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プリンストンが販売する高機能ストレージ「Drobo」を活用しよう 第21回

米国特許「Filesystem-Aware Block Storage System, Appratus, and Method」

Droboの仕組みが分からない? ならば特許を見よう

2017年02月07日 11時00分更新

文● 飯岡真志、編集 ●金子/ASCII.jp

提供: プリンストン

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使用できない領域が出るのは?

 Drobo上に複数の、しかも可変サイズのボリュームが作れる理由は分かった。残った謎は、搭載するHDDの構成によっては、使えない領域が出る理由だ。

3台のドライブで複数系統のミラーリングが行われている状態

 前述した「拡張用に予約済み」領域が生じるHDDの構成でも、FIG.6のように複数系統のミラーリングが可能ならば、すべての領域が使えるはずだ(極端に容量の差があるHDD同士の組み合わせでは、使えない領域が出る)。実際には、FIG.6のような複数系統のミラーリングは用いられていないようだ。これについては、特許公告内には「技術的な制限ではない」と書かれている。

 Droboでは最も大容量のHDDと2番目に容量の大きなHDDの差に相当する領域は、「拡張用に予約済み」となる。残念ながら理由までは明らかにならなかったが、速度や安全性に関連する秘密があるのだろうか。

 ここまで見てきたように、Droboの中では非常に複雑かつ細かな制御が行われ、データを保護していることが分かるだろう。このように「重い」処理を行っている結果として、Droboの初期のモデルは「転送性能がイマイチ」と言われることもあった。

 しかし、今回紹介した特許は2007年に公示されたものでかれこれ10年経っており、昨今のハードウェアスペックならば、このような処理を行っても必要十分な性能が得られるようになっている。

 むしろ、将来のハードウェアの性能向上を見越して、公開当時には少々無理っぽい処理を突っ込んできたのがDroboと言えるかもしれない。ハードウェアのスペックが特許に追いついたのである。そういう意味では、まさに「Droboいつ買うの? 今でしょ!」(古い)なのではないかと筆者は考える。

 Droboの「中の人」がこれほど頑張っているからこそ、ユーザーは特に難しいことを考えずに簡単に利用できるのだということをご理解いただければ幸いである。

NASモデルやサーバールーム向けモデルもラインアップ

 Droboシリーズには、家庭向けからサーバーとの接続に使うハイエンドストレージまで、多くの製品を用意している。ここでは、大企業の部門/中小企業から、家庭でも使える製品を紹介しよう(写真をクリックすると、メーカーページに飛びます)。

2016年9月に登場した「Drobo 5Dt」。「Drobo 5D」の5ベイ搭載や64TB・4Kn HDD対応などはそのままに、インターフェイスのThunderboltが「Thunderbolt 2」の強化(USB 3.0も搭載)。また、標準でキャッシュ用SSDを搭載する

9月に登場したばかりの新モデル「Drobo 5Dt」。「Drobo 5D」の5ベイ搭載や64TB・4Kn HDD対応などはそのままに、インターフェイスのThunderboltが「Thunderbolt 2」の強化(USB 3.0も搭載)。また、標準でキャッシュ用SSDを搭載する

DroboAccessをはじめとするDroboAppsが利用できる、8ベイ搭載NASモデル「Drobo B810n」。Gigabit Ethernetポートを2基搭載し、複数のネットワークへの接続やリンクアグリゲーションが可能。4Kネイティブ(4Kn)HDDに対応しており、最大ボリュームサイズは64TBに達する。アクセス頻度の高いファイルを自動的にSSDへ配置し体感速度を向上させる「Automated Data-Aware Tiering(自動最適配置機能)」も搭載だ

iSCSI SAN、冗長化電源などに対応し、12ベイを搭載する企業向けモデル「Drobo B1200i」

初出時、自動最適配置機能のスペルにミスがありました。お詫びし、訂正させていただきます。(2017年3月23日)

(提供:プリンストン)

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