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ユーザーコミュニティ「kintone Café」活動レポート 第5回

参加者の敷居を下げる「女子会」という魔法の言葉

初心者・非ITでも気軽に参加できる「kintone Café 関東女子会」始動

2017年01月31日 07時00分更新

文● 重森大

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宣言から2ヶ月で実現した関東女子会、走りながら模索を続ける

 第1回kintone Café 関東女子会が成功裡に終わり、一息ついたところで運営メンバーに話を聞く時間をいただけた。筆者がまず聞いたのは、設立の背景だ。

残ったお菓子をかじりながら、立ち上げの経緯を語ってくださったみなさん

「2016年11月のkintone Café JAPANのときに、池上さんたちが女子会コンテンツを発表したのを見て、関東にも女子会があった方がいいよねっていう話になったんです。じゃあやろうかって言っちゃったので、やるなら早くやろうと」(對馬さん)

 時間をおけばおくほど熱は冷めてしまう。これだけ待たせたんだからきっとすごいものが、という期待ももたせてしまうかもしれない。そんな思いから、内容を深く練るよりもまずは開催してみようと動き始めたのだそうだ。

 お手本となった関西女子会は、どんなきっかけで立ち上がったのか。それを池上さんに聞いてみたところ、「JAWS-UGに女子会があったので、kintone Caféにも女子会があると来やすい人はいるよね」という話から始まったとのこと。コミュニティ同士が刺激し合い、成長していることが感じられて興味深かった。

「これだけ待たせたんだからすごいものが出てくるんだろうとか期待されても困るし」と語る對馬さん(写真左)と、関西女子会の設立について教えてくれた池上さん(写真右)

 その後はざっくばらんな話をしたのだが、話題となったのは女子会のニーズやターゲットをどこに見出すべきか、その人たちにどうリーチすべきかという話だった。

 「kintoneはエンジニアだけではなく、事務職の人でもアプリを内製して使ってもらえるツールを目指しています。だから事務職の方、エンジニアではない方々の声を聞きたいんですけど、そういう人にとっては一般のITコミュニティは敷居が高いようで、来てもらえません。女子会ってつければ、そういう人も来てくれるかなという期待はありました」(四宮さん)

  エンジニアが中心になる勉強会では、kintoneと他サービスをAPI経由でどう連携サービスさせるか、JavaScriptでカスタマイズする方法は、などテックな話題に偏りがちだ。こうした空気の中で「罫線を引くにはどうすればいいんですか」とは質問しづらい。kintoneはそういったユーザーにも使ってもらえるプラットフォームを目指しているが、そういうレベルでの意見交換の場は持てずにいた。

「初心者向けですっていう勉強会も多く開催されていますが、蓋を開けてみると初心者じゃない人が参加者の中心だったりするんですよね。本当の初心者が行くと、前提知識が足りなくて話についていけず、裏切られた気分になると思います。そうじゃないよ、本当に初心者が参加できる会だよっていうわかりやすいキーワードが『女子会』なんだと思います」(池上さん)

 同じサイボウズ製品であるガルーンの勉強会でも同様の傾向があるそうで、同社の大滝 空さんは「ガルーンでも女子会と名前をつけたら普段よりたくさん人が集まります。テックなイメージが薄れて敷居が低くなるのでは」と語った。

 問題は、そうした非IT職の人々にどうリーチし、女子会に来てもらうかということ。エンジニアやIT職の人々は、IT系のメディアでの情報収集が習慣化しており、イベントの告知もしやすい。一方で事務職などに就く女性の多くはそうしたサイトをみることがなく、Facebookで活発にコミュニケーションを取る傾向にもない。

 リーチする道がないということは、そこに最初に道をつくった者の勝ちではないだろうか。メディア側の人間としてはふとそんなことを考えたりした。「これがのちのTECHアスキー女子部である」みたいなことになりませんかね? どーすか?

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