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Core i3初のK付きモデルのES版と製品版のOC耐性をまとめてチェック

たーのしー!Core i3-7350Kをオーバークロックしたら5GHzで動いたよー

2017年02月10日 11時00分更新

文● ジサトライッペイ

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それでも定格+1GHz OCの5.2GHzを夢見る

 5.1GHz動作の時点ですでに定格から+0.9GHzまでOCできています。この結果だけでも十分、というかかなりOC耐性は高いことを証明できたCore i3-7350KのES版ですが、やっぱりここまでくると定格+1GHz動作の5.2GHzが見たい。どうしても見たい。でも、Vcoreはすでに+0.36Vなので1.496Vです。どう考えてもヤバイ。いまどきCPUが空冷OCごときで一気に壊れるといったことはなかなかないんですが、ここから先は本当になにがあってもおかしくありません。でも、それでも僕は見てみたい。5.2GHz動作で元気にCINEBENCH R15をぶん回しているCore i3-7350Kを。

 とりあえず自分の考える許容電圧いっぱいいっぱいのOffset+0.4Vに設定して、倍率を52倍に。適用ボタンを押すと、一瞬Windows 10がウインクしたんじゃないかって静寂が訪れ、タスクマネージャーとHWiNFOの数値を見て動いていることを確認。不思議なもので何度も倍率変更→電圧上昇→ブルースクリーンと繰り返していると、この段階でなんとなくヤバさが体感できるようになります。OSと対話しているような気さえします。窓辺とおこちゃんが熱で朦朧としている幻覚に襲われます。

Offset+0.4V。おそるおそる5.2GHz設定で適用ボタンを押すと、Windows 10は落ちずになんとかもちこたえました。しかし、CINEBENCH R15を回してみると……。

 祈るような気持でCINEBENCH R15をまわしてみるとアプリ―ケーションエラー。何度実行してもアプリケーションエラー。再起動をかけてもアプリケーションエラー。

 うん、やっぱりダメでしたね。ここで精神的にだいぶまいってしまって、ジサトラの後輩のショータに相談します。曰く、

「+0.5Vまでは大丈夫じゃないですか?」

 若さってのはこういう向こう見ずな挑戦ができる姿勢のことを言うのでしょうか。しかし、ショータは殻割やBIOSで細かい設定を詰めてOCしたりするのが大好きな、いわば僕よりもOCに対しての経験値が高い男でもある。よし、その提案乗った! Offset+0.5Vいっけーーーーー!



 うん、まあ、当然の結果ですよね。しかもCPUクーラー空冷ですしね。空冷の中でもわりとちっちゃいほうですしね。仕方ありません。その後、「ちょっと僕にいじらせてください」と本気になったショータがBIOSからいろいろと設定をいじって何度か再トライするものの、結局5.2GHzでCINEBENCH R15が回ることはありませんでした。ちなみに、BIOS設定でやるとVcoreはデフォルト“AUTO”でも、倍率を52倍にするだけでWindows 10は普通に起動しました。もちろん、CINEBENCH R15は回りませんでしたけども……。

5.2GHz動作の夢は製品版に託すも…

Core i3-7350KのBOX。

 というわけで、ES版はあきらめて製品版で再トライすることになったのですが、結果から言えば、4.9GHzと5GHzの間にどうしても乗り越えられない壁にぶちあたり、ES版よりも低い結果に終わりました。もちろん、製品版がES版よりもOC耐性が低いとは断言できませんが、僕の正直な気持ち的には「ほかの製品版をもっと試したい!」です。

 ちなみにCore i7-7700K(4コア/8スレッド、4.2GHz、TB最大4.5GHz)でも5.2GHzでまわるのはかなりレアです。さらにVcore 1.4V以下で5.2GHz駆動するのは超優良個体といった世界。Core i3-7350KもTBがないとはいえ、定格4.2GHzスタートで5GHz近くまで上がってくれるわけですから、そう考えるとかなりOCしがいのあるCPUであることがわかりました。

後日行なった再テストでは見事製品版で5GHzを突破!

 ちなみに後日、悔しかったので240mmラジエーターの簡易水冷クーラー、Thermltake「Water 3.0 Riing Edition CL-W107-PL12SW-A」を使って、製品版を再テスト。CPUグリスも熱伝導率が高いThermal Grizzlyの「Kryonaut」(4000円)を購入。VcoreもOffset設定では不安定になるかもしれないので、OC Voltageに直接1.56V(標準から+0.424V)とぶちこみました。BCLKも100.7MHzから100.2MHzまで落とし、とにかくもういろんなこだわりをかなぐり捨てた結果、なんとCPUパッケージ温度80℃で5GHzを突破。したんですが、CINEBENCH R15のスコアーは揺れまくりで不安定。もうちょい電圧を盛るなり、BIOSで細かい設定を入れるなりして、安定させたいところですが、ここまでくるとOC耐性を計るという趣旨から外れ始めたのでいったん区切りとします。

 さて、いよいよ2月11日に発売となるCore i3-7350K。発売を心待ちにし、ご購入なされたみなさまにおかれましては、ガンガンOCしてぜひ5.2GHz超えを目指してみてはいかがでしょうか。きっとそこには、Kなし型番じゃ体験できない自作PCの醍醐味が待っているはずです。

■関連サイト
Intel ARK
Core i3-7350K製品ページ
ASUS「ROG MAXIMUS IX HERO」製品ページ

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