ハイブリット型ユニット搭載で余裕のある音を楽しめる
ソニー「XBA-N1」
続いて紹介するソニーの「XBA-N1」(実売価格 2万円前後)は、カナル型イヤフォンだが、ハウジングの形状がちょっとユニークだ。
これは、9mm口径のダイナミック型ユニットと、BA(バランスド・アーマチュア)ドライバーを組み合わせたハイブリッド型ユニットを採用しているため。
9mmドライバーは外磁型磁気回路を採用することで駆動力を向上させており、余裕のある低音再生を可能にする。
BAドライバーも、シンメトリックアーマチュアとダイレクトドライブ構造の採用により振動系のリニアリティーを向上。忠実度の高い再生を可能にした。
接続コードは左右の配線のグランド線が独立したケーブルとなっており、ケーブルが絡まりにくいセレーションコードを採用する。配線材はOFC材に銀メッキとなっている。
しかも着脱式で、ケーブル交換にも対応している。同社のバランス接続対応のウォークマンなどとも、別売のバランス接続ケーブルを使って接続ができる。
ハウジングの形状はちょっと独特だが、装着してみると後ろの円筒部分が耳の中にちょうどよく収まるので、思った以上にフィット感がいい。耳の外に出っ張る感じもなく、邪魔になりにくい。
そして、2種類の硬度のシリコンゴムとシリコンフォーム素材を組み合わせた「トリプルコンフォートイヤーピース」の感触が良好。柔らかく耳の穴にぴったりとフィットする。
ゆったりとした品のいい音再現
その音は余裕のある落ち着いた鳴り方が特徴的。特に低音がたっぷりと出て安定感のある演奏になる。ジャズ曲でもチェロが堂々とした存在感でメロディーを奏でるし、ドラムやベースのリズムもための効いた感じで、ゆったりと品のいい再現となる。
ボーカル曲では、声は鮮やかで粒立ちもよく、表情が豊かに出る。高域はどちらかというとソフトで細かいところは出るが音色としては穏やか。伴奏のピアノは低音まで力強く鳴り、やや穏やかではあるがもたつくほどではないので、楽しげな感じは伝わる。
オーケストラは、スケール感も十分に出て、ホールの豊かな響きもよく出ている。各楽器の音は細かく出ているが、どちらかというと音楽全体のまとまりのよさが感じられる音になっている。
落ち着いた感触でどんなジャンルもそつなくこなせるバランスの良い仕上がりで、ジャンルを問わずいろいろな曲を聴きたいという人にはよく似合いそうだ。
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