Core i3とPentiumの違いは
動作周波数と3次キャッシュの容量のみ
Pentiumグレードだが、こちらはいろいろ違いがある。まずSKUであるが以下の5製品となるようだ(前回のロードマップではG6400/G6500という型番を示したがこれは間違い)。大きな違いは、まずハイパー・スレッディングが有効になったことである。
搭載されるGPUはCore i3と同様にGT2になる模様で、これによりCore i3との違いは動作周波数と3次キャッシュの容量のみとなった。TDPはCore i3同様に51Wの枠に収まっている。
Pentiumのラインナップ | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|
製品名 | コア/スレッド | ベースクロック | 3次キャッシュ容量 | TDP | ||
Pentium G4620 | 2/4 | 3.7GHz | 2MB | 51W | ||
Pentium G4600 | 2/4 | 3.6GHz | 2MB | 51W | ||
Pentium G4560 | 2/4 | 3.5GHz | 2MB | 51W | ||
Pentium G4600T | 2/4 | 3.0GHz | 2MB | 51W | ||
Pentium G4560T | 2/4 | 2.9GHz | 3MB | 35W |
登場時期がはっきりしないのがCeleronで、一応ロードマップには2017年6月と書いたが、この時期にはなんの根拠もない。Core i3/Pentiumよりは後になるという以上の情報はないのだが、こちらもSKUだけは判明している。
Celeronのラインナップ | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|
製品名 | コア/スレッド | ベースクロック | 3次キャッシュ容量 | TDP | ||
Celeron G3950 | 2/2 | 3GHz | 2MB | 51W | ||
Celeron G3930 | 2/2 | 2.9GHz | 2MB | 51W | ||
Celeron G3930T | 2/2 | 2.7GHz | 2MB | 35W |
Tなしのモデルも、動作周波数的にはTDPが35Wで動作しそうな気もするのだが、もともとT付きのモデルは低消費電力動作可能な選別品であるのに対し、Celeronのほうは低消費電力動作にならないが、動作周波数も上がらないというモデルを当てる関係で、TDPを51Wのまま維持しているのではないかと思われる。こちらはハイパー・スレッディングは無効のままである。
ちなみにKaby Lake世代全体に共通する話であるが、DDR3Lのサポートはなくなる模様で、メモリーはDDR4のみのサポートとなる。すでにDRAMの市場価格はDDR4がDDR3を下回っており、契約価格もほとんど同じかDDR4の方が少し安いというあたりまで交代が進んでおり、現実問題としてDDR3Lのサポート廃止は問題にはならないであろう。
AtomコアはApollo Lakeを継続
Atomコアに関して言えば、9月にApollo LakeベースのPentium/Celeronが追加になっている。「Pentium J4205」と「Celeron J3335」「Celeron J3455」がそれで、ベースクロックは4コア品が1.5GHz、2コア品で2GHz(Braswell-Dはどちらも1.6GHz)と若干変更がある。
ターボ・ブースト時もJ4205で2.6GHz、J3455で2.3GHzというあたりで、これもおおむねBraswell-Dと違いはない。搭載しているGPUはBraswell-Dが「HD Graphics 405」、Apollo Lakeが「HD Graphics 505」で、EU数そのものには違いがなく、動作周波数がわずかに向上した程度である。
両GPUは世代が異なる(HD Graphics 405は第8世代、HD Graphics 505は第9世代)ものの、GPUそのものの性能には大きく変化はないだろう。
ではなにが違うかというと、Apollo Lake世代ではDDR3/LPDDR3のほかにLPDDR4をサポートしていることで、DDR3/LPDDR3では1866MT/秒(チャネルあたりほぼ15GB/秒)だったのが、LPDDR4を使うと2400MT/秒(チャネルあたり19.2GB/秒)まで引き上げられることだ。これは特にGPUの実効性能の引き上げに効果的と思われる。
またCPUコアそのものが、Apollo Lakeでは新アーキテクチャーであるGoldmontに変わっている(前モデルのBraswell-Dは、Silvermontの14nm移行版)。これによって若干はIPCが改善されているとは思うが、根本的なところで絶対性能はそう高くないAtom系列なので、どこまで絶対性能にインパクトがあるかは不明である。
予定ではGoldmontを10nmに移行させたコアがどこかで出てくる可能性はあるが、2017年中はあまり期待できそうにない。したがって、当面はApollo Lakeが継続して販売されることになるだろう。
2018年にはCoffee Lake-Xが投入か?
最後にハイエンドのCore i7 Extreme向けの話をしておこう。これに関してはあまりアップデートはない。未確認情報としては、パッケージがLGA 2061ではなくLGA 2066になるという話や、Skylake-Xの3次キャッシュは最大13.75MBになる(かなり真偽不明)という話も流れてきている。
またSkylake-XではCPUからPCI Expressが44レーン、Kaby Lake-XではPCI Expressが16レーン出るという話になっているが、これが動的にレーン振り分けが可能かどうかなどは不明なままである。
さらにこれに続くものとして、2018年にはCoffee Lake-Xが投入されるという話まで出てきている。これはKaby Lake-Xの後継という位置づけになるのだろうが、まだこのあたりを論じるには時期尚早すぎる気がする。
とはいえCore i7 Extreme向けのBasin Fallsプラットフォームは2017年の第2四半期に投入したい、というタイムラインそのものには変更がないようだ。
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