すればいい。コンセントに直差しすることもできるし、付属の延長ケーブルを使って普通に設置することもできる。

 筆者の自宅では2階に無線LANルーターがあり、1階の風呂場などで電波が少し弱くなる。「WSR-2533DHP-CG」はそもそも本体だけでハイパワーなようで、風呂場でも1本アンテナが減るだけだった。計測したところ、通信速度は下りが240Mbps前後、上りが230Mbps前後だった。上りは変わらず、下りが4割減といった感じだ。ちなみに、2.4GHz帯のIEEE802.11nに接続した状態では、下りが95Mbps前後、上りが65Mbps前後となる。

 そこで、中継器を2階への見通しがいい1階リビングに設置したところ、風呂場でもアンテナがマックスになった。確かに、電波状況は改善されているようだ。親機と中継器を2.4GHz帯で接続しているなら「Extender-A-XXXX」に、5GHz帯で接続しているなら「Extender-G-XXXX」にデバイスをつなぐ。要は別のバンドを使って通信するというわけだ。

 バリ3なので期待したが、速度テストの結果は下りが105Mbps前後、上りが90Mbps前後とダウン。これは2.4GHz帯を経由しているのでしかたがないところ。2.4GHz帯のIEEE802.11nに接続した時よりは早くなっているが、アンテナの少ないIEEE802.11acよりは遅い。そこそこ繋がっているならあまり劇的な改善にはならないが、ほとんど電波が入らない状態のほうが効果が出そうだ。

アンテナは自由に動かせる。真ん中の赤いボタンを押して接続する

背面には直差しできるプラグが用意されている

親機と接続する周波数帯をスイッチで選ぶ。マニュアルでは2.4GHzとなっている

中継器のWPSボタンを押し、無線LANルーターのAOSS/WPSボタンを押して接続する

中継器を真ん中くらいに設置する

コンセントに直接挿すことも可能

左が親機にIEEE802.11nで直接繋がっている速度で、右が中継器に繋がった状態の速度。若干、速くなってはいる

 以上が、最新のIEEE802.11ac無線LAN対応デバイスを導入するワザとなる。古い無線LAN環境を使っていたり、家でも携帯通信でネットをしている人は、びっくりするくらい快適になるはず。今回紹介した製品はコスパもいいのでオススメだ。


筆者紹介─柳谷智宣

著者近影 柳谷智宣

1972年生まれ。ネットブックからワークステーションまで、日々ありとあらゆる新製品を扱っているITライター。パソコンやIT関連の媒体で、特集や連載、単行本を多数手がける。PC歴は四半世紀を超え、デビューはX1C(シャープ)から。メインPCは自作、スマホはiPhone+Xperia、ノートはSurface Pro3とMacbook Air。著書に「銀座のバーがウイスキーを70円で売れるワケ」(日経BP社)、「Twitter Perfect GuideBook」(ソーテック社)、「Dropbox WORKING」(翔泳社)、「仕事が3倍速くなるケータイ電話秒速スゴ技」(講談社)など。筋金入りのバーホッパーで夜ごとバーをハシゴしている。好きが高じて、「原価BAR」を共同経営。現在、五反田・赤坂見附・銀座で営業中。


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