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アスキー・ジャンク部リターンズ 第151回

「麺処井の庄監修 辛辛魚らーめん」

辛すぎィ! 激辛カップめん「辛辛魚」がリニューアル

2017年02月01日 17時30分更新

文● コジマ/ASCII

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 生理学的にいえば、味覚とは、味覚受容体細胞にとって適刺激(感覚器がそれぞれ特異的に感知する刺激)である苦味、酸味、甘味、塩味、旨味の5種を指すそうです。すなわち辛味は当てはまらず、舌・口腔で感じる痛覚がその正体だといいます。

 「旨辛(うまから)」などといいますが、旨味があり、なおかつ口の中をガンガン攻めるものが、旨辛である……ということになるわけです。

 今日は寿がきや食品の「麺処井の庄監修 辛辛魚らーめん」を食べます。価格は275円。

 以前から激辛好きの間では有名な、東京は石神井の人気店「麺処 井の庄」監修カップめんです。濃厚で辛口なとんこつ醤油のスープに、「特製辛魚粉」を後入れで加えて食べる個性的な一杯。今回は、めんを食べごたえのある全粒粉配合めんに改良したといいます。

なんとわかりやすいパッケージ。「辛」という文字が2つあるからこれは辛い

「※大変辛いラーメンです」という注意書きもある

栄養成分はこんな感じ。492kcal

「かやく入スープの素」を入れたあと、後入れ粉末スープと液体スープを入れて仕上げます

うわあ

めんは見た目だとちょっとわかりにくいですが、やや太め

 最初に言っておきますが、辛いです。もう一口目から辛い。ちゃんと激辛です。そのあたりはさすがだなと。豚骨のまろやかさもありますが、めんをすすり、スープを飲むごとに、一気に刺激がたまっていく感じです。「旨辛」というより、「旨……あっ辛! 辛っ!」という感じです。伝わりにくいかもしれませんが。

 めんが全粒粉配合になったことで、今までのものよりもスープに絡むような印象があります。不思議なことに、ノンフライめんでありながら、東洋水産の「赤いきつね」、日清食品の「どん兵衛」のような、カップうどんの食感に近いかなと感じました。とび抜けて太くはないと思うのですが、やはり歯ごたえがあります。

 めんに激辛スープがしっかりなじんでいるので、辛さに強い人でないと、めんをすするだけでもスープが喉を直撃して「ごほっ」とむせる場合があります。普通にすすり切ることさえ、困難だとは。まさしく激辛というわけですね。

筆者と席が隣というだけでよく被害にあう、家電担当のモリタさん

「辛っ! うわ辛っ! なんだか口に対する攻撃魔法みたい。辛っ! いや、ダシの旨味もあるんだけど、むせかえるような辛さがそれを吹き飛ばします……」

ASCII編集部きっての辛党、進行管理のニシマキさん

「香りもあるし、『味』を感じられて、しかもちゃんとおいしいです。スープに魚粉のコクがありますし、めんが変わったことでよりスープに絡みます」

 記事の冒頭で紹介した話に戻りますと、辛味が味覚とは別の感覚だとするなら、「おいしくて、辛い」と感じさせるには、いたずらに辛いだけではだめ。そこに旨味などがなくてはいけない。そういうことになりましょうか。

 辛辛魚は、とんこつと魚介(いわゆるダブルスープ)でしっかり旨味に配慮している点で、ただ辛いだけのつまらない味を避けようとしている。「辛い! 痛い!」のみにせず、めんを食べるだけでもスープの味がしっかりわかる……というコンセプトが見えます。

 めんを改良して食べごたえを高めようとしたことについても、辛さ以上の価値観を持たせようとしている点で、評価できるポイントといえますね。

 きちんと激辛、きちんと旨味。辛党をうならせる刺激を保ちつつ、よりカップめんとしてのクオリティーを追求した味で、よくできている一杯です。強いてこれ以上を求めるならば、よりスープにコクを増してくれれば、さらに完成度が高まるのではないでしょうか。

 ただ、本当に辛いです。苦手な人はくれぐれも気をつけて。


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