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実写サンプルで見る、個性派ミラーレスの実力

APS-H版のFoveonX3搭載、 sd Quattro Hのすごい解像感

2017年02月03日 13時00分更新

文● 岡田清孝 編集●ASCII

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Foveonならではの解像感を維持できるのはISO 800程度まで

 高感度の画質も『sd Quattro H』と『sd Quattro』、それぞれ等倍で比較すればほぼ同等。”FoveonX3センサー”の解像感を最大限に発揮したいならISO800程度にとどめておいたほうがいいだろう。

『sd Quattro H』のISO感度別の画質を比較。上段左からISO 100/200/400/800。下段左からISO 1600/3200/6400。

参考まで『sd Quattro』のISO感度別の画質も掲載。上段左からISO 100/200/400/800。下段左からISO 1600/3200/6400。

 また高感度の画質はJPEG撮影した画像と、RAWで現像しJPEG変換した画像では仕上りが違い、JPEG撮影のほうがノイズ処理が強く解像感が損なわれる。低感度ではJPEG撮影でも十分満足のいく画質だが、高感度ではRAWから現像したほうが好みに仕上にすることができる。

JPEG撮影で撮影した画像(上段)とRAWからJPEG変換(下段、現像パラメーターは初期設定)した高感度画質を比較。左からISO400/800/1600/3200。

汎用RAW形式の“DNG”にも対応するが

 『sd Quattro H』では独自のRAW形式『X3F』にくわえ、汎用RAW形式『DNG』でも記録することができ(『sd Quattro』も今後ファームアップで対応予定)、AdobeのCameraRAWなどでの現像が可能になった。ただしJPEGとの同時記録はできず、1枚あたりのデータ容量も『X3F』では70MB前後なのに対し145MB前後と巨大。現像結果も少し微妙だったりもする。個人的には多少動作は重いが、『X3F』と『SIGMA Photo Pro』との組み合わせのほうが好みだ。

『X3F』を『SIGMA Photo Pro』(写真左)、『DNG』(写真右)『CameraRaw』で現像しJPEGに出力。ともに現像パラメーターは初期設定。等倍で比較すると『DNG』のほうが多少細部がざらついた感じ。

ISO1600の画像で『X3F』と『DNG』を比較。現像時に輝度ノイズ処理はオフ。色ノイズ処理は初期設定。『DNG』のほうが少し解像感は劣る。

sd Quattroのお手頃感も感じ、悩ましい

 ボディーサイズは『sd Quattro』と同じの147 (W)×95.1(H)×90.8(D)mm 。重量は『sd Quattro H』のほうがボディーのみ約635gで10gほど重い。バッテリーの消費量は大きく撮影可能枚数は約187枚と少なめ(『sd Quattro』は約235枚)。

『sd Quattro H』(写真左)と『sd Quattro』(写真右)の外観を比較。ボタン類などの操作系はまったく同じで、ロゴが無ければ見分けが付かない。

同じく『sd Quattro H』(写真左)と『sd Quattro』(写真右)

 実売価格はボディーのみで約14万円。約8万円で購入できる『sd Quattro』のほうがお手頃に感じるのは悩ましい。しかしAPS-Hにサイズアップした撮像素子で高画素と広い画角での撮影ができ、さらにクロップモードでAPS-Cでも撮影ができる。大は小を兼ねるというわけではないけど、今から買うのなら『sd Quattro H』のほうがお買い得だと思う。

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