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松村太郎の「西海岸から見る"it"トレンド」第147回

iPhone 10周年と筆者の米国での5年

2017年01月12日 10時00分更新

文● 松村太郎(@taromatsumura) 編集● ASCII.jp

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便利な日本では気づきにくいITによる変化
だからこそ、この5年間を米国で過ごせて良かった

 2011年に渡米しバークレーで暮らし始めた筆者は、10年のiPhoneの歴史の後半5年間を米国で過ごしたことになります。これは、スティーブ・ジョブズ氏がなくなってからのAppleの5年間でもあり、また米国がスマートフォンによって大きく社会変革を起こしつつある5年間でもありました。

 たとえばUberは、すでにサンフランシスコ周辺の人々の「移動手段」で上位の優先度に入っています。5年前の11月、寒空の下、Mountain View駅の前でタクシーを待っていた悔しい記憶を思い出すと、スマートフォンが行き渡った社会で解決された問題はたくさんありました。

 日本ではあまり盛り上がっていませんが、レストランに限らず学校から公園まで、顧客がクチコミレビューを書くYelpは確実にこのエリアのサービスや品質を高めていると思いますし、前回ご紹介したように、分単位で雨雲を察知することもできるようになりました。

 背後には人工知能やパターンマッチングなどの様々な技術が隠れていますが、スマートフォンの上で飛び交う情報と通知は、米国での暮らしを便利にしてくれている、という実感があることに大きな価値を感じています。

 おそらく日本にいたら、もともと社会が素晴らしく便利だったので、その変化に気づくことが難しかったのではないかと思ったからです。

 それでも、まだ日本の方が便利な点は、本連載でも過去に触れているとおりで、Apple Payがちょっと日本に上陸した途端に、世界で最も便利にApple Payが利用できる国になってしまうほどのインフラがあるのです。

 そうしたアドバンテージはまだ日本にあると思います。東京で鉄道を利用すれば、世界中の人たちが驚き、日本ではUberが流行らない理由をすぐに理解してしまうでしょう。

 それだけに、これからの5年間は、日本で我々が何気なく触れてきた体験・日常を、いかにモバイルアプリに落とし込んで、世界の他の都市の問題を解決するかが重要です。そのためには、世界の都市の不便さに直面したり、それと日本を比較するところから始まると思います。

 その点で、筆者が米国の事情を伝える事も大切ですし、できるだけ多くの人に見に来てもらいたいと考えています。ということで、もしサンフランシスコ、バークレーにお立ち寄りの際はお気軽にお声がけください。


筆者紹介――松村太郎

 1980年生まれ。ジャーナリスト・著者。慶應義塾大学SFC研究所上席所員(訪問)。またビジネス・ブレークスルー大学で教鞭を執る。米国カリフォルニア州バークレーに拠点を移し、モバイル・ソーシャルのテクノロジーとライフスタイルについて取材活動をする傍ら、キャスタリア株式会社で、「ソーシャルラーニング」のプラットフォーム開発を行なっている。

公式ブログ TAROSITE.NET
Twitterアカウント @taromatsumura

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