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Radeon RX480は「バイオハザード7」でコスパ最強!?GTX1060越えか!

2017年02月25日 11時00分更新

文● 加藤勝明 編集●ジサトラ ハッチ

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今回も何度もお世話になっているASUS製のRX 480/470/460搭載グラボを使用。比較用のグラボもすべてASUS製で用意した

 2017年序盤で一番熱いゲームといえば、カプコンの“バイオハザード”シリーズの最新作「バイオハザード7 レジデント イービル(以降バイオハザード7)」だろう。ホコリだらけの謎の館、鍋の中にある腐った○○、目の前で突然豹変する○○(ネタバレ防止)……あらゆる方法で“恐怖”がプレイヤーを襲ってくるが、なんといっても注目なのはリアルなグラフィック。グラフィックエンジン“RE ENGINE”を駆使した描き込みは素晴らしいので、ぜひ最高画質設定で楽しんで頂きたいところだ。

 ここで気になるのがPCのスペック。CPUは最低でもCore i5-4460、Core i7-3770以上推奨、一方GPUの最低スペックはGeForce GTX 760またはRadeo R7 260X、推奨はGTX 1060となっている……推奨GPUにRadeonの記述がない! これはどういうことだ?

 となれば実際に現行のRadeonでバイオハザード7を動かし、Radeon環境で遊ぶ時のベストなGPUを見極めるしかない。最高画質のホラー体験をしたい人はぜひお付き合い頂きたい。

バイオハザード7でコスパのよいGPUはどれだ?

 まずは今回のテスト環境を紹介しよう。テストの目的はRadeon RXシリーズとそれに価格的に近いGeForce GTX 1060および1050Tiを比較し、バイオハザード7を最高画質で快適に楽しめるGPUの中で最もコスパの良いものを探すというもの。

 グラフィックスボードはメーカーやグレードにより価格差が大きいので、ASUS製のROG STRIXブランドのボードで統一した(GTX 1060のVRAM 3GBを検証に含めていないのは、ROG STRIXブランドに3GB版が存在しないためだ)。今回集めたボードの中で一番パフォーマンスが期待できるRX 480とGTX 1060を比較すると、圧倒的にRX 480が安いが、この価格差と実際のパフォーマンスの差に注目したいところ。検証で使用した製品と価格は以下で表にまとめた。信頼度と人気の高いASUS製の製品は割高だが、ブランドによっては大幅に価格を下げているものもあるので、価格重視で選びたい人はウェブ販売サイトなどで、価格をチェックしてみることをオススメしたい。

 また、今回は動作要件ギリギリのGTX 760も比較対象に加えてみた。旧世代GPUから最新Radeonに買い換えることで、どの程度性能が伸びるかの判断として使えるだろう。

検証に使用したグラフィックボード
ROG STRIX-RX480-O8G-GAMING(Radeon RX 480)実売価格 3万4000円前後
ROG STRIX-RX470-O4G-GAMING(Radeon RX 470)実売価格 2万5000円前後
ROG STRIX-RX460-O4G-GAMING(Radeon RX 460)実売価格 1万7300円前後
ROG STRIX-GTX1060-O6G-GAMING(GeForce GTX 1060 6GB)実売価格 4万円前後
ROG STRIX-GTX1050TI-O4G-GAMING(GeForce GTX 1050Ti)実売価格 2万6000円前後
GTX760-DC2OC-2GD5 (GeForce GTX 760 2GB)
検証環境
マザーボードASRock Z270 GAMING K6(Intel Z270)
メモリーCorsair CMU16GX4M2A2666C16R(DDR4-2666 8GB×2)
ストレージIntel SSDPEKKW010T7X1(NVMe M.2 SSD、1TB)
電源ユニットCorsair RM550(550W、80PLUS Gold)
OSWindows 10 Pro 64bit版(Anniversary Uptade)

同価格帯ならRX 400シリーズが速い!

 では実際にバイオハザード7のフレームレートを比較しよう。画質設定は一番高いもの、オン・オフで操作する項目は全てオンに設定。アンチエイリアスは“SMAA”、アンビエントオクルージョンは“HBAO+”で統一した。ゲーム開始すぐに入る館において一定のコースを移動する際のフレームレートを「Fraps」で測定した。画面解像度(フルHD・WQHD・4K)を上げるとどの程度フレームレートが落ちるかもチェックしたい。

「バイオハザード7」1920×1080ドット時のフレームレート

「バイオハザード7」2560×1440ドット時のフレームレート

「バイオハザード7」3840×2160ドット時のフレームレート

 同クラス(RX 480対GTX 1060など)ならばRX 400シリーズの方が高いフレームレートが出せるのが傾向として読み取れ、解像度が高くなっても同傾向だ。さすがに4K+最高画質ではRX 480でも快適プレイとは言いがたいが、WQHD程度なら最高画質でなんとか平均60fpsに届いている点に注目。

 また、RX 470でもフルHDなら平均60fps出ているが、下図のような光と影が複雑に入りこむシーンではフレームレートが一気に落ちるので「最高画質で快適」とは言いがたい。RX 470で楽しむならテクスチャーなどの質を1段落としてプレイするのがオススメだ。RX 460だと最低要件ギリギリのパワーしか出ないので、バイオハザード7を高画質で遊ぶには適さないGPUといえる。

今回検証に使ったシーンではどのGPUでもキッチンに入ったところでフレームレートが一番低くなる(画面のフレームレートはRX 470使用時のもの)。最高画質設定だと複雑な光線・陰影処理がネックになるようだ

画質設定を1段落とし、つまり最高なら高へ、高なら中へ落とした設定。ちなみにオン・オフのものは全てオン、アンビエントオクルージョンもアンチエイリアスも1段下に落とした状態。これだけでフレームレートは一気に上がる。RX 470で遊ぶ際の参考にして欲しい

最高から設定を2段下げ、オフできる項目は全てオフにした状態。テクスチャーはつぶれ気味だし、ブラインドの隙間から室内に入り込む光線もオミットされてしまう

バイオハザード7ならRX 480がオススメ

 今回は戦闘のないシーンでの検証となったが、同クラス&同価格帯ならGeForce系よりもRadeon RX 400シリーズの方がより快適に楽しめることがわかった。最高画質にこだわるならRX 480が必須だが、画質を1段階落としてもいいのであれば、RX 470も十分魅力的な選択といえる。ゲーミングPCの性能にあまり妥協をしたくないが、出費を少しでも減らしたい人にとっては、現行のRadeon RX 470やRX 480はオススメできる製品といえるだろう。

 バイオハザード7を実際にプレイした限りではGTX 1060よりもRX 480の方がよりフレームレートが出る。RX 480は最近価格がどんどん落ちている。たとえば玄人志向の「RD-RX480-E8GB/OC/DF」であれば、Amazonで2万4818円という安さで売られている。RX 470に至っては「Sapphire Nitro+ RX 470 4GD5」が2万円を切る1万9416円と激安。自分の予算と考慮して、安くPCゲームを楽しみたいなら、RX 480またはRX 470の購入を検討してみてはどうだろう。

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