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iPhone&スマホのオーディオを高音質化する! 第3回

スマホオーディオの究極強化には外付けのポタアンを買うしかない!!

2017年03月26日 12時00分更新

文● 鳥居一豊

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重量級だが音質にこだわった高級ポタアン
JVC「SU-AX01」

JVCの「SU-AX01」。音質にもこだわった高級モデルだけにサイズはやや大きめ。厚みがあるので、持ち歩きではややかさばるかも

JVCの「SU-AX01」。音質にもこだわった高級モデルだけにサイズはやや大きめ。厚みがあるので、持ち歩きではややかさばるかも

 最後はJVCの高級モデルである「SU-AX01」(実売価格 11万5000円前後)。デジタル接続対応で、iOS端末、PC(Windows/Mac)、対応するAndroid端末とのUSB接続が可能。

 さらに、同軸/光デジタル入力も備えるので、携帯プレーヤーやAV機器との接続にも対応。アナログ入力(ステレオミニ端子)も備えている。据え置きの機器も含めて多彩な機器との接続が可能だ。

上面にあるボリュームと接続端子。USB-B、micoroUSBのデジタル入力と、充電用microUSB端子、バランス対応の接続端子×2がある

上面にあるボリュームと接続端子。USB-B、micoroUSBのデジタル入力と、充電用microUSB端子、バランス対応の接続端子×2がある

底面には、同軸/光デジタル入力、ステレオミニ端子のアナログ入力がある。入力端子はかなり充実している

底面には、同軸/光デジタル入力、ステレオミニ端子のアナログ入力がある。入力端子はかなり充実している

 DACチップはESSの「ES9018K2M」で、リニアPCM最大384kHz/32bit、DSD最大11.2MHzに対応(同軸/光デジタル入力は、リニアPCM最大192kHz/24bitのみ対応)。

 デジタル部とアナログ部をそれぞれ専用の基板としたセパレートレイアウトを採用して相互の悪影響を低減。インナーシャーシをボディーとフローティングさせる構造で、外部振動の影響を抑制するほか、シャーシ剛性を高めるだけでなく、f字型/バナナ型の穴を開けることで剛性をコントロールし、音質をチューニングするなど、徹底的に音にこだわった作り込みがされている。

 しかも、アナログ回路はバランス構成となっており、4つのアンプ回路で駆動される。

 バランス出力端子も備えており、3.5mm×2のバランス接続ケーブルを使って対応するヘッドフォンのバランス駆動が可能だ。機能はもちろんだが、オーディオ的な点でもかなりハイグレードなモデルと言える。

 バッテリーは約5時間(デジタル接続時)で、サイズ/重量は幅80.4×厚さ28.5×高さ153.5mm/400gと、なかなかの重量級となる。

 ポタアンの高級モデルでは、このくらいのサイズのモデルも多いので、決して大きすぎるというわけではないが、スマホと組み合わせて手軽に使いたいという人には少々おおげさに感じるかもしれない。

 バランス接続に対応することもあり、かなりオーディオにこだわりのある人に向いたモデルと言える。

 付属品は充電用microUSBケーブルとノイズフィルターのみ。接続ケーブルやスマホと結束するためのアクセサリー類は自前で用意する必要があるので注意しよう。

情熱的な音が魅力的! AC駆動でさらに実力を発揮する

 一番の魅力は音質だろう。個々の音の粒立ちや情報量の多さもかなりのレベルのものだが、音の厚みや実体感が実に豊かだ。

 堂々とした音の再現で、クラシックのオーケストラ演奏などを聴くと、そのスケール感も雄大。オーケストラの全奏でのパワー感も見事なものだが、ゆったりとしたメロディーでも音の密度が高く、情感の豊かな再現となる。

 これだけでもかなりの実力の高さなのだが、充電用USBケーブルを使ってAC駆動とするとさらに高い実力を発揮する。電源回路が専用電源に切り替わる「ハイインテンシティモード」を搭載しているのだ。

 十分な給電能力が必要なため、iPhone用ではなくiPad対応の2.1A(2.4A)アダプターを使う必要がある。

 AC駆動とすると、ボリュームの周囲にあるインジケーターが点灯し、モードの切換が確認できる。音はさらに力感を増し、質的にも一段階グレードアップする印象だ。

 ポップスの女性ボーカルは伴奏のピアノがますますパワフルになり、躍動感にあふれた演奏になる。歌声もよく弾むし、なにより歌とピアノが息を合わせている感じがよく出て、グルーブ感たっぷりの情熱的な演奏になる。

 ジャズの曲ではチェロの奏でるメロディーがより豊潤になる。かなり濃いめの音なのだが、解像感や個々の音の再現は緻密で、凝縮された音になる。

 ポタアンなのにAC駆動というのも少々矛盾したものを感じるが、屋外で高音質を楽しむだけでなく、据え置きのシステムとして使えるだけの高い実力を備えていると考えていいだろう。

 屋外ではスマホと組み合わせ、家ではAC駆動でPCやオーディオ機器と組み合わせて使う。こうした両方のシチュエーションでかなり満足度の高い音を楽しめると考えると、これだけの重量級のサイズや価格も納得がいくというものだ。

気軽な再生からこだわりの高音質再生まで
充実した音楽生活を楽しんでほしい

 音楽鑑賞に限らず、映画などの動画やゲームまで、パーソナルなエンタメのほとんどはスマホだけでも楽しめる現代だが、ヘッドフォン/イヤフォンやポタアンなどを組み合わせると、より充実した音で楽しめるようになる。

 また、今後ますます普及が進みそうな、定額制の音楽配信サービスでもおおいに役立つだろう。基本的にはCD品質の圧縮音源だが、再生環境をグレードアップすれば、かなり満足度は高まるはず。

 新しいスーツやカバンなどを揃えることも大事だが、余力があればこうした音楽のためのアイテムも揃えておくと、世間の荒波に立ち向かうパワーを増強できるはずだ。

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