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デスクトップPCの油没冷却に再挑戦! 第1回

海中でPCを冷却するだと? なにを言っている?

2017年02月24日 12時00分更新

文● 林 佑樹(@necamax) 編集●北村/ASCII.jp

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空冷のように安価で済ませつつ
液浸冷却のメリットを出したい

 失敗作や研究室にあるPCパーツを見ると、やたらとASRockのマザーボードが目立っていた。というよりASRockマザーしか研究室にはないことに気づいた。

鯉渕「当時、ASRockのQ1900DC-ITXしか条件に合うものがなかったんです。秋葉原にあった在庫の大半を買い占めたかもしれません。」

 マザーボードにも条件があり、CPUがオンボードであり、かつACアダプターで動作するものとして、Celeron J1900を搭載するASRock「Q1900DC-ITX」が選ばれている。

 CPUがオンボードであれば、ソケット周りのコーティングが簡単である。電源もACアダプターなら取り回しがしやすく電源回路の分離も容易だ。

 「Q1900DC-ITX」ならば突起物が少ないうえに低発熱。しかも液浸の際に不要なパーツ(サウンドやLANの端子)をハンダ吸い取り器で取り外すことで、水に触れてショートする危険性を極力抑えられるのだという。

長期水没試験中のASRock「Q1900DC-ITX」。現時点の目標稼働時間は2年で、これはその前段実験だ。長期間になると数ヵ月では出てこない問題の発生が予想される。2年になると経年劣化もあるし、熱による膨張・収縮もありと、よりヘヴィーな状況になってしまう

デモで負荷をかけてもらったところ。普段は一定間隔でPingを打って生存確認をしているとのこと

初めて見る水道水による液浸冷却なのだが、油没冷却の経験があるので見慣れた光景に感じてしまう

記事で制作したスティックPCのエンジンオイル浸けを持参したところ、鯉渕准教授が興味を示し、しばらく質疑応答になるシーンがあった(編注:取材というよりは、情報交換会でした)

次はオーバークロック実験

 3月からは、「Core-i7 6700K」をオーバークロックしたものを沈めて、実証データを得るという。極端に安価で高クロック動作が安定するのであれば、それだけで大きな一歩になる。また、他の液浸冷却との違いを明瞭にできるため、よりわかりやすいデータの提示にもつながるだろう。

将来的には、ハイブリッド養殖棚サーバーがあるかもしれないわけだ

鯉渕・藤原「ジップロックは意外と二次冷却用のケースにいいかもしれません。うちではまだ試してませんので、アスキーさんでぜひ! これからもいっしょに液浸冷却を進めていきましょう!!」

 そんなわけでASCIIはASCIIで自作PC感覚な液浸冷却を考えつつ、次期実験の取材に行きたいと思う。というか、我らのマザーボードも沈めたい。海に。

【取材協力】

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